78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな

◎難しすぎるコロナ対策……迷ったら震災の頃を思い出して

2020-04-01 01:50:12 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 

 新型コロナウイルス対策の為に政府が、小池が何を言ったか。


「不要不急の外出は控えろ」「3密を避けろ」「仕事は可能な限り自宅で」


 他にも手洗いうがいなど、色々警告を出していたと思うが、特に最近になって再三言ってきているのはこの3点だろうか。


 ハッキリ言って全部を守れる国民はかなり少ない


 3点目は一番不可能だが、そもそも2点目「3密」も、通勤時の満員電車がそれに当てはまる。


 国民も馬鹿ではないから、1つくらいは守ろうとするし、守っていると思い込んでいるのが1点目の「不要不急の外出を控える」ことだが、実はこれが一番難しい

 

 飢えをしのぐ為にスーパーに買い物に行かねばならない。


 洗剤を切らしたらドラッグストアに行かねばならない。


 スーパーもドラッグストアも今は場所によっては激混みしている。ハイ3密、アウト。


 あるいは、仕事で靴を汚したから、帰りに新しい靴を買いに店に寄ろう。


 その際に歩きすぎて疲れたし空腹になった。辺りを見渡すと客の少ない飲食店があった。


 仕事の帰りに少し寄るだけだし良いかと、耐え切れずそこに入ってしまうか、入らず我慢して自宅に真っ直ぐ帰るか


 ここまで突き詰めると、「不要不急の外出を控えていると思い込んでいる多くの国民」は、真っ二つに分かれる。


 そもそも3密とは「(1)密閉空間に(2)人が密集して(3)人が密接に交わる」なので、いくら飲食店に客が少なかろうが「店員と客が密接に関わる」ことになるのでアウトである。

 要するに、考え出したらキリが無いことなのだ。「感染拡大を防ぐには国民は何もするな」と言っているのだ。現にそれが「ロックダウン」という形で海外の一部で実施されている。イギリスのとある街ではスーパーとドラッグストア以外の全ての店が閉鎖されている。健康維持の為の外出のみ許可されている、もはや経済活動がほぼ停止した状態。

 

 

 既に日本の経済損失の甚大さは計り知れないし、飲食やエンタメ業界では倒産が相次ぎ、失業者や最悪自殺者も増えてくるだろう。それでも経済より感染防止を優先するのは何故か。新型コロナには分からないことがまだ多すぎるから、最悪の場合を想定しなければならないのが最たる理由である。


 当初はインフルエンザの一種に過ぎなかったスペイン風邪がやがて「致死率の高い毒性のウイルス」に変異したように、コロナも人から人へ伝わっていくうちに、伝言ゲームの如く毒性に変異してしまう危険性も否定できないのだ。

 

 

 では、仕事の帰りに飲食店に寄りたいと思ったら、何を考えればその欲を防げるのか。


 東日本大震災を思い出して欲しい。


 今、日本の自粛ムードは震災当時のそれに近いと思う。


 当時も多くの犠牲者を出し、生き残った国民もあらゆる面で大いに苦しんだ。経済損失も計り知れなかったし、失業者や自殺者も居た。

 それでも僅か数年で日本に活気が戻った


 日本はどんな困難も乗り越える力を持っている。


 国民一人一人が力を合わせれば。

 

(#43:1200字)

 

<関連記事>

◎もはや失敗……東京はコロナ対策の何を間違えたのか

◎スーパー店員の悲痛な叫び「買いだめ、買い占めの前にまず感染防止の努力をしろよ」

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◎あと2日『100日後に死ぬワニ』大胆予想! この物語は死んでからが本番!?

