78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎君へとつなぐココロ

2009-11-29 04:49:12 | もはやチラシの裏レベル
新聞業界視聴率100%(ソース無し)のアニメとして知られている『かなめも』。
本放送は既に全12話で完結しているのだが、先日DVDを借りて3話まで観てみた。

両親が随分前にいなくなり、唯一の保護者・祖母も他界してしまい独りぼっちになってしまった13歳の主人公・かなが
ひょんなことから無謀にも新聞配達の仕事をすることになったという物語。


原作付きとは言え所々リアルで、まあ綿密に取材したのだろう。
特に2話に出てくる順路帳なんて見た目も書式もまんまであるし、
3話の「今月契約切れのうち15件も果実新聞に取られた」という所長代理の台詞なんて
こっちの世界で言うA新聞とY新聞の読者奪い合いそのものである(マジで何件もY新聞に読者奪われてるのだ。詳しくは後日「営業編」で)。



だが、さすがに萌えアニメということで、非リアルな描写があまりにも多すぎる。
例えば、

◎所長代理も含めて従業員が全員女性。てか女子(女性には厳しい仕事だし全員女子なんて絶対にあり得ない。さすが萌えアニメ)

◎全員バイクではなく自転車使用。それはまだいいが、かなは自転車すら乗れないので走って配達している(自転車でもキツイと思うのに走るのなら確実に死ねます)

◎かなは初めての夕刊配達が夜8時までかかっており、9時までかかった人もいる(夕刊便到着は2時。どんなに遅く配っても4時半には終わる)

◎もはや戦場と言うべき朝刊のチラシ入れの殺伐とした光景が丸々カットされている(ただし事後映像(新聞やチラシの余りが散乱する光景)のみ放送され、これが異常にリアル)

◎新聞の部数を数えるシーンがあるが、やり方が実際とかなり異なっているので参考にしないで下さい



とまあ、挙げればキリがないのだが、2話の自転車練習シーンのgdgd以外は結構面白かったので久々にアニメを楽しむことが出来た。

4話は早くも水着回らしい。早くDVDの2巻が出て欲しいものだ(ネットもパソコンもありませんが何か?)

◎新聞配達をやってみた ~配達編5~

2009-11-27 23:08:09 | 本当の日記はこちら
翌日の朝刊。
不運にも天気は雨。
朝刊を1部1部ビニールに入れる作業で大幅にロスをする雨である。

だが、それで絶望している場合ではない。当方はチラシ入れの順番を変えてみた。

(1)団地:200部
(2)自分の区域(バイク荷台):約200部
(3)自分の区域(店に置いておく):75部

前日の失敗(団地担当A先輩を待たせて怒らせてしまった)を繰り返さないために、団地を最優先する作戦に切り替えた。
しかし、団地のチラシ入れ終了後に中継ポイント送りの分のチラシを入れたのではワゴン車の発車に間に合わない。
なので便利な中継システムの使用は諦めるしかない。バイクの朝刊が無くなったら一旦店に戻って残りの75部を積む作業をしなければならなくなる。
それでも団地担当を待たせてイライラさせるよりはマシ。

というわけで(1)からスタート。団地の分は車で配達するため、ビニールに入れる必要はない。チラシ入れは丁寧にやりつつ、スピードにも気を付けた。
この日も団地担当のA先輩は、当方がチラシを入れた団地の朝刊の束を黙って手に取り、無言で梱包機にかける。何とか怒られずに済んだ。



(1)を終わらせた当方は(2)(3)を急いで行う。あとは自分の区域のチラシ入れのみ。他方への迷惑は防げた。

しかし、それで安心は出来なかった。ビニールに入れる時間が勿体ない。前にも書いたがビニールに入れる機械は2台しかないので待たされるロスもあるのだ。



そしてとうとう、

「まだかよ!」

A先輩の怒りの声。

「お前もバイトで入ってるのか!?」



先日社員からアルバイトに格下げになったW先輩と比べるかのような発言まで。



その後の配達は再び順路帳を見ないで配り、雨にも関わらず4時25分に完遂したが、終始鬱だった。
自分なりに速くやったつもりだった。それでも「遅い」と言われるのなら、このまま毎朝怒られるのではないだろうか。





その翌日は週一しかない貴重な休日。
しかし、色々考えたあげく午前中はチラシ入れの練習をすることにした。寮部屋が店の2階なので、練習のためだけに訪れるのも容易に可能なのだ。

