前回まで1016回を2016回と誤表示し水増しした。訂正しお詫びします。
⑤お化けと幽霊
この項を書くために日本最初の「幽霊の絵」を見に行って来た。場所は、京都左京区の門跡寺院曼殊院である。円山応挙の作で、その幽霊に足を書かなかった為に、幽霊には足がない事が定説となったと聞いている。近くには「詩仙堂」や「圓光寺」など名刹が多い静かな地域である。その曼殊院は近年、宸殿が再建された。明治時代初期に焼失した建造物がついに令和の世に復活したことでも話題になっている。
さて、幽霊の絵。御厨・庫裏から入って直ぐうす暗い部屋に掛け軸が掛かっている。その空間には何かうす寒い空気が漂っていた。生前の器量の良さが伺える女性の幽霊には確かに足はない。?作者は、松村呉春。同じ四条派の流れをくむとは言え円山応挙ではないのか。帰りに受付の女性にお聞きすると、そういう質問が多く、恐らく以前司馬遼太郎先生がある文章に応挙と誤記した為そのように広まったらしい。司馬遼太郎ともなると間違いでも世論を構築してしまうのか。
ところで、幽霊は生前に未練を残し、その為にしばしば現世に現れる人の魂である。従ってあくまでも人間であり、出現する時間帯は丑三つ時(午前2時)と決まっている。決して日中には出ない。やつれているとはいえ生前の美形を残す女性が典型である。
一方、お化けは人間の形状を残すものの大きく姿を変えた異形・異能のものである。鬼・カッパ・天狗が3大お化けとされる。従って人間ではない。接し方を間違うと多くは人間に悪影響を及ぼすことが多い。出現時間は決まっていない。
似て非なるものに、妖怪がある。お化け同様、異形・異能のものだが、もはや人間の形状を越えている。もちろん人間ではない。ゲゲゲの鬼太郎でお分かりのように出現時間は夕方から夜中までと、幽霊の出現と時間を分担している。人への影響は悪影響には限らず、人間の心がけ次第で良い影響も及ぼすことも多い。
お化けの種類の中に、幽霊と妖怪があるとも言える。
いずれも日本固有の文化の中で進化したもので、海外の悪魔とは全然違う。なお、日本の「怨霊」との違いはかなり複雑な説明がいる。別の機会に譲ることにする。
※ なお病気の為、顔に重大な変化が生じた方には偏見や差別意識のない事を念のため申し上げる。
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