キング・クリムゾンの Red 50周年記念盤 が到着しました!
結局一番安かったタワーレコードで購入しました。
7,999円でした。
隣に写っているのは送料を無料にするための抱き合わせCDです。
CDはもう3周目を聴いています。
今回のリミックスは素晴らしいです!
40周年のときの記念盤のリミックス盤は音の細やかさはよく拾えているのですが、
生々しさが損なわれており、
ほとんど聴かずに、その前に出たリマスターだけを施した盤(※註1)ばかり聴いていました。
50周年記念盤の大きな特徴は、宮殿、戦慄、そしてこのRedと、
40周年の時に控えめにほどほどで我慢していたミックスが、
我慢することなく曲の格好良さを最大限表現することを追求したミックスと
なっていることです。
更に今回のRedのリミックスで特筆できることは、
ブラッフォードの独創的かつ繊細なドラムの表現が生々しく
伝わる点です。
ブラッフォードのドラム以外にも、
ミックスやマスタリングのソフトウェアやハードウェアを変えたのか?
と思えるくらい、全体に生々しさが戻っています。
今回と同じソフトウェア・ハードウェア、人、手法で、
全てのアルバムのミックスをやり直すことを強く望みます。
CD2の ELEMENTAL MIXES とTHE MAKING OF STARLESS も
ヘビーローテーション間違いなしです。
音の生々しさという点では、40周年記念盤の Tro Version には及びませんが、
このCDでは、素材をやりたい放題ミックスしていて、これが非常に楽しいです!
特に ELEMENTAL MIXES の「Starless」とTHE MAKING OF STARLESS の
「Starless - Basic Take」は素晴らしいです。
ELEMENTAL MIXES の「Starless」は、管楽器がこれでもかとうるさく、
特にインプロの部分はセンティピードの Septober Energy を彷彿とさせる
やりたい放題で、キング・クリムゾンの音楽であるなら、こちらを採用すべき
だったのでは、と思わせられました。
歌パートとインプロパートの間の長い退屈な繋ぎのバースも、
ブラッフォードの大暴れとメロトロンの効果音を大きくミックスすることで、
退屈させないものとなっており、これも、こちらを採用すべきだったのでは、
と思わせられました。
THE MAKING OF STARLESS の「Starless - Basic Take」は、
最後のコーダに尽きます。
コーダの主旋律を管楽器ではなく、フリップのギターで奏でています。
スタジオでもギターで録っていたのかと驚きました。
当時のライブでは常にコーダの主旋律はフリップのギターでしたが、
スタジオ盤では管楽器に代わっていました。
個人的にはこれが曲を台無しにしていると思っています。
「Starless」を初めて聴いたのはスタジオ盤でしたが、
地味なミックスな上に、長いインプロの後にようやく訪れたコーダが
迫力の無い管楽器での演奏で、なんでこんな残念なアレンジにしたのか、
甚だ疑問でした。
ところが、FMでピッツバーグのライブが放送され、
初めて「Starless」のライブバージョンを聴いたときに、
たまげました。
コーダをギターが猛々しく奏でていました。
凄まじい演奏でした。
曲が終わった後、しばらく茫然自失としていました。
音楽を聴いて茫然自失としたのは後にも先にもこの時だけです。
ここから本格的にクリムゾンにはまりました。
しかし、なぜこれだけの演奏をしておきながら、
スタジオ盤があのようになったのか、なお分からなくなりました。
ここで話を「Starless - Basic Take」に戻すと、
最後のコーダの主旋律をギターが奏でていて、若干お仕事的な
演奏ではありますが、やはりコーダの主旋律は管楽器ではなく
ギターが正解であると思った次第です。
クリムゾンファンならマストなアイテムです。
そろそろ老衰であちらに行きそうなファンもいるとは思いますが、
これを聴かずにあちらに行くと、未練が残り成仏できないと思います。
これを冥途の土産としてください。
※註1:
40周年記念盤のRedは当初、マルチトラックマスターが見つからずに、
止むを得ずマスターテープにリマスターだけを施し、発売されました。
これは素晴らしいリマスターで、「Red」(曲名)だけは、ブラッフォードの
ドラムの表現という点で、オリジナルLP盤を超えていました(関連記事)。
その後、マルチトラックマスターが発見され、改めて40周年記念の
リミックス盤が発売されました。
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