しかも、店長に見ていただき、アドバイスまでいただいた。
チラシ入れ自体はそんなに遅くないが、そのあとの新聞を揃える作業に大いに問題があるとのことだった。

盲点だった。当方は揃える時にモタモタしてかなりのロスになっていたのだ。

チラシ入れのみならず、揃える練習も繰り返し行った。休日とはとても思えない。



しかし、練習をしているところはA先輩に見られてしまった。出来ればこっそり練習したかったが、ここで奇跡が起きた。

「ちょっといい? これは……」

なんとA先輩から話しかけてくれて、一つだけアドバイスをいただいたのだ。

ただ怒るだけの人ではなかったようだ。励みになった。これはもう本当に頑張らねば。




そして翌日の朝刊。
とにかく練習で言われたことに注意しながら、チラシ入れを無我夢中で全速力かつ丁寧に行った。

結果、A先輩に怒られることは一度も無かった。

まだ雑なところはあると思うし完璧には程遠いだろう。

それでも当方は一歩前進したような気分になれた。



朝刊のチラシ入れの風景はもはや戦場。
このまま負けることなく戦い続けられるだろうか。



(一旦完)

◎新聞配達をやってみた ~配達編4~

2009-11-27 22:33:41 | 本当の日記はこちら
「遅くても4時半には終わらせろよ!」

A先輩にそう言われ、慌てて朝刊を積んだバイクを走らせた当方。
スタート時の時刻は1時55分。既にいつもより5分以上早く出発することが出来た。
とは言え、配達完遂ベストタイムの4時55分を更に25分も縮めるのは無謀としか思えない。



当方は迷うことなく最終手段に出た。それは、

“順路帳を見ない”

ことだった。

以前他の先輩、I先輩がこう話していた。
「順路帳を見ないで配ればぐーんと速くなるから」

しかし、順路帳を見ないで配るには、270軒以上もの家の場所やアパート・マンションの部屋番号まで全てを暗記していることが絶対条件。
しかも、順路帳を見ないだけでタイムを25分も縮めることが出来るかは不明である。

それでも今はI先輩の言葉を信じるしかなかった。
自分の記憶だけを頼りに、一軒一軒の家に朝刊を入れていく。
「次は確か◎◎さんだな」「次は◎◎さんだよな」「で次は……」その繰り返しで記憶を呼び覚ましていく。
意外にも覚えていた。家の場所のみならず、新聞の種類まで正確に。
あとは速さだけが問題。バイクはもちろん全速力で、バイクを降りてからもポストの場所まで全速力で走った。


今日はとにかく全ての力を出しきって走れ。
ペースなど考えるな。
常に全速力だ。
二度と出せない記録でもいい。
今日は絶対にベストタイムを更新しろ。
もし明日が雨ならベストタイムは絶対に出せない。
晴れている今日がチャンスなのだ。

怒られたくない。その気持ちだけが当方を全速力で走らせていた。
前夜から何も食べていないのに、全く苦にならずに急ぐことが出来た。




そして、全ての配達を終え、店に戻った。

時刻は────







55




なんと、それまでのベストタイムより更に1時間も縮めることに成功。
A先輩から指令された時刻も余裕でクリア。

なんということだ。順路帳を見ないだけでここまで速く配れるとは。





しかし、まだ「チラシ入れ」という難題が残されていた。

朝刊配達のベストタイムを出したこの日は健康診断。体重が1年前より8kgも痩せていた。
その帰り道、車の中でI先輩はこう話していた。
「早く自分のやり方見つけてチラシ入れ速く出来るようにしたほうがいいよ。Aさんは新人には皆ああやって怒ってるんだよ。
で、もしマークされたら毎日怒られるようになるから。そうなる前にチラシ入れをマスターしたほうがいい」

まさか、当方は既にマークされているのか?