2020-03-19 02:40:27 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 

 昨年12月12日よりTwitterで毎日更新され話題騒然の4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』もついに98日目まで来た。1話毎にきっちり1日進むので、あと2日、つまり3月20日の19時にはワニの最期が明かされることとなる。

 

(↑記念すべき1日目と、最新の98日目)

 

 以前より作者・きくちゆうき氏のツイートのリプ欄ではワニがどんな死に方をするのか、いわゆる『100日目予想』が盛んになっている。それも無理はなく、例えば物語の後半で重い病気が発覚し入院するなど、死に至るまでの経緯をじっくり描くことも当方は予想していたが、実際は98話の時点でワニは入院どころか通院さえもせず平常運転となっており、未だ病気を患っていない、あるいは患っていたとしてもワニ本人は気付いていない状態なのだ。つまり100日目で突然急死すると考えて間違いなく、それが尚更読者の予想合戦に拍車をかけているということ。

 

(↑模倣4コマで予想する者も多数)

 

 しかし当方は死に方の予想は無意味だと考えている。強いて言うなら事故死などあえてベタな方法を持ってきて、奇抜な予想をする熱心な読者達を唖然とさせてくると予想している。なぜならこの物語はワニの死に方に重要性は無いと思うからだ。

 

 以下、あくまで当方の予想である。物語は101日目以降も続き、周囲のキャラ達がワニの死をどう受け止めるかがじっくり描かれる。もちろん主人公のワニが好意を寄せるワニ先輩の悲しむ姿も。むしろワニが死ぬまでの100日間は序章に過ぎず、101日目以降が物語の本章と言えるのかもしれない。

 

 そう考える根拠もある。主人公のワニはこの100(-2)日間であらゆることをしてきた。2日目に欲しがっていた雲ぶとんを92日目にゲットした。19日目でご飯に誘い断られたワニ先輩とは83日目で2人きりのデートを果たした(ちなみにその時観た映画は16日目に観た作品の続編だと脳内補完している)。大好きなゲームの大会にも出場した。大好きなラーメンを仲間達と何度も食べてきた。そして事ある毎に互いを支え合ったネズミというかけがえの無い友の存在。強いて言うなら今後の残り2日で実家に帰り両親に生前最後の姿を見せてあげられれば完璧なのだが、現時点でもワニにとって悔いはほぼ残っていないのではないか。

 

 となると後悔するのは取り残された周囲の人々ということになるのだ。もしそれが作者の描きたかった本当の物語だとするなら──決して的外れの予想とも言えないはずである。

 

 さあ、2020年3月21日、『100日後に死ぬワニ』第2章の始まりである(あってほしい……)。

 

(#41:1036字)


◎川口春奈YouTube進出について&黒タイツ女子激減問題……世の中の色々に1200字以内で物申す

2020-02-11 03:41:21 | ほぼ週刊サンマイ新聞

川口春奈2nd写真集『haruna2』

 

『小野と芋子』カテゴリー用に取っておいたネタがいくつかあるのですが、ガッツリ記事にすると執筆に2~3時間費やしてしまうのでなかなか取り掛かれていませんでした。

 そこで今回は、『小野と芋子』で扱う予定だったネタの数々を短時間で簡潔に述べたいと思います。

 

<芸能人YouTuber多発問題>

 ここ数ヶ月だけでも急激に増えた「芸能人のYouTuber進出」。

 最近では江頭2:50超短期間でチャンネル登録者数100万人達成したことでも話題になっている。

 既に高い知名度のある芸能人がYouTuberになることは、素人のそれよりもアドバンテージが発生するのは至極当然であり、楽して金儲けしたい素人YouTuberにとっては難敵となるわけである。

 当方は芸能人のYouTuber進出自体は、ズルいと思わなくもないが、全否定するつもりはない。

 ただ、芸能人がやるからには、芸能人にしか出来ないことをやって欲しいのだ。

 例えば、こちらも最近始めたばかりの川口春奈が悪しき例で、ただ里帰りするだけの動画があるのだが、こんなの素人YouTuberでも出来るわけである。

 細かい部分にも色々問題点がある。まず、全編自撮りにつき全身の映像が全く無いので、川口のコーデすら不明であること。ボトムスや靴は何を履いているか気になる視聴者も多いはず。全部自分で撮ろうとせず一度でも母親にカメラを渡して撮らせるべきだった。

