演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

07/04/14 深夜寄席(芸協)

2007-04-14 | 深夜寄席見ブんログ
雷門花助…『鼻ねじ』

三笑亭可女次…『つる』

柳家小蝠…『お見立て』

桂花丸…『皿屋敷』


今月は1回だけしかない芸協の深夜寄席。
当初出演予定の「神田京子」さんがお休みで、かなり凹みました

一番手は花助さん。定席を含めて初めて見る高座です。
端正な顔立ちに加えて着物の着こなしも上品。
噺の運び方にもソツがなく、場内の雰囲気を十分に暖めました。

続いて二つ目に昇進して間もない可女次さん。もちろん深夜寄席初出演です。
開場前の仕切りには幾分戸惑いがあったようですが、高座ではそのような素振りはほとんどありません。
マクラの部分ではお客さんの反応に一瞬絶句してしまう場面が見られましたが、ウミガメの生態系調査のために小笠原の父島で生活していた話は笑いました。
噺に入っても、そそっかしい男が聞いたばかりの話をしたくてたまらない。その話を仕事をしながら聞く男の対比は見事でした。

小蝠さんは貫禄十分に余裕(?)の高座。
『京子さん目当てのお客様・・・あきらめて下さい』
池袋で女流講談交互の代演にでた話や、「飲む・打つ・買う」のマクラで笑わせ、花魁の噺への持って行き方も良かったです。
あの体格でも喜瀬川太夫に違和感はなく、杢兵衛大尽の表現も笑わせてくれました。
最後に墓の名前に『山下ケッタロー』と書かれていたとか。
今の若いお客さんにはわからないだろうなぁ

トリの花丸さんは先月の武蔵小山以来2度目。
今回も手拭いを2枚持って登場。羽織・着物と同色の手拭いがお洒落です。
花助さん、可女次さんの時間が短めだったため、時間がたっぷりあるという花丸さん。
例によって古典と新作のどちらを聴きたいかを客席に尋ねると、半々という微妙な反応。しばし考えた花丸さんは意を決したように
「古典をやります!」
怪談噺のように怖いお菊を演じたかと思うと、突然、小蝠さんのマクラを受けたネタを取り込み、まさに「花丸ワールド」。
若い客が多いせいか上々の反応ですが、そこからまた怪談に戻す手法には舌を巻きました。
大汗をかいて30分の大熱演!
「花丸=新作」というイメージを見事に覆してくれました。

神田京子さんの休演は残念でしたが、それを忘れさせてくれるほどの内容で大満足の夜でした。