翌日の朝刊への不安が耐えぬまま、車は店へと近付いていく。


(つづく)

◎新聞配達をやってみた ~配達編3~

2009-11-23 05:41:41 | 本当の日記はこちら
ついに恐れていた事態が起きてしまった。



11月21日の朝刊。

「チラシもっと綺麗に入れろよ! 一番遅ぇくせによ」

当方に向けての罵声。一番怖いA先輩である。



当方の所属する販売店は、近くの団地だけで1200部以上の朝刊を入れなければならない。

当方の区域は約270部入れればいいが、なんとこの団地の1200部はたった2人で配達しているのだ。

さすがにチラシ入れまでその2人にやらせるのは酷であるため、全員で手分けして入れることになる。それでも一人あたり200部以上は入れなければならない。

つまり当方は、毎朝470部以上ものチラシ入れをしている。



この日はA先輩ともう一人が団地担当だった。



当方はいつも、自分の区域270部のうち中継ポイント送りの75部分のチラシ入れを最初に済ませる(これはPPバンド2本で梱包してワゴン車に積む。運転担当が中継ポイントまで持っていってくれるのだ)。
次に、残りの200部弱は後回しにして団地のチラシ入れに取りかかる。
団地が終わったらようやく残りの200部弱のチラシを入れ、全てバイクの荷台に積む。

つまりチラシ入れの順番はこういうことになる。
(1)自分の配達区域(中継ポイント送り):75部
(2)団地:約200部
(3)自分の配達区域(バイク荷台):約200部



この日も(1)から始めた。自分の区域なので速さ最優先で進めた。

次に(2)。これが問題だ。これはA先輩の分なので、丁寧さも求められる。
急ぐことを第一に、かつなるべく丁寧に、を心掛けた。



しかし、

冒頭のA先輩の怒号が飛んだのはこの時だった。



当方の「精一杯の丁寧」は「雑」と見なされたのだ。
入社して1ヶ月と1週間が過ぎたが、まだチラシ入れのコツがつかめていない。


後に他の先輩が「Aさんの言うことは気にするな。俺も最初は酷く言われてたし」と励ましてくれた。怒られた時は空気も悪くなっていたし、他の人にも申し訳ないことをしてしまった。




翌日。
また同じことで怒られたらもう救いようが無くなる。
(2)は丁寧さを第一に恐る恐る行った。

そして、(2)が終わる頃だった。


「オイ、いつになったら速くなるんだよ! せめて人並みの速さでやって貰わないと困るんだよ!」


この日も団地担当のA先輩である。
丁寧に入れることに気を取られ過ぎて、速さまで気が回らなかった。
団地のチラシ入れが遅すぎると団地担当の仕事がスムーズに進まなくなってしまうのだ。
イライラさせてしまうのも無理はなかった。

急いでやれば「雑だ!」
丁寧にやれば「遅い!」
当方はいつめ速さと丁寧さのバランスが取れない。これは前職からの悩みでもあった。



しかも、さらに続けてこう言われた。

「それと配達。遅すぎる! 遅くても4時半には終わらせろ! 何でいつも5時過ぎるんだよ!」



更に恐れていたことをとうとう指摘されてしまった。

この日までの、当方の朝刊配達完遂のベストタイムは4時55分。なんと25分も縮めろと言うのだ。

しかも、この日は健康診断があり、前夜8時から何も食べていない。あまりにもバッドコンディション過ぎる。



それでも考えている暇はない。大急ぎでチラシ入れとその他諸々の準備を済ませ、当方のバイクは過剰にふかして五月蝿く鳴り響くアクセル音と共に発進した。

(つづく)

◎ちょっと流山電鉄の画像で和んでいかないか?

2009-11-18 01:29:36 | もはやチラシの裏レベル
ブログの画像フォルダを整理していたら、こんなものを発見しました。

「流山電鉄」とは、千葉県北西部の流山駅と馬橋駅を結ぶ全長約5.7kmの短い私鉄。

今時Suicaも使えないし、
駅や車窓の風景はまるで田舎そのものでほのぼのするが、
実はここ、都心から1時間弱で行けるし、
柏(都会)・松戸(都会)・三郷(都会)に囲まれた、いわば大都会のど真ん中なのです。

都会の毎日に疲れたあなた、今すぐ常磐線に乗って馬橋駅へ行きましょう。



で、乗ってみたのは実は約1年も前。ブログのネタになると思い写真に収めていたが、ずっと放置してました(汗
























◎そもそも「小説30冊読破への道」とは一体何なのか

2009-11-10 00:16:23 | 小説30冊読破への道
一度しかない人生を無駄に過ごすわけにはいかない。

だが、社会人になってからは、仕事、食事、風呂、睡眠の繰り返しで、自分の時間は少なくなり、それさえも無駄にダラダラと過ごしてしまうのが現実である。



ならば読書をしてみてはどうか。

テレビ、漫画、ネットというダラダラな時間を最小限に抑え(さすがにゼロには出来ない)、空いた時間を読書に充てる。

読むのはハウツー本ではなく、芸能人の雑文でもなく、ちゃんとプロの作家が書いた「小説」である。

これは学ぶことも得るものも多いはずだ。
例えば理解力を高めるには読書が有効ともされているらしいし、
読書をして当方は変わりたい。根拠は無いけど、何かが変わるかもしれない。


