南野島男のGood Times

日常感じたことを面白おかしくエッセイ風に書きつづります。
これぞ笑いと勇気の玉手箱!

おいしい水はタダの水

2006-11-09 11:14:20 | Weblog
健康のためには一日2ℓの水を飲むのがいいと言われる。
しかしこれを市販のペットボトルの水で毎日飲もうとすれば大変だ。
以前の日本には水と安全はタダという観念があったが、それから考えると水の株価はとてつもなく上がった。
特に最近は普通の主婦でも水には結構うるさいし、蛇口には浄水器を付けていない家が珍しいくらいだ。
さらに水にうるさい人は名水百選に挙げられているような所にわざわざ水を汲みに行っている。
おいしい水といえば「轟の滝」とか「西海七つ釜」が県内では有名であるが、近所にも「もち吉の名水」というのがある。
本来はお菓子屋さんなのに水だけ買って帰る人が多いのが面白い。
水汲みに行くにしても県内くらいまでなら分るけど、これが外国までわざわざ水汲みに行く人たちもいるそうだ。
有名なのがフランスの「ルルドの泉」で、ここには世界中から多くの人が水汲みに訪れる。
その人たちは「うちの水道水はどうもカルキ臭くてね、ここの飲んだらもう他の水なんて飲めないよ」なんてことで来ているわけじゃなく、病気を治してくれる奇跡の水を求めて来ている。
確かに奇跡を起こして不治の病が治った例はかなりあるらしいが、実のところは単なる普通の水らしいんだけど。
たぶん「わざわざ」フランスまで来たんだという心(気)がそうさせるのだろう。日本の「名水」も水質まで良いという保証はない。
まして、これを飲んだらカラダにいいなんていうのは、そう信じて飲むからである。
キーポイントは「わざわざ」という点だ。
蛇口をひねると簡単に出てくるような水道水が決していい水とは言えないのはその辺りかもしれない。 
外国では水は高価という常識にもかかわらず日本では喫茶店やレストランでは何も注文しない内から必ずタダで出てくる。
それを不思議に思う人は誰もいないし、おかわりだって「すいませんオヒヤ」と言えば何回でもつぎに来てくれる。
タダだから誰でも平気でおかわりをしているのであって、これがいざ有料にでもなろうもんならそう簡単にはがぶ飲みはしないはず。
ちょうど営業マンが領収証を取って会社の経費で落とせる時にはここぞとばかりに高いメニューを注文するくせに、自腹の時には日替わり定食しか注文しない状況とよく似ている。