その日の最後は、醍醐寺に行った。
侮れない友人の帰郷の電車の時間が、迫っている。
醍醐寺の拝観チケットは、
3点セットになっている。
醍醐寺・三宝院・霊宝館の三か所が見れる。
時間はない。どうする?友人は三宝院が特に見たいと・・・。
残りはあきらめるか?
おそるおそる言って見る。「三宝院だけ見たいのですが。」
「良いですよ、いつでも。」 「いつでもって?」
「ハイ、良いですよ。チケットは3枚それぞれ切り離せますから、来年でも再来年でも。いつでも良いです。」
ありがたい。
気持ちよく、三宝院を訪ねる。
醍醐寺の山内塔頭三宝院は、代々の醍醐寺住職が住まう特別な寺だ。
有名な「秀吉の醍醐の花見」の時に、再興整備された。
秀吉晩年の時で、有名な方丈庭園は、彼が丹精込めて作庭したが、完成までに亡くなった。
出世石で有名な、「藤戸石」を配した鶴亀の庭だ。中央奥の縦長の石。
国宝の唐門は、数年前に修復し金箔が輝いている。
むしろ歴史の重みを感じられず残念だ。
帰りの時、庭で桜の整備をしている職人の方に聞くと、枝垂れ桜は寿命が短く、
現在の物でも樹齢80年ほどで、秀吉の時代からは数代経ている。
「それじゃ、この桜もいずれ終わるのですか?」
「いいえ、クローン技術で同じ桜を残せました。」「ええっ?」
入り口のそばを指さして、あれがそうです。
科学の進歩は、ありがたいのか、複雑な気分だった。
本尊は、快慶の傑作、弥勒菩薩座像。残念ながら秘仏。
尚、我々が通常訪ねる醍醐寺は、下醍醐。山の上にあるのが、上醍醐。
そこに、創建当時の国宝建築物が多く見られる。ハイキング感覚で登れるがちょっと覚悟がいる。
西国33か所霊場の札所は上醍醐にある。
第11番札所登山口と書いてある。
足が回復したらまた行って見よう。
アキレス腱の状態はまだ回復途上だが、こうして寺巡りしていると一日1万歩ほどは可能になった。
朝、多少のこわばりと張れ(むくみ)も残っている。むしろ持病の腰痛を心配しながらのリハビリだ。
酷暑の中なので、体力との相談だが夏の間にゴルフへは復帰したい。