というわけで「年内までに30冊ぐらいは読んでみよう」を目標として9月から始まったプロジェクトが「小説30冊読破への道」である。



だが、11月現在、読破は3冊。今は4冊目。



全く間に合わない。



というわけで目標は……一応来年の春までに延長した。

それでも今のペースでは無理だ。
今は仕事柄、本当に自分の時間が少ない。



どうなることやら。

◎坂道が緩くなった。何か大切なものが削られているような気がした

2009-11-09 00:52:41 | 思ったことそのまま
バイクのエンジンを焼き付けてしまった。



当方にはよく解らないのだが、それは普通の人はやらかさない、かなり珍しい失態だという。



エンジンオイルのランプが点灯したらオイル補給のサインだったのだ。

それを気にせず3日もスルーしてしまった。

結果、エンジンが完全にかからなくなった。



当方には治せないので、よりによって一番怖いA先輩に余計な仕事を増やしてしまった。

かなりの大手術が必要らしい。





凹んだ。配達が遅い上にバイクを壊す。このままでは当方は使えない。
「これまでの新人の2倍は動いている」という店長の誉め言葉が誇張であることを物語っていた。
少なくともA先輩はそうは思っていないはずだ。




問題はそれ以降である。
治るまでは違うバイクに乗って配達することになったが、これが新し目の機種なのか、アクセルの効きが良すぎて加減が難しい。

原チャリはアクセルをかけすぎると暴走して転倒してしまう。

当方はそのバイクに慣れず、毎日のように転倒して新聞をばら蒔いている。



以後、新聞の不着も久々に起きてしまったし、ずっと調子が良くない。

全ては前のバイクのエンジンを焼き付けてしまったからだ。負の連鎖が続いている。



いつもこうだ。失敗を引きずりまた失敗を犯す。




なんだかなあ……

◎谷川流の『涼宮ハルヒの消失』を読んでみた(マテ

2009-11-06 17:55:25 | 小説30冊読破への道
──こんなもん、全然面白くねえぜ。



クリスマスイブの一週間前、涼宮ハルヒは消失し、彼女の席はキョンを殺そうとして消失したはずの朝倉涼子のものとなっていた。
古泉一樹は所属するクラスの教室ごと無くなり、朝比奈みくるは未来人の肩書きが抹消されキョンやハルヒを知らない普通の女子高生になってしまった。
突然の異世界に打つ手が無くなったキョン。最後の頼みの綱は、驚いた表情で口を開け、眼鏡のレンズ越しにキョンを凝視する長門有希だった──









※以下、本格的なネタバレです。










とまあ、涼宮ハルヒシリーズを知らない人には何の話だかさっぱり解らない↑の文章だが、
消失の前までの話は全てアニメ版で補完していた当方は、ヲタの間で最高傑作と名高い『消失』が映画化されると聞き、公開まで待てないので初めて原作本を手にとってみた。



やはりそれは
最高傑作
であった

(消失までの話の中では)。



消失以降の話は全く知らないので最高と付けるのは間違いだろうが、こまけえことはいいんだよ(ぉぃ

キョンを始めとするSOS団のターニングポイントと言われ、涼宮ハルヒシリーズの中でも重要な回と言われているが、おそらくそうだろう。
まあハルヒ張本人に限っては何のターニングにもなっていないのだが。


しかし当方は、ストーリー以上に比喩などの表現技法が優れていることも付け加えておきたい。

谷川氏の比喩は小ネタの連続で、西加奈子の100倍面白いのはもちろん(マテ)、東海林さだおを越えたと言っても過言ではない(何故いちいち東海林氏と比べる?)。
その面白さがストーリーを更に引き立てているのだ。



そして、物語の全ての鍵を握る長門有希。キョン視点でありながら、これは彼女の物語でもあるのだ。
日本には長門ヲタという奴等が意外にも多く、映画化されたら長門の見所満載で、彼等は上映中に周囲に迷惑をかけまくるだろう。「ながとおおおおお」と発狂する程度で済めばいいのだが……。困ったものです。