 長崎の五島列島についても「離島でド田舎」と言うだけで、特徴が伝わらない。何よりYouTubeを始めた理由が「素の部分を見せたい」だけでは弱すぎる。事務所にやらされているんだろうなとしか。「あの頃のテレビに戻って欲しい」(YouTubeばかり見ている若者をテレビに引き戻したい)と宣言したカジサックくらいの熱意ある動機を聞きたかった。

 編集のクオリティーが素人レベルなのも論外である。自分で編集しているならそれでも良いのだが、編集さえもスタッフに依頼しているのならせめて素人には真似できないクオリティーに仕上げないと、素人YouTuberと何が違うのと思ってしまう。

 川口は女優なので、例えばエチュードをして演技力の高さを見せる企画などをやれば素人との差別化を図れるのではないか。

 それでも川口の眼鏡姿は超絶可愛いのでチャンネル登録しました(オイ

 

<関連記事>◎芸能人YouTuberおすすめ8選【2019年以降開設の新参者限定】

 

<黒タイツ女子激減問題>

 真冬のこの時期、数年前までは「黒タイツ女子」が大半を占めるほどのトレンドだった。

 それが最近は、どこを歩いてもロングスカートばかりで、個人的には魅力が半減している。

 冬に「スカート+黒タイツ」を維持し続けることで、春先に「スカート+生足」へと変化することで多くの男性は歓喜するわけである。我慢の先に得られる快感である。

 中には冬のみならず春になってもロングスカート、夏にはマキシスカート、一年中そんな感じの女子もいる。もっと季節によってメリハリをつけたほうが良いのでは?

 

(#40:1200字)


◎『水曜日のダウンタウン』モンスターアイドル感想……“クロちゃんのフラれ芸”という新たな鉱脈

2019-12-27 03:45:53 | ほぼ週刊サンマイ新聞

豆柴の大群デビューシングル『りスタート』

 

 12月25日放送のTBS『水曜日のダウンタウン モンスターアイドル最終回』を観た。久々に腹を抱えて笑った。この番組の面白さについて、(1)番組の演出・藤井健太郎と、(2)音楽プロダクション「WACK」社長の渡辺淳之介、それぞれの異なる思惑を推測しながら解説する。

 

 まず(1)藤井の思惑だが、同番組で過去に放送した「フューチャークロちゃん」「モンスターハウス」などを観ても分かる通り、藤井が視聴者に見せたいのは“クロちゃんのゲスさ”であると言って良いだろう。クロちゃんの気持ち悪い言動がガチ過ぎて、特に近年の企画は“笑い”よりも“不快”の感情が先に来る視聴者も多く、事実BPOへの苦情にも繋がっているわけだが、それこそが藤井の思惑だと言っても強ち間違いではないだろう。

 お笑い番組を評論するコラムニストとしても知られる弁護士・高橋維新氏は以前、自身のブログこのような記事を綴った。

 

>「水曜日のダウンタウン」という番組(と、藤井健太郎という作り手)は、笑いを提供することを第一目標とはしておらず、人間の弱さ・汚さ・醜さを画面上に析出させることを第一目標にしている節がある。(中略)笑いは、あくまでその中で副次的に生み出されるものに過ぎない。

 

 これを今回の「モンスターアイドル」の場合で説明すると、沖縄合宿においてクロちゃんのアイドル候補生に対するセクハラまがいの行為が何度も映し出された。藤井はそれを見せたいが為にゲスのクロちゃんがアイドルをプロデュースするという“あえて危険な企画”を発案したのである。そして結果的に、その不快な言動の先には“カエデ(とナオ)にフラれるクロちゃん”“プロデューサーを解任され罰を受けるクロちゃん”という2つの“笑い”が生み出されたことになる。特に前者“クロちゃんのフラれ芸”はテレビ史に残る名場面と呼べるほど面白かったので、是非Paravi(初月無料)等で全ての国民に観ていただきたい。

 

<クロちゃんのフラれ芸は必見!『水曜日のダウンタウン2時間SP』はParaviで視聴できます

 

