作家で歴史家の加来耕三さんが「勝海舟『氷川清話』の知恵」という本を書いています。その最初に引用している言葉は
「おれが子どもの時には、非常に貧乏で、ある年の暮れなどには、どこにも松飾りの用意などしているのに、おれの家では、餅うく銭がなかった」
と、まずは貧乏体験を取り上げています。私などはこの言葉に非常に親近感をおぼえますが、この勝海舟の貧乏体験はあきらめではなくむしろ、この貧乏体験をバネに剣術修行、禅修行、蘭学修行を積極的に行なっています。誰でもが志一つでたとえ貧乏でも出来ることをしめしています。この体験こそが後に逆境も乗り越え庶民の平和のために動いた勝海舟を生んだのだと思います。これからも氷川清話を読み返して人生の糧としていきたいと思います。