まあ散々既出なレビューですみません。
このカテゴリは読書の記録が目的なので、レビューを書く能力の無い当方にはこれが限界です。困ったものです。

◎新聞配達をやってみた ~配達編2~

2009-11-06 09:10:20 | 本当の日記はこちら
10月25日。

深夜1時、またいつものようにチラシ入れから始まる。
悪夢の4時間配達から1日明け、この日のチラシは重くなく普通だった。

だが、また別の問題が発覚する。




である。



雨の日はチラシ入れのあと、新聞を1部1部ビニールで包装する作業が待ち受けているのだ。
そのための機械があり、新聞を投入すれば2秒とかからずにビニールに包まれて密閉もされて出てくる。
しかし、1部が2秒でも、自分の区域270部を全部入れなければならないのだ。相当な時間を要する。
しかも、その機械は2台しかない。配達員は7~8名。当然チラシ入れの遅い人から待たされることになる。



これは痛い。ただでさえ配達に時間がかかるのに、準備段階でロスをしてはまた前日並に遅くなってしまう。

結局時間はかかり、先輩社員がビニール入れの一部を手伝ってくれたが、店を出発したのは前日とほぼ同じ2時半。ペースを上げないと前日の二の舞になってしまう。

雨ガッパに身を包み、雨に濡れながら1部1部をポストに投函。順路帳はビショビショになっていた。



トラブルは開始10分足らずで早くも発生した。

「あれ? ◎◎さんに入れたっけ」

2~3軒前の家に配ったかどうかの記憶が定かではないのだ。
飛ばしてしまったかもしれない。慌ててその家まで戻り、スタンドを立てて止める。

のはずが、立て方が悪くバイクはまた転倒してしまう。
問題の家のポストを確認すると、新聞はちゃんと入っていた。

余計なことをして転倒。
雨の中でのバイクへの積み直し作業。
序盤から時間とやる気が奪われる。



さらにその10分後。カッターを忘れたことが発覚する。
中継ポイントに置いてもらっている新聞の束はPPバンドなるもので結束されている。
それを外すには専用のカッターが必要なのだ(※後日、カッター無しで外す方法もあることが発覚)。

慌てて店に戻る。これだけで約10分のロスとなってしまった。



想定外の出来事はそれだけではなかった。途中でバイクの燃料が切れかかる。
急遽、深夜でも開いているセルフスタンドへ行って給油。
昨夜のうちに確認してやっておけば、このロスは防げたはずだ。本当に馬鹿をした。



不手際の連続で、結局配達を終え店に戻ったのは5時50分。前日よりは早いが、まだまだ激遅なレベル。
どの不手際も未然に防げたはずだ。後悔の念が絶えない。



その日の夜、集金の精算作業が8時過ぎまでかかってしまい、店に残っているのは店長と当方の二人だけ。
すると、なんと店長のご厚意で夕食をご馳走していただいた。
しかも豚カツ屋である。

食パンとカップ麺で生活していた当方にとって、この待遇はかなり有り難かった。
久々に満腹になり、約4時間の休息を経て深夜0時50分、また朝刊地獄が始まる。



不運にも、この日も雨だった。
だが、チラシ入れとビニール入れは前日より早く進み、2時15分に出発できた。
雨は前日以上の強さを見せたが、前日よりも足取りが軽く、ダルくもならない。

まさか、豚カツ効果か?

ご馳走になったのは豚カツにキャベツの千切り、それにご飯と豚汁、漬物の付いた定食。
豚肉のビタミンB1か、キャベツのビタミンCか食物繊維か、それともご飯のたんぱく質なのか、
いずれにせよ何らかの栄養素が当方を活性化させてくれたのかもしれない。



配達は大きなトラブルも無く進むが、大雨が最大のネックとなっていた。
昨日よりも強く降り続いており、どうしても晴れの日よりは遅くなってしまう。

それでも必死に耐え、5時半頃ようやく店に到着。

記録は3時間15分。雨にも関わらずいつも並の記録に戻すことが出来た。



豚カツの効果かは不明だが、以後、食生活を改善してみた。
少ない予算でいかに栄養を補給できるかを考えながら、スーパーのタイムセールを狙って半額の弁当(190円)や半額の揚げ物(メンチカツ、コロッケ、秋刀魚のフライなど、いずれも50円)を購入する毎日。



辛いことも多いが、前職と違うのは、一人で仕事が出来るようになったこと。
当方でも出来るのだから誰でも出来るということなのだが、僅かだが自信を持てるようになった。

何とかやっていこうと思う。


(配達編 一旦完)