 そして(2)渡辺の思惑は言うまでも無くWACK発のアイドルグループを新規に立ち上げブレイクさせること。地上波のプライムタイムで毎週放送される『水曜日~』で取り上げれば大きな宣伝になる。番組後半の生放送パートにて豆柴の大群の新曲披露や、BiSHを始めとする所属アイドルが多数出演してきた部分は『水曜日~』のテイストとは大きく異なっているが、そこは藤井ではなく渡辺の希望によるものだろう。

 

 クロちゃんのゲスさを見せたい藤井と、新規アイドルを立ち上げ宣伝したい渡辺。両者が元々知り合いで、かつ互いの利害が一致したからこそ実現した今回の企画。相変わらず『テラスハウス』を意識した“リアリティーショー”の作りになっており、ある程度の台本は存在するのだろうが、“クロちゃんのフラれ芸”という新たな鉱脈を発掘した藤井はお見事としか言いようが無い。今後もクレームに屈せず鉱脈を発掘し続けていただきたい。

 

(#39:1198字)

 

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◎労基署はコンビニの最悪な労働環境にもっとメスを入れるべき

2019-10-24 19:25:57 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 それなりの労働環境は整っていると自負している我がスーパーマーケットの会社に労働基準監督署の調査が入り、2点の指摘を受けた。

 

(1)労働時間の計算を15分単位ではなく1分単位にすべき

(2)1日8時間以上勤務する労働者に超過勤務手当を付与すべき

 

 (2)についても色々言いたいのだが、今回は一見大したことの無いように見える(1)について言及する。

 当然、労基署の命令としては、例えば「定時より10分前に出勤したアルバイトに10分分の給料を付与しなさい」ということである。時給1020円なら1日当たり170円の加算となる。

 しかし、いわゆる10分前行動するスタッフは相当数存在しており、その部分にまで給料を与えてしまうと、会社全体の人件費は年間で何百万、いや何千万も膨らんでしまう試算になるというのだ。

 それを防ぐ為に会社が検討していることは“定時ジャスト出勤の義務化”である。8時始業なら8時ジャストのタイムカード打刻のみ認めるというもの。職場に早く来てくれるスタッフも、定時になるまで休憩室で休んでいなければならない。そんなこと誰も望んでいない。そもそも10分前行動なんて当たり前のことだと思うのだが、それを禁止にしたら確実に全体の仕事量が減る分、仕事のクオリティも下がってしまう。完全に労基署の思惑から外れてしまっている。

 

 現状の15分単位のシステムで不満を言うアルバイトスタッフは皆無だし、社員は社員で固定給に20時間分の含み残業手当が含まれているとはいえ、20時間を超える残業分についてはちゃんと時間外手当を付与してくれる。休みも月9日以上は必ずあるし、今春からの有給休暇義務化に伴い10休、11休できる月も出てきた。やはり不満を言う社員は居ない。つまり今回の問題は、労基署が勝手にブラック認定して文句をつけているだけなのだ。

 

 

 文句をつけるなら、当社以上にブラックな企業が先なのではないか。例えば当方が過去に勤務していたコンビニエンスストアは最悪と言って良い労働環境だった。社員は1日12時間勤務、15時間勤務も珍しくなく、時間外手当は実質ゼロで、週1休のはずがそれさえ貰えない週もあったり、それが夜勤の明け休みにされることも多々あった。ひどい時で3ヶ月以上も無休連勤を余儀なくされる社員も私を含め何人も居た。有給休暇を義務付けても現実的に1日すら消化は不可能である。

 極めつけは、その過酷な中で5年4ヶ月も勤務した人に対するひどい仕打ち。就業規則を労基署に提出しないことで賞与も退職金も自由に減額やゼロに出来るというやりたい放題。

 コンビニなんて、特にフランチャイズはどこもそんなものである。低賃金の割に膨大な作業量が慢性的なアルバイト不足に繋がり、社員の負荷が重くなる一方なのだ。そのような、法律を無視しまくっている超暗黒会社にこそ文句を言っていただきたい。労基署はメスを入れる順番が間違っている。

