先日、旧いスピーカを入手しました。メーカーはあのYAMAHA。製品の年代は恐らく60年代といったところか。車でいえばスバル360とか、トヨタ パブリカの全盛の頃のかなり古いスピーカーです。
口径はウーハーが30㎝、ツイータは8㎝。インピーダンスなど諸所のスペックは不明。
当初は薄汚れた状態でオークションに出品されていました。また残念ながら1個だけだったので、おかげで格安で落札できたのですが、見た目はコーン紙の破れ、目立ったフレームの錆や塗装はげなどはなく、磨けばよくなるんじゃないかと思い、きれいに拭き掃除してみました。
予想通りきれいになりました。フレームは艶のあるライトグレーに、磁気回路は大型の壺型のヨークに入ったアルニコと思われるマグネットで、形はエレガントにやや角度をつけた円柱型、しかもフレームよりも濃いグレーの縮緬塗装で、見た目は今風に言うとインスタ映えすること間違いなし(ちなみに娘に言っても相手にされない・・・)。あと磁気回路は結構重く、スピーカー自体は、かなり金がかかっているものと思われますが、端子が安っぽいのが少し残念。
ウーハーのコーン紙は少し柔らかめですが、触ってみるとかなり薄く軽いことがうかがえます。上下の動作も柔らかく、磁気回路部分の厚いプレートの様子から有効な磁束の範囲が広く、恐らくは短めのボイスコイルに軽いコーン紙と相まって能率はかなり高いのではないかと思います。現に裸の状態で鳴らしてみましたが、小出力の真空管アンプでかなり大きな音が出ました。
ツイーターは、磁気回路とフレームを砲弾型ヘッドライトのごとく円錐状のカバーで覆い、ウーハーの音を邪魔しないよう配慮。鋳造と思われる肉厚のアルミフレームに支えられた同軸構造を形成しています。ネットワークは、ウーハーのフレームの裏に隠れたコンデンサー1個で低域をカットしていますが、あまり高域は出ないと思われるものの、ウーハーとのつながりは至極自然でまさにフルレンジスピーカーのようです。
本当はこういうスピーカを使ってシステムを組みたいのですが、残念ながら1個しかなく、家にモノラルのシステムもないことから、きれいに磨いた後に倉庫にしまっておきました。オークションにまた誰かが出品されるのを気長に待ちたいと思います。
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