この日、さすがに当方は参った。
相変わらず夜勤は毎日続いていた。
この日、夜勤が終わり会社に戻ったころにはもう朝の5時。
それなのに、昼からではなく朝から仕事をしろという指示が出たのだ。
夜勤の百貨店以外にも現場が複数重なり、鉄骨の製作準備が追いついていないのだという。
要するにスケジュールに無理があったのだ。
だから朝から手伝えと。
なぜ夜勤上がりの当方に頼らざるを得ないほど人員を確保できなかったのか。
さすがにシャワーは浴びさせて欲しいので、一旦会社を出て漫画喫茶へ向かう。不運にも自転車は盗まれてしまったのでバスで移動。
シャワーを浴びてすぐにバスでトンボ帰り。だがバス移動の効率の悪さで時すでに6時45分を回っていた。
で、全く寝ていないので会社で仮眠。実はこの直後、7時頃から工場長と外注社員3人で作業が始まっていたのだ。
そんなことも知らずに当方は熟睡。定時の8時半に起こされ、当方も作業に加わる。
外注社員3人の中に兵がいた。当方と同じ夜勤上がりの外注社員Aである。
外注社員Aは会社で1時間ほどの仮眠を取っただけで、夜勤の無かった他の2人+工場長と同様に、7時に作業を開始したのだ。
おい、体大丈夫か?
この日は第2土曜で本来なら会社の取り決めで休みとなっている日。だが前述のとおり切羽詰まっているため工事部と工場の製作部は休むわけにはいかない。
夜勤上がりの上司Aも午後には会社にやってくる。
だが、3人いるはずの製作部が2人足らない。
1人は不慮の事故により手を怪我しており来ないのは仕方ないが、もう1人のO氏は第2土曜だからというだけの理由で来ていないのだ。
これはひどい。O氏が来ていれば外注社員Aに酷使させずに済んだではないか。
12時から1時間の昼休み。なんと縫製部のおばさんが海苔巻きを作って持ってきてくれた。
休みなのにわざわざ来ていただいて、しかも昼食まで持ってきてくれるなんて……
海苔巻きがとても美味しくて感動した。それに比べてO氏は(ry
外注社員Aが「昼食べたら寝ていいよ」と気遣ってくれた。
当方はお言葉に甘えて仮眠を取るが、1時を過ぎても寝続けてしまう。
他の人が起こしたがあまりの爆睡で起きなかったという。
2時頃に上司Aが到着し、寝ている当方を起こし、「他の人が作業してるのによく寝れるな」と怒る。
夜勤の無かった人たちと一緒にしないで欲しいと思ったが、外注社員Aも普通に1時から作業をしていたので文句は言えない。
また失敗をしてしまう。
製作準備は6時まで目一杯行われ、コンビニで夕食を買い、食べ終わるともう仮眠を取る時間は無かった。
今回は本当にほとんど寝ていない。それが夜勤で災いした。
何度も眠くなり、何度も目をつぶってしまう。その度に怒られる。
こんな日に限って夜勤はなんと朝の6時まで行われた。
会社に戻る頃にはもう7時。
これをもって夜勤(百貨店)の第1期は終了。とりあえず1週間ぐらいは夜勤の呪縛から解放される。
そしてこの日、日曜はもちろん仕事無し。ようやく至福のときが訪れた。
だが……
さすがに限界が来た。
クビになりたくはないけど、辞めたくもなってきた。
ここまで社員に過酷な労働させたら辞められても文句言えないだろ。
早くもやる気が無くなって来た。やばい。本当にクビになるかもしれないのに……
クビが存続か。
運命の日まであと19日。