 

(#38:1193字)


◎京アニ放火事件に思う「昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいな」

2019-07-20 01:22:20 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 京都アニメーション放火事件によって亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 また、怪我を負われた方や、心を痛まれた全ての方の一刻も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

 

 京アニやその作品に対する想いを書こうか迷ったが、今回の事件は京アニ以前の問題なのでやめておく。犯行動機は不明だが、どんな動機であろうとも、日夜身を削ってアニメーションを制作する罪なき人を何十人も犠牲にしたのは決して許される行為ではない。

 犯人に観て欲しかった、そして今からでも全ての国民に観て欲しい作品がある。京アニの作品もだが、その前に『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』だ。

 

※追記:『青ブタ』は京アニ制作ではありません。それでも観て欲しいのです。ちなみに略称は「あおぶた」と読みます。

 

 前回の記事でも『青ブタ』を取り上げた。ただその時は事件が起きる前だった。当方は事件が起きた今もなお、いや今だからこそ、『青ブタ』のTVアニメ版と、その続編となる劇場版をどちらも観て欲しい。

 

 もっと早く魅力を発信すべきだったことは後悔している。実は6月18日、劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』(TVアニメ版とタイトルが異なります)を観た日の夜、ある人にLINEでこんな文章を送っていた。

 

>青ブタを観に行き、あまりにも凄すぎたので思わず連絡してしまいました。
>TVシリーズ13話をちゃんと観てきた人にしか味わえない驚きと感動がありました。
>今の気持ちを上手く説明できません。色々と考えさせられたし、ボーっと生きずに一日一日を大事にしたいと思いました。

 

 個人的にはこの人にだけ感想を伝えたという事実を大事にしておきたかった。なのでブログやTwitterには感想を書かなかったが、今はそんなことも言っていられない。短くまとめるならこの感想が全てである。もう少し言うなら“命”についても深く考えさせられた。

 

 

 

 上の画像は劇場版のキービジュアルである。左の女性が牧之原翔子。主人公・梓川咲太に多大なる影響を与え、劇場版ではメインとなる謎多き少女だが、彼女がTVアニメ版の11話で咲太に言った台詞が今でも忘れられない。

(※TVアニメ版はGYAOで全13話無料配信中。ただし7/24まで)

 

「私はね、咲太君。人生って優しくなる為にあるんだと思っています。昨日の私よりも今日の私がちょっとだけ優しい人間であればいいなと思いながら生きています」

 

 時と場合にもよることを前提で書くが、根本では全ての人間が優しい心を持つべきだと当方は思う。

 今当方が言いたいのは2つだけ。

 一つは、人に優しくして欲しい。

 もう一つは、人に「優しい」と言って欲しい。

 自分が優しくなるだけでなく、誰かのことを少しでも優しいと思ったら素直に「優しいですね」と褒めて欲しい。

 たった一言、その言葉で救われる人は必ず居る。そう信じて欲しい。

 

(#37:1124字)


◎大胆予言!『天気の子』はYahoo!映画の評点で『青ブタ』を超えられないだろう

2019-07-18 03:35:09 | ほぼ週刊サンマイ新聞

新海誠監督作品 天気の子 公式ビジュアルガイド

 

 4.39という数字からこの記事は始まる。TVアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は、公開から早1ヶ月が経過したが、2019年7月18日現在のYahoo!映画におけるユーザーレビュー欄の評点が4.39なのだ。5点満点でこの数字はかなり高いと言える。ちなみに同日時点で『トイ・ストーリー4』は2.95、『ミュウツーの逆襲EVOLUTION』は3.83、既に興行収入が90億円を突破している『名探偵コナン 紺青の拳』でさえも3.63に踏みとどまっている。

 

劇場版 青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない 劇場パンフレット

 

