78回転のレコード盤◎ ~社会人13年目のラストチャンス~

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◎『けものフレンズ2』6話考察……サーバルが全ての記憶を取り戻すことを信じて

2019-02-19 18:00:00 | ほぼ週刊サンマイ新聞

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 TVアニメ『けものフレンズ2』は、5話のラストで“かばん”が登場、そして2月18日に放送された6話では、かばんの口からビーストセルリウムなどの新情報が次々と明かされ、話は大きく動いた。

 一番の衝撃は、鍋料理を食べている最中に交わされた以下の会話である。


キュルル「もしセルリアンに食べられちゃったら、どうなっちゃうのかなって」

博士「フレンズの場合、食べられると動物の姿に戻って、それまでの記憶は無くなっちゃうのです」

助手「そしてその後、再びフレンズになったとしても、前の記憶が戻ることは無いのです」


 あえてこの会話を挿入し、その直後にかばんの悲しそうな顔。これは普通に考えて、サーバルがセルリアンに食べられて動物に戻り、記憶を失った状態で再フレンズ化したことを示唆していると言って良いだろう。
 現にサーバルは、1期でかばんと旅をしていた頃のことを「上手く思い出せない」(1話)、実際にかばんとの再会を果たしても「あなたは……」(6話)と、名前すら思い出せずにいた。加えて博士と助手(1期7話で登場)、前々回ではアリツカゲラ(同10話)のことも忘れている。

 この記憶喪失については、1期と2期のサーバルが別個体だという説もあるが、当方はあえて同一個体と推測して考察を進める。アプリ版(野中藍)とアニメ版(尾崎由香)であればサーバルの声優が異なるので別個体と考えて良いのかもしれない(もっと言うと、アニメ版でもミライと共に旅をしたサーバルのほうは野中が演じている)が、2期サーバルの場合は1期と同じく尾崎が演じているからである。

 同一個体だとすれば、やはり前述のとおり、サーバルが動物に戻って再フレンズ化した説が、6話で信憑性を増したことになる。そしておそらく、その悲劇は1期と2期の間、アニメ化されていない空白の期間において起きたのだと思われる。

 ただ、完全なバッドエンドというわけでもなく、サーバルの記憶は断片的には残っている。「珍しいフレンズと旅をしていた」(1話)、「食べないでー!」(1話)、燃える紙飛行機に対する既視感のような反応(5話)、無意識とはいえ1期にも出てきた砂時計に興味を示す(6話)などである。
 終盤のカラカルの一言でかばんは安堵し、涙混じりに「あの子……よろしくね」と、前向きな別れとなったことは良い締め方だったと思う。
 まだかばんのことは思い出せていないが、いずれサーバルの記憶が全て戻るかもしれない。そのきっかけや方法も含め、7話以降の動向に注目したい。

 そしてもう一人、記憶を失ったキャラがいることを忘れてはならない。キュルルである。この人もまた、セルリアンに食べられた可能性があるのではないか。まだまだ批判の多い2期だが、回を重ねる毎に面白くなってきていることは確かである。

(#32:1144字)

 

<関連記事:◎『けものフレンズ2』かばん登場のインパクトですっかり忘れられた5話の伏線


◎『けものフレンズ2』かばん登場のインパクトですっかり忘れられた5話の伏線

2019-02-16 10:39:35 | ほぼ週刊サンマイ新聞

<『けものフレンズ2』を見る前に注目してほしい4つのポイント(アニメイトタイムズ)>

 

 毎週のようにネットで批判の絶えないTVアニメ『けものフレンズ』期。別件とはいえ主演声優までもが炎上し、バズった2年前とは真逆の意味で話題だけは尽きないコンテンツに成り果ててしまった。

 そんな中、2月11日に放送された5話のラストで、1期のメインキャラだったヒトのフレンズ“かばん”が登場。降板の憂き目に遭ったたつき前監督の考案したキャラクターを使用するという暴挙に出たことで、もはや火にケロシンを注いだ状態に。当方としては、かばんに関しては謎が多すぎるので、現時点では言及しないでおく。

 それよりも、そのインパクトの影に隠れてしまったが、ゴリラの話していた「ヒトは動物を思いのままに操ろうとした」という噂のほうが重要な伏線なのではないか。
 結局その噂についてはキュルルが無理矢理「ヒトは紙相撲で動物を操っていた」という結論にしてワニとヒョウの争いを食い止めたが、無論そういうことではないだろう。

 ゴリラの発言を受けて当方が真っ先に思い出したのは2話と3話である。

 まず2話では、タイヤのブランコに乗ったジャイアントパンダが「なんだろう、このまるいの? なんだかしっくり来る」と、まるで過去(まだ動物だった頃)に同じことをしていた(=ヒトに飼育されていた?)と匂わせる発言をしている。
 3話はもっと分かりやすく、イルカとアシカがかつてショーをしていた頃のことをかなり正確に思い出している。

