2006.03.27撮影
今日のスイセン(Narcissus)は、園芸種 'Jetfire'「ジェットファイア」です。園芸名の意味は、「ジェットエンジンのような火」。花びらがそり返っているために、長いカップが「吹き出した」ように見えるのが、命名の趣旨と思われます。
「ジェットファイア」は、元となった原種の特徴で分類されるディビジョン5〜10のうちの、ディビジョン6です。
以下のイラストで、その元のスイセンの特徴をご覧ください。原種名は、Narcissus cyclamineus「シクラメン咲きのスイセン」です。
学名 Narcissus 'Jetfire'「ジェットファイア」
開発者 Grant E. Mitsch
登録年 1966年
産出国 アメリカ
ディビジョン6
耐寒区域 4a-9b
Narcissus cyclamineus
Curtis' Botanical Magazine (1887)
パブリックドメイン
原種の Narcissus cyclamineus「シクラメン咲きのスイセン」は、わたしは実際に見たことがないんですけど、写真などを見ると、本当に花びらが花茎に向かって反って、カップが細く飛び出しています。
園芸種の「ジェットファイア」では、すべての花がそのようになるわけではありません。花びらは、しっかりとそり返るのではなく、やや水平ぐらいにしか開かないものもあります。カップは、でも、はっきりと飛び出しています。
2014.03.24撮影
花びらとカップの長さの関係は、どうでしょう。
次の画像は、ツボミが色をつけて開きかけたところです。この段階では、カップの方が花びらよりやや短いぐらいでしょうか。
でも、花のパーツは花の開く過程で割合が変わってくることが多いです。花がもっと開けば、どうなるのでしょう。
2021.03.09撮影
もう少し開くと・・・
2022.03.04撮影
開き切ると・・・
2022.03.24撮影
どうでしょうか、カップの方が長いですか、花びらの方が長いですか。
「ジェットファイア」は、原種の「シクラメン咲きのスイセン」の特徴により、ディビジョン6なわけですが、花びらとカップの相対的な長さで分けられるディビジョン1〜3に分類しないのは、原種としての特徴が優先されるからでしょう。
比較のために記しておきますれば、
ディビジョン1「ラッパスイセン」
カップの長さが花びらの長さより長い
ディビジョン2「大杯スイセン」
カップの長さが花びらの長さの3分の1以上で、花びらの長さより短い
ディビジョン3「小杯スイセン」
カップの長さが花びらの長さの3分の1以下
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