以前、TOKINの縦型FET 2SK182ESを入手しましたので、特性を測ってみました。今回はいつもの真空管と異なり、驚きの特性だったので、掲載してみたいと思います。
縦型FET(以下、SIT)は、3極管特性を持つFETで一時期V-FETとして2SK60/2SJ18など流行った時期がありました。私もいくつか購入して持っていますが、持つだけでうれしくなり、実はまだ一度も使用していません。そうこうしているうちに世の中はパワー半導体の世界になり、大電力が扱えるV-FETが登場してきました。それがTOKINのSITで、カタログには、「高耐圧、高周波大電力、21世紀のトランジスタ」と記載されています。
TOKIN SITの主なラインナップの特性とそのアプリケーションをカタログから拾いました。
驚くことに、2SK182EでPt=500Wと単純計算で211の5本分はある特性であることがわかります。
さて、その測定結果ですが、下記のようになりました。普段、真空管ばかり相手しているので、測定環境は、アンペアレベルで測定できず、最大電流は300mAとなります。また、壊れると悲しいのでVdは250Vまでとました。
ご覧のようにVg=0Vでは、Vdがわずかな電圧で大電流が流れるという、ほとんど銅線に近い特性です。Vgにわずかに負電圧を加えるとようやく傾きが出てきますが、特性曲線がVgの変化に比例した間隔ではなく、なんだか直線性の良くない結果となりました。
下記にカタログにある2SK182の特性を掲載します。
こちらの特性もVsg=0Vでは、ほとんど銅線に近い特性ですし、Vds<300Vでは、Vsgが5V間隔にもかかわらず、特性曲線の間隔が均一ではないので、測定結果とほぼ似ているのかなと思います。
と、言うことで測定結果を掲載しましたが、ご参考になるかどうか。Vdを500Vぐらいまでかけた方がよかったかもわかりません。また機会があれば再計測してみたいと思います。
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