アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

814 あちゃこの京都日誌  高笑い

2021-03-24 09:32:01 | 日記

第3回 高笑い

豊臣秀吉のイラスト素材 - PIXTA

ここは京の南、木幡伏見城。淀(大阪)方面にも奈良方面にも、そして東海道を通じて東国からの攻めにも睨みを聞かせる要地である。しかし、今の秀吉には攻められる危険はほぼない。すでに天下を手中にしたと言っても過言ではない。

反抗するのは、薩摩の島津氏と小田原の北条氏くらいである。育ての親である織田信長の勢力範囲を大幅に拡大したのだ。思えば、桶狭間の急襲に徒で参加したのは23歳の時だった。今は50歳。まだまだ元気だ。悩みは世継ぎのいないことである。性欲は衰えを知らない。自らの天下を横取りしそうな家康は、悔しくも子作りでは完敗だ。彼は、とにかく妊娠しそうな女を選ぶ。後家でも年増でも骨盤の張った乳の大きな女を選ぶ。貴賤は問わない。しかし、秀吉は違う。出身が下賤の出なので、高貴な血を望む。むしろ高級な女性にしか欲情しない。土のまみれた百姓の自分に喜んで抱かれる貴種にこそ征服欲が満たされる。しかし子は出来ない。毎晩列をなすように女を侍らす。一晩に複数の女を抱くこともある。

豊臣秀吉の子供は何人?】家運を決めた淀君の子供とその謎 | 歴人マガジン

それでも最近はなぜか満たされない。それは茶々(淀君)が、自分を受け付けない事だ。彼女こそが、武家社会の最高の貴種なのだ。信長の妹、戦国最高の美女お市の方を母に持ち、父は戦国大名の雄、浅井長政である。そのお市の方に憧れ、身を焦がした秀吉は、茶々が成長とともに母にうり二つの美女に成長したのを見ると我慢が出来ないのだ。悩ましく身もだえし、しばしば言い寄ったが、うんと言わない。無理やり押し倒しても良いのだが、彼女にだけはそうは出来ない。お市の方と信長の面影が浮かぶのだ。

何とか、自分のものにしたい。

しかし、遂に突然向こうから承諾の意思を伝えて来た。我が天下を茶々も認めざるを得なくなったのだ。早々に、伏見に呼び寄せた。秀吉51歳、淀君20歳。彼女は自分の世継ぎを生む気がする。大丈夫だ。

すでに南蛮渡来の媚薬を茶々には仕込み、自らは朝鮮から最高級の人参を取り寄せ煎じて飲んだ。今は、自分のそれは準備完了である。渡り廊下を忍んで行く間、数々の戦場の苦労が思い出され思わず笑みがこぼれた。加えて自分の幸運を思うと、徐々に笑みから腹を抱えて笑えて来た。そしてついには城中に響き渡るような大声で大笑いした。止まらない。自分をさえぎるものは何もない。金も地位も人も女も・・・・・。まさに高笑いである。

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815 あちゃこの京都日誌  艶笑(つやわらい)

2021-03-24 09:32:01 | 日記

第4回 艶笑

よべこき―奥会津艶笑譚』|感想・レビュー - 読書メーター各地方にも艶笑譚は多い。

エロいことに関わる笑い。艶笑話は、落語などでエロごとに関わる落とし噺である。現代では、上演に耐えられないきわどい話が多い。関西では、露乃五郎(故人)が好んで演じていたが、公序良俗に触る話がほとんどで今日ならば男女差別やジェンダーフリーなど多くの問題を含む。筆者はむしろ大ぴらに話し合える艶笑話と言うものは先進的で開放的で素晴らしいと考える。

露の 五郎兵衛(二代目) | 上方落語家名鑑

艶笑と言うものは、解釈が幅広いので、誰にも日常的に発生しうる。ここにいる熟年の奥さん、旦那とは数年以上床を共にしていない。お互い一人で寝るのが当たり前のこととなっている。性欲はまだあるが、我慢できない程でもない。旦那は、エロ雑誌など枕元に隠しているので、自ら処理?しているか、たまには風俗にでも行って発散しているのだろう。自分は時々、好きな男性俳優の事を想像して股間に指を入れてモゾモゾする程度だ。今日もそんな瞑想を楽しんでいる真っ最中、旦那が珍しく布団に闖入して来た。

孤閨」(こけい)の意味

寝たふりをして、旦那を受け入れることにした。なぜか意地を張って喜んで応じるのも恥ずかしい気分でもあった。目をつぶり事に及ぶ旦那を無視したが、空想の中ではすでに受け入れる準備が出来ていた為、不覚にもすぐにチョット軽い快感がおそった。

情事」(じょうじ)の意味

寝ている振りを続けたが、夫に背中を向けたまま思わず笑みがこぼれた。これが艶笑だ。

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