 この2話と3話に登場するフレンズに共通するのは、野生としてではなくヒトに操られていた時の生態を模倣していることである。かつてパンダは動物園、イルカアシカは水族館にそれぞれ生息していたのではないか。特に後者はその残骸が海底に残されている。
 この仮説が本当だとすれば、2期の世界のジャパリパークにおいて、ヒトは動物を思いのままに操ろうとしていた(というか操っていた)という噂も確証に変わる
 1期ではパークにおけるヒトの存在について数多の謎を残したまま終了してしまったが(正確には謎が明かされる前に大人の事情で強制終了したが)、2期ではヒトについて深く掘り下げ、核心に迫ろうとしているし、操るという表現からもが垣間見える。

 もしかしたら、6話以降の展開によっては化けるかもしれない。当方はとてもワクワクしている。それまでに燃料を投下しすぎて再起不能レベルにまでなってしまったのはとても勿体無い。おそらく5話までに多くのファンが視聴を脱落しているが、何とか盛り返して欲しいところである。

(#31:1026字)

 

<関連記事:◎『けものフレンズ2』6話考察……サーバルが全ての記憶を取り戻すことを信じて


◎けもフレ声優・尾崎由香の炎上騒動……今こそ声優はアイドルとの違いを見せ付けるべき

2019-02-16 04:11:22 | ほぼ週刊サンマイ新聞

 尾崎由香1st写真集 ぴ(ゅ)あ

 

 現在放送中のTVアニメ『けものフレンズ2』に主人公サーバル役で出演中の若手声優・尾崎由香。2月12日に放送されたTBSのバラエティー番組『有田哲平の夢なら醒めないで』に“アイドル声優”としてゲスト出演し、発言の一部がネットで炎上、尾崎本人がTwitterで謝罪する事態にまで発展している。

 先輩への失礼な態度や「アニメは全く観ない」発言、喉に影響の出そうな激辛の食べ物を好む、バラエティー番組でイモトアヤコのように活躍したいと思っているなど、声優に対するプロ意識の欠如が何度も見られ、とても擁護するのは難しい惨状だったが、当方が一番気になった発言は以下である。

 

尾崎「今の声優って、声のアフレコだけじゃなくて、歌ったり踊ったりとか、結構キャラクターに近い人が選ばれる可能性が高いんですよね。だから、歌って踊れる声優が今、一般的?」

 

 言うほど尾崎はそこまで歌ったり踊ったりしていないとは思うが、昨年ソロデビューを果たし、どうぶつビスケッツという人気ユニットでも活動していることは紛れもない事実。しかし、「歌って踊れる声優が一般的」という、あたかも声優がアイドルと同義であるかのような発言には疑問を覚える。

  当方はこのブログでも過去に「声優とアイドルは違う」「声優はアイドルではない」と力説してきた。特にここ数年は女性声優のソロ歌手デビューが驚くほど相次ぎ、それだけでも「声優がアイドル化している」と思う人が多いようなのだが、その意見は彼女たちのライブをご覧になられてから発言していただきたい。当方は三森すずこ、水瀬いのり、東山奈央、大橋彩香など、何人もの女性声優の単独ライブを生で観てきたが、そのいずれもアイドルではなく“歌手”として、歌と真剣に向き合ったパフォーマンスを魅せてくれた。

(参考:◎東山奈央1stライブ感想……感謝を言葉のみならず行動で示せる人間になりたい

 

 とはいえ、ごく稀に例外がある。小倉唯が歌って踊る様はアイドルのテンプレそのものだし、アイドルアニメから誕生した声優ユニット(Aqours、デレマスなど)はどうしてもアイドルのように見えてしまう。前述の水瀬さえも自らを“アイドル声優”と呼称したことがあるという。声優自身が歌って踊る行為のみをアイドルだと認識してもらっては困る。歌と真剣に向き合う声優をAKBや地下アイドルなどと一緒にしないでいただきたい。

 

 尾崎はどうビスでアイドルのようなパフォーマンスを見せるのでややこしいのだが、ソロ歌手としてはアイドルの要素は皆無である。今回の騒動で下げてしまったイメージを取り戻すには、ソロ活動を真剣に取り組み、いずれ単独ライブを実現、成功させるしかないだろう。声優はアイドルとは全く違うということを、三森や水瀬だけではなく、尾崎自身も証明して見せてほしい。せっかく楽曲は良曲に恵まれている(特に2nd)のだから、あとは自身がどのようにして歌い上げるかだ。

 2019年は“ソロ歌手・尾崎由香”としての真価が問われる年になるだろう。

(#30:1196字)