 劇場版『青ブタ』は知名度こそ高くない作品だが、僅か31館での公開ながら興収は2.5億円を突破し話題となっている。個人的には2019年公開のアニメ映画で最も泣ける作品に認定したいくらいである。何なら明日19日に封切られる新海誠監督の最新作『天気の子』よりも感動できるのでは、と言いたいのだ。

 

 新海作品といえば『君の名は。』が興収250億という邦画歴代2位の数字を記録したことで有名だが、確かにこれも感動した。だから『天気の子』もやってくれるのではないかとの期待を抱く国民は多いはずである。しかし繰り返すが、当方は『天気の子』よりも『青ブタ』のほうが感動できると予言する。

 

 一口に感動と言っても多様なパターンがあるが、劇場版『青ブタ』と『君の名は。』は“積み重ねの感動”という点で共通している。『青ブタ』はTVシリーズ全13話の続編として劇場版が公開されたので、TVシリーズからの積み重ねで感動やカタルシスが生まれるようになっている。TVシリーズを視聴したという限られた人にしか向けられていないのが本当に勿体ない。一方『君の名は。』は作品単体での感動もあるのだが、過去の新海作品を全て観てきた人にとっては“積み重ねの感動”にもなっているのだ。何故ならそれまでの新海作品に明確なハッピーエンドは存在しなかったからである。『君の名は。』の終盤で『秒速5センチメートル』を思い出した人は少なくなかっただろう。「そうか、秒速のようなバッドエンドをまた繰り返すのだな」と。しかし結果的に2人は再会を果たし、本当に度肝を抜かれた。「あの新海がついにハッピーエンドを作ってくれた」という“積み重ねの感動”だったのである。

 

 それはつまり、新海の物語は『君の名は。』で一区切りが付いたことも意味する。『天気の子』はどう足掻いても作品単体で観るしか無くなる。それが感動したとしても作品単体の感動でしかなく、新海作品で積み重ねの感動というカタルシスは二度と得ることが出来ない。ちなみに『君の名は。』のYahoo!映画の評点は4.12である。果たして『天気の子』は『青ブタ』の4.39を上回ることが出来るのか。あえて当方は不可能だと予言する。それでも内容は気になるので、観に行くしかないだろう。

(#36:1192字)

 

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◎『君の名は。』上映中残念なリアクションをする観客


◎『陸海空』深夜移動で面白くなった! ナスD無しで“非予定調和”を生み出す美女10人

2019-05-16 04:21:33 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 

 バラエティー番組を面白くするキーワードの一つに“非予定調和”がある。番組冒頭の企画趣旨説明の時点で多くの視聴者が想定する展開を、良い意味で裏切った場合にこれが当てはまる。TBS『水曜日のダウンタウン』のほとんどの検証VTRがこれにあたるし、トーク番組だと日本テレビ『しゃべくり007』もこの手法を用いている。

 そして当方は、新たな“非予定調和”の番組を見つけた。テレビ朝日で月曜23時20分より放送中の『陸海空 こんなところでヤバいバル』である。その前身番組『陸海空 地球征服するなんて』で、U字工事がアマゾン奥地に生息する部族を取材する企画のはずが、同行ディレクター友寄隆英(ナスD)の破天荒な言動が思わぬ“非予定調和”を生み出し、いつの間にかナスDメインの企画になってしまった経緯がある。

 そして現在の『ヤバいバル』で放送中の企画が「美女10人10日間サバイバル生活」である。年末特番の『無人島0円生活』に酷似しているが、「10人が10日間のサバイバル生活を経て合計10kg太れば100万円獲得」というルールが加わる。男性でも過酷なサバイバル生活を現役アイドルや女優が10人も挑戦するというだけで異例の企画だが、賞金を付けることで彼女達に共通の目標が与えられ、それに向けて団結するという構図が生まれるわけだ。

 しかし実際はそうはならなかった。回を重ねる毎に10人の人間関係は少しずつ崩壊していく。表面上は団結しているように見えるが、内面では“ガチ勢”と“やる気なし勢”に分断され、後者が前者への陰口を零す場面も度々見受けられる。そもそも僅かな食料と不慣れな自給自足の生活で太れるはずも無く、「太れば100万円」というご褒美はまやかしに過ぎず(強いて言うなら美女10人の参加を実現させる動機でしかない)、極限状態が生み出す女性特有のドロドロした人間関係が非予定調和となったのである。


