番外
意識朦朧とした私を、エスコート女史は視力検査に案内する。画面を覗くが、ぐるぐる回っている。
「丸のどこが開いているかおっしゃってください。」
残念ながら、最初からかすんでいる。でも、まあええか。
0.5は「右」「次」0.7は「左」「次」0.8は「上」。途中から全く見えない。
ここからは勘が頼りだ。0.9は「下」「次」1.0「右」「次」1.5「上」。
まだ良いの? 見えないママ適当に言ってるだけ。さすがに最後の二つは、「見えません。」
「視力は、1.5です。ハイ、眼を代えて。」
「ハイ、両目とも1.5です。」
ええっ?良いのか?抜群の運の良さを発揮して・・・。そもそも各視力一回勝負でええの??見えなくても25%の確率だ。
最後に看護婦さん。「よく出来ました。」
こんな時言う言葉か?
次は、超音波検査にご案内します。と、エスコート女史。
ちょっと正気を取り戻した私は、
「他の皆さんがちゃんと膝をついて話すのに、あなたはなぜうんこ座りなのですか。」
「ちょっと膝が悪いので、うんこ座りではありません。体育座りです。」
「どっちでも良いですが、スカートの中が見えてますよ。」
「見えても良いです。ちゃんとパンツはいてますから。」
パンツ?パンティーはいてて当たり前だろう。パンツと言うのは、今のひとにとってはズボンか?
ホットパンツの事?
んじゃ見ても仕方ないか。
超音波エコー検査。これは数ある検査の中でも、究極の妄想をたくましくせざるを得ない。
なにせ、密室で、検査官と自分とが二人だけで、
衣服をめくり開けられて事実上パンツ(下着)一枚だけにされて、ローションを塗りたくり、
体中をまんべんなくソフトマッサージされるのである。
しかも、その間ずっと「大きく息を吸って、止めて我慢する。」のである。
こんなことを国が許して良いものか?
今日も運悪く?女性の検査官だ。「ベッドにあおむけになって、検査服の前を全部開けてください。」
「先生、私はどうすれば良いのですか?」「何もしなくて良いです。私の言う通りしてください。」
「そう。そういう遊びですね。」「??・・・・。何を言ってるんですか。」
「大きく息を吸ってください。」「吸ってください。」「吸ってください。」・・・・・
「先生、もう吸えません。そんなギャグ良いです。」
下半身のへそぎりぎりから、乳首まで、存分にいじられて、最後お決まり、ティッシュでふきふきされて終了。
ああっ。すっきりした。
エスコート嬢。「いかがでしたか?」「なかなか上手でしたよ。」
何を言わすのだ?変な病院。変な患者。
次回は、いよいよ過酷な検査へ。