どんな商品にも、「買い換えサイクル」というものがあるでしょう。
それでは、一つ買えば十分で、しばらくの間その商品は当分買わないのでしょうか?
本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。
「ジェイアイエヌ「買い増し」発掘」
・眼鏡業界のユニクロとの呼び声が高い眼鏡製造小売りのジェイアイエヌ。原動力は独自製品「エア・フレーム」の大ヒットだ。革新的な製品は同質化競争から抜け出す武器になる。
・医療器具のカテーテルに使われる柔軟なナイロン樹脂素材で、普通のセルフレームの3分の1程度まで軽くした。
・「100%自前でデザインする強みを生かせる」。型を減らし、1型20色と色柄を増やす戦略にあう。
(引用:2010/07/14 日経産業新聞より)
1型20色で、1本5000円以下からの値付けでリピート客を呼んでいるそうです。
なんでも色違いを6本買っていくお客さんもいるらしい。
眼鏡の買い換え需要を待たずに、買い増し需要を引き出して成長につなげる成功例でしょう。
もちろん単なる安売りでは、買い増ししてくれません。そこには沢山買っていただく工夫と他社と差別化された商品力が必要です。
それらをクリアすれば、小さな市場でも、飽和したと思われる市場でもまだまだ勝負できる可能性があります。
さて、あなたのビジネスでは、何か「買い増し需要」を引き出す工夫をしていらっしゃいますか?
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話のつづき・・・
1型20色の商品で沢山買っていただく。まるでユニクロの服を思い浮かべますが、まさに記事の中に書いてあったことには、ユニクロの柳井社長にアドバイスを受けられていたようです。
安売り合戦で業績が低迷していたときに、脱却の手がかりを求めて柳井社長のところを訪ねたところ、「御社の事業価値は何ですか」と尋ねられ、しどろもどろになったとのこと。
その後役員合宿で議論し、「年齢を問わず、ベーシックな型で機能としてよく見える、デザインとしてよく見せる眼鏡を一番安く売る」ことを明確にしたそうです。
そこから導き出された上記戦略。
どこの地方に行っても、ディスカウントで成功している企業が1社はあるものです。
しかし同じエリアにいくつもディスカウントが成り立つのは難しいもの。
なぜなら価格で勝負すれば、「一番安い店は1社に決まる」からでしょう。定量的な価値で勝負すれば1番は自ずと決まります。
価格の安さでで1番になる体力がないのであれば、価格競争から抜け出して独自性の価値をもつことが必要でしょう。
自社の事業価値は何なのか?が明確であれば、そこから突破口が見えてくるのではないでしょうか。
さて、あなたのビジネスでの事業価値は何なのか、きちんと定義していらっしゃいますか?