第17番 福王子神社
右方向に仁和寺
京都市右京区宇多野福王子町52
主祭神 班子皇后
ご利益 子孫繁栄・家内安全
神社の御祭神には、世に禍をもたらす「怨霊」を封じ込める為の神社も多い。各地の御霊神社や菅原道真の天神信仰が典型的ではあるが、実はそれ以外にも案外多い。ここ福王子神社の御祭神である班子女王(はんしじょうおう)もそのお一人だ。平安初期光孝天皇の妃であるが身分は高くなく、光孝天皇となる以前親王時代からの妃である。自分の子である定省(さだみ)親王が、次の天皇(宇多天皇)となった事で皇太后となった。人柄が良くその時の藤原氏とも関係が良好であった為と思われる。ただしその班子女王も晩年は、後継問題で藤原氏と確執があり複雑な経緯の後、恨みを持って亡くなったと言われている。福王子の名は、女王が4男4女をもうけて福王神と言われたことに由る。
扁額は砥石
手水
本殿正面
北区の立命館大学校舎のある衣笠方面から「衣かけの道」を西に仁和寺を右手に見てすぐの福王子交差点にある。仁和寺は御室御所と呼ばれ、光孝天皇の意志を継いだ宇多天皇の創設の真言宗の勅願寺である。元号を寺の名前にした数少ない例だ。従って、こちらとセットで訪れることをお勧めする。
重要文化財の石碑
福王子神社の境内は狭いが本殿の前に立つと天皇の母としての思いが伝わる気がする。正面鳥居の扁額は「鳴滝砥石」と聞いているが普通の青銅に見える。境内のほとんどを占める大きな拝殿がある。左に手水、このあたりも良質の水は出るはずだ。そして奥に朱色の本殿があり、心を込めて祈る。前の交差点は五差路になっていて、南に行くと双ヶ岡や嵐山方面に行く。西へは周山街道経て高雄・栂尾・槇尾の京の三尾へ行ける。途中には平岡八幡宮があるので、是非立ち寄りたい。
記念碑