演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

07/04/25 松丘亭寄席(府中・永福寺)

2007-04-25 | 講談会・落語会
瀧川鯉斗…『ん廻し』

林家時蔵…『突き落とし』

三遊亭右左喜…『交番日記』

神田愛山…『伊勢屋の黒助』

柳家蝠丸…『竹の水仙』

瀧川鯉昇…『肥甕』


一昨日のリベンジで浅草に行こうかと思いましたが、府中のお寺で落語会があることを知り駆け付けました。
新宿から武蔵境へ。以前は中央線の下りホームに西武多摩川線のホームもあったのですが、モダンになりかけの今は一旦改札を出なくてはなりません。
多摩川競艇に行くのに利用した多摩川線に久しぶりに乗車。2つ目の「多磨」駅から人っ子1人いない線路沿いの道を歩き、約5分で永福寺に到着。
40畳ほどの和室に椅子という造りは、胡坐が苦手な当方にとっても有難かったです。椅子に座りながらも畳の香りが良い雰囲気を醸し出していました。

高座では既に前座の鯉斗さんが「ん廻し」の半ば。現代風な感性を入れつつも、しっかりした噺にまとめていました。

普段芸協の定席に行っている私にとって、落語協会の真打の噺家さんを見る機会はなかなかないわけで…。
時蔵師匠のこの噺、吉原へ行く前の芝居の段取り部分が長過ぎると思いました。
もちろん悪巧みをするにしても入念な打ち合わせが必要なんでしょうが、いかんせん長い。おまけに後味の悪さが残る粗筋で、私はあまり好きではない噺でした。

続いて右左喜師匠。初めて拝見しましたが、こちらもあまり興味を引く内容ではありませんでした。

「う~ん、来たのは失敗だったかな?」という気持ちを一変してくれたのが愛山先生。
池波正太郎が1970年に発表した「伊勢屋の黒助」(猫の恩返し)を、文芸講談として見事に読み聞かせてくれました。
18日の広小路亭では引っ越しの話を重点に置きましたが、今日は一気に息もつかさせないほどの内容。
シーンと静まり返った室内に、淡々とした講釈が良い空気を生み出していました。

蝠丸師匠も実は初見。「竹の水仙」は2月28日の浅草で夢太朗師匠の噺を聴いていますが、蝠丸師匠は宿屋の主人がいい味を出していてじっくりと聴かせていただきました。

トリは鯉昇師匠。定席では巡り合わせが悪く、「かみや寄席」以来の高座姿ですが、もうマクラから笑いっ放しでした。
マクラが決まっている師匠連中が多い中、鯉昇師匠は身近な話題を笑いに仕立てる。これもまた“芸”ですね。
本編に入っても「竹の水仙」をくすぐりに使ったりして、場内は笑い声が絶えない状態。
「肥甕」は何回も聴いている噺ですが、くすぐりや仕草など今まで聴いた中でも文句なしに№1でした