 また、5月13日の最新回でクレームを回避するフォローを2つ入れた工夫にも評価したい。1つ目は唯一の無人島生活経験者である落合真彩に、ナスDが事前に「ロケ日までに火の起こし方を再確認しておいて」「食べられる野草やキノコなどの情報を積極的にメンバーに提供して」などと伝えていた場面を放送したこと。過酷なサバイバル生活をナスDの力を借りず、美女10人だけで順調に進める為の準備を入念に行っていたのだ。



 2つ目は川で魚を獲る方法をナスD自身が(美女達の居ないところで)実演して見せたことである。美女達は魚獲りに何度も苦戦していたが、無理ゲーではなく簡単に獲る方法は確かに存在することを証明し、よゐこ濱口の1ヶ月1万円生活のロケハンで得た技術であると説明することで視聴者を納得させる。これが専門家の解説ではなく番組ディレクターなのだから驚かされる。


 ナスDが居なくとも破天荒な美女10人による非予定調和の連続。次回以降も目が離せない。

 

(#35:1197字)


◎『けものフレンズ2』9話感想……カラカルの心情の変化や3人の絆の為に犠牲になったイエイヌ。もう少し何とかならなかったのか

2019-03-12 12:46:30 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 

<↑次回(10話)はいよいよゴクラク回!?(フウチョウコンビ)>

 

 TVアニメ『けものフレンズ2』の9話を観た。ネットはまたしても炎上したが、当方としては9話の内容は良いほうだと思っている。“カラカルの心情の変化”が1~9話を通して物語の主軸になっていると解釈したからである。1話の時点ではキュルルの「おうち」探しにそんなに乗り気ではなく、好奇心旺盛のサーバルに付き添う形でしかなかったカラカルが、9話ではキュルルを守る為にビーストと戦った。あてのない過酷な旅を続けていくうちに、キュルルとカラカル(、サーバル)の絆が深まっていたという、本来なら感動に値する話になる……はずだった。


 このように話の内容としては良かったが、問題点が2つある。

(1)カラカルの心情が変化する過程の描写が不足している
(2)この感動の為にイエイヌが大きな犠牲になった


 まず(1)について。一つ一つの過程の積み重ねを経て後半や終盤で感動に繋げるのがクール放送アニメの醍醐味でもあるが、9話で「キュルルを守る為に戦うカラカル」を感動として大成させるには、それまでの1~8話でカラカルの心情が少しずつ変化していく過程を丁寧に描写しなければならなかった。唯一4話でオオアルマジロとオオセンザンコウに対し「何者か知らないけど流石に勝手すぎるんじゃないの?」と文句を言ってキュルルを守ろうとする場面はあったが、本当にそこくらいで、他でのカラカルは特段目立つことも無くただのツッコミ役に徹しているだけだった。
 例えば3話で海に溺れるのがサーバルではなくカラカルで、それを助けるのをキュルルにするだけで、カラカルがキュルルを守りたいと思う理由が一つ増える。6~8話で毎回登場するセルリアンも、毎回サーバルのワンパンで済ませずに、1回くらいはキュルルとカラカルが協力して倒す場面があっても良かったかもしれない。このように8話までに一つ一つの過程を積み重ね、9話でそれらを回想シーンとして入れることで、より視聴者を感動させることが出来たはずなのだ。


 次に(2)であるが、イエイヌは自分の家から居なくなった“ヒト”を探しており、キュルルが来たことで当初は大喜びしていたが、ビーストが近くに潜んでいることを急いでサーカラの元に知らせに行くキュルル、そしてキュルルを守ろうと戦うサーカラ、その3人の絆を見て、「自分の探しているヒトはキュルルではない」ことを察し、自ら身を引いたわけだが、主題が3人の絆(特にキュルルとカラカルの絆)に終始してしまったせいで、キュルルを守る為に傷だらけになったイエイヌを手当もせず放置してしまう結果になってしまったのだ。尺の都合など色々事情はあったとは思うが、イヌを飼っている視聴者を敵に回してしまい炎上に繋がることは容易に想像できたはずだ。

