78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎AKB総選挙5位・荻野由佳のスピーチが泣けるのは何故か

2017-06-19 10:12:42 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 前回「アイドルのファンではない」と断言しておきながら、2017年6月17日に放送された『第9回AKB48選抜総選挙』を観て不覚にも泣いてしまった。そして今日録画を観直し、2回目でも泣いてしまった。僅か2回目の出馬にも関わらず7万票以上を集め5位という輝かしい成果を収めたNGT48荻野由佳のスピーチである。

 

 観ていない方はこちらの画像にてイメージしていただきたい。

 

(荻野スピーチ全文1/2)

 

(荻野スピーチ全文2/2)

 

 当方は余程のことが無い限り涙を流さないのに、このスピーチは本当に何度観ても心を揺さぶられる。それは何故なのかを自分なりに考えてみた。

 

(1)ありのままの本心を素直に話した

(2)名言を残した

(3)声が裏返っていた

 

 まず(1)は言うまでも無いことなのだが、AKB総選挙のスピーチは地上波やスカパーで生放送される都合上、おそらくほとんどのメンバーがあらかじめ文章を考えている。部屋の机で「この景色が見たかった」などの台詞を考え、それをそのまま発しているだけなのだ。それは場合によっては本心とは遠い言葉になりかねない(前述が本心なら部屋の窓から見える景色のことになってしまう)。荻野もおそらくは事前に考えていただろうし、文章の組み立ては完璧に近い。それでも本心を素直に話しているように聞こえたのは、スピーチのほとんどが「自身の過去の話」に特化していたからである。「この景色が見たかった」は壇上に立って初めて発生する気持ちだが、過去の話ならいつどこで考えても同じ文章になるわけで、しかも18歳とは思えないほど文章構成が完璧に近かったことで聞き手の共感を得ることに成功した。

 

 (2)はただただ凄いと思うばかりである。「『努力は必ず報われる』そんなもの嘘に決まってるじゃん」と、元メンバー高橋みなみの名言を一旦は否定し、聞き手を油断させておいてからの「私は、『努力は必ず報われる』を今、証明できていますか?」である。「証明できました」ではなく「できていますか?」と問いかけたのがポイントだろう。そして名言はこれだけではない。「私をアイドルにしてくれてありがとう」は、6年間苦労し続けた彼女だからこそ心に響くものがあった。

 

 そして(3)はOAを観ていないと分からないのだが、荻野の涙交じりの声は要所要所で裏返っており、聞き手の涙を誘う言い方になっていたのだ。滅多に泣かない当方がついに涙を流した決定打はそこではないかと思っている。

(※6/20追記:分かりづらくてすみません。声が裏返るほど泣きながら気持ちを込めて話していたことで、心からの熱い想いが伝わった、それが聞き手の涙を誘ったということです)

 

 そもそも荻野は速報で1位、しかもたった一日で5万5000票以上を集めており、不正投票や事務所による大量投票などの疑惑が浮上していたが、このスピーチを観れたことでそんなものはどうでも良くなった。裏でどのような力が働いていようが、彼女のたゆまぬ努力と成長は紛れも無い本物なのだから。

 

「梅雨最中Maxときで由佳5位へ」(徳光和夫)

 

(#23:1172字)


◎アイドルのスキャンダルが怖いなら声優のファンになれば良い

2017-06-18 14:05:24 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 当方はアニメと声優が好きなのであって、アイドルのファンではない。しかし、現在は2ちゃんねるでAKB48の掲示板を“一般人”の立場で“傍観”しており、それが趣味化してしまった。掲示板はファンで無くとも見る価値はある。AKB界隈で起こる出来事と、それに対するネット上のファンの反応はとても興味深い。アイドル界の抱える様々な問題が見えてくるのだ。

 中でもスキャンダルの問題は解決の糸口が見えない。人気メンバーの熱愛やジャニーズとの繋がり、SNSの裏アカウント流出など、ファンは何度も心に傷を負ってきた。傍観を始めて5年以上になるが、これらのスキャンダルはAKBグループだけでも毎月のように発生し、アイドルとしての自覚が足りないメンバーの多さには驚かされる。
 そして、とうとう大事件は起きた。2017年6月17日に開催された『第9回AKB48選抜総選挙』で、週刊誌記者から熱愛報道の予告を受けていた須藤(すとう)凛々花というメンバーが、それに先手を打つ形で、壇上で結婚宣言をしてしまったのである。名前を見ただけで「ああ、NMB48の“りりぽん”だな」と思うくらいに当方は詳しくなってしまっていた。本人やファンには申し訳ないが、20位のスピーチで結婚を発表し、他のNMBのメンバーたちが「イヤイヤイヤ」と突っ込み、徳光和夫が動揺しながら「今ご自身何を話しているか分かる?」と問いかける一連の流れはコント番組と見間違うレベルだった。5年間傍観し続けて良かったとさえ思った。肩の力を抜いて彼女たちを見ればショックを受けず、むしろ面白い存在だと思えるのだ。

 アイドルのスキャンダルはいつ訪れるか分からない。もしそれに恐怖を覚えるのであれば、当方は“声優”のファンになることを強くお勧めする。近年は表舞台で顔を出し、歌って踊るアイドルのような声優も増えている為、「アイドルと声優がボーダーレス化している?」と思う人も居るかもしれないが、両者には明確な違いがあると言いたい。
 個人の見解であることを先に述べておくが、まず声優にはオタク気質な人が多い。アニメ好きな人が多いのは言うまでも無いが、加えて学生時代“ぼっち”だったり、ネット配信の主だったり、漫画を描くのが好きだったり……そんなインドアな人たちが多いように思う。
 また、歌手活動を兼ねる声優はアイドルみたいなものと思うかもしれないが、あくまでも歌唱力があるから歌手活動をしており、それがたまたま最近増えてきただけである。口パクで歌っても成立するアイドルとは一緒にしないで欲しい。

 ここまで読めば、声優なら安全だと思える人も居るだろう。正直、全く無いとは言えないが、確率はかなり低いことを保証したいし、実際AKBグループに比べれば発生件数が極端に少ないのは確かである。

 さあ、おいで。希望はすぐそこにある。

(#22:1164字)