3月2日も奈良に行きました。
実は2月24日に水墨絵画塾の「描くよろこび」展と片岡梅林に行った時に書の表装に使えないかと着物のリサイクルショップで帯を二つ買いました。
そのうちの一つが鹿と楓の模様で秋にしか使えないかと思い、お店に交換か返品は出来るかと問い合わせると「返品は出来ない」「交換するなら購入した金額かそれ以上」「一週間以内」とのことでした。
どうするか悩んだ末、法華寺で梅が見られることと古代雛人形展が開催されているということで思い切って行くことにしました。
帯を交換した後、書道具の老舗の一心堂で筆を買いました。
前回食べはぐれたので、食事をしてから、タクシーで法華寺に向かいました。
法華寺の有名な枝垂れ梅は今年の暖冬で見頃を過ぎていました。
後ろの句は橋本多佳子さんの
「古雛を みなの道ぞ いつくしき」です。
古代雛人形展が開催されていましたが写真撮影禁止でした。
江戸時代から現代まで伝わる雛が100体展示されていました。
これが買った帯です。
帯は最初に買ったものより少し安かったので、さらに安いものと合わせて二枚買うことになってしまいました。
本当は普通の帯より、広い幅ものがほしいと考えていたのです。
袋帯(間違えているかもしれません。)なら、帯の片方を開くと倍の幅になるとのことでした。でも、数が少ない上、派手な柄だったので諦めました。
どれも、長さが4メートル以上あり、活かしきれるかも悩みどころです。
私はミシンも持っておらず、裁縫が不得意なので、どなたか得意な方はいないかなと考えていました。
いつも、ココを可愛がってくださるTさんにお会いし、事情を説明すると「いいよ、縫ってあげるよ!」と言って下さいました。
ほっとしましたが、帯は厚みがあり、工夫をすれば何とかなるかもしれませんが、うまくいくかどうか不安です。
買ってはみたものの実際に表装として使えるかどうか・・・
それにしてもその安さには驚きました。
真ん中のものは帯を閉めた跡があるということで1100円でした。
奥のものは3300円、手前のものは4400円でした。
どちらも締めた跡は見えません。
手前のものは無地ですが、あとの二つの柄は精巧で素晴らしいです。
最初はいい値段だったのではないかと思います。
この帯を見ていて、結婚の時に母に買ってもらった着物や道行、帯のことを思い出しました。
また、昔は嫁入り道具として婚礼セットとして洋服タンスや整理タンスなどを持たせるのが普通でした。
その当時、父は転職を繰り返し経済的に決して余裕があった状態ではなかったのに、母心として無理して揃えてくれたのだなと思うと涙が出ました。
友人などの高そうな婚礼セットを見て、「こんなのじゃないほうがよかった。」と文句を言っていました。
今から思うと本当に申し訳ないことをしたと思います。
子どものない伯母からも帯や反物が届きました。
子どものいない私には伯母の気持ちがよく分ります。
その後、着物を着る文化はほとんどなくなり、「タンスの肥やし」と言われるようになりました。