 一つの主題を成立させる為に誰かを犠牲にしてきたのは9話だけではない。もう手遅れだが、2期は全体的に脚本に問題があることをスタッフは自覚すべきである。

(#34:1197字)

 

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◎『けものフレンズ2』6話考察……サーバルが全ての記憶を取り戻すことを信じて

◎『けものフレンズ2』8話感想……同一個体説、別個体説、パラレル説のいずれも矛盾している。スタッフは本当に1期をちゃんと観たのか?

 


◎『けものフレンズ2』8話感想……同一個体説、別個体説、パラレル説のいずれも矛盾している。スタッフは本当に1期をちゃんと観たのか?

2019-03-08 21:58:41 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 ペパプ・イン・ザ・スカイ!

 

 TVアニメ『けものフレンズ2』が8話まで放送された。これまで考察要素の一つとして「1期との関連性」が挙げられており、1期と2期のフレンズは「同一個体」か「別個体」か、もし後者であれば「1期と繋がった世界」なのか「パラレルワールド」なのか、複数のパターンが考えられ、その答えによっては物語の持つ意味、ひいては評価が大きく変わってくる重要な要素なのだが、現時点ではどのパターンだとしても矛盾が生じてしまうのだ。


 まず「1期と繋がった世界」かつ「フレンズが同一個体」だったパターンの場合を考える。サーバルについては前回の考察記事のとおり、1期と2期の間の空白の期間においてセルリアンに食べられ記憶を失った可能性が高くなり、これといった問題は無い。しかし、8話に登場したPPPとマーゲイはどうか。彼女たちも同一個体だとするなら、下図のように大きく矛盾してしまうのだ。





 では、マーゲイの回想から「1期とはパラレルワールド」であると仮定する。すると今度は2期6話の「かばん」の物語が意味を持たなくなってしまうのだ。6話は1期と繋がった世界かつサーバルが同一個体であるからこそ「記憶を失ったサーバル」を見て切ない表情を浮かべる「かばん」に感情移入出来るのだから。



 最後に考えられるのは「1期と繋がった世界」かつ「1期と2期のフレンズは別個体」説であるが、そうなるとやはり8話がネックになってくる。

 そもそも8話序盤でマーゲイはサーバルのことを覚えているかのような素振りを見せる。この時点で1期と同一個体であると考えるのが自然なのだが、その後ダメ押しでこのような台詞が入る。


マーゲイ「実は、マネージャーをやる前は、PPPの一ファンだったんです。
PPPのライブを観ていると、勇気とか力が沸いてきて、その時、本当にあの5人が伝説の戦士たちに思えたんです」


 アイドルのファンがマネージャーになる流れは1期そのものであり、2期で「その後のPPPとマーゲイ」を描くのは王道と言える。

 ではやはり同一個体なのか。それなら「古い絵本」に登場するPPPはなぜ5人いるのか……といった具合に、考察に考察を重ねても一向に結論が出ない。



 しかし、これら全ての矛盾を整合化する正解は1つだけ存在する。それは単なる「作画ミス」である。少なくとも2期8話は、マーゲイの回想シーンを1期8話のデビューライブを想起させる画に修正し、古い絵本のPPPを4人または3人(初代または2代目)にするだけで、「1期と繋がった同一個体の世界」としての矛盾は存在しなくなる。

 ただ個人的には、もし作画ミスだったのであれば、制作スタッフに疑問を抱かざるを得ない。一度でも1期8話を視聴したのであれば絶対に起こり得ない致命的な過ちだからである。細谷PがTwitterで「感謝とリスペクトを忘れたことなんて一度もない」と呟いたが、ハッキリ言ってこれはリスペクト以前の問題である。

 

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