Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

北鎌倉探索 その2(八雲神社)

2015-10-04 23:24:47 | 鎌倉日和

円覚寺踏切を渡ったあとは、北鎌倉駅の下りホームに沿った狭い道を北上します。
横須賀線の車両は15両編成と長いので、しばらくの間はホームと並走です。

左手にはオシャレな工房などもちらほらと見受けられます。
どれも新しそうなので、ここ最近できたのでしょうか。



 



ホームが途切れるころには、小さな素掘りのトンネルが現れます。

看板が多く建っており、「落石注意」や「車両通行不可」と書かれている一方で、「貴重な文化財です」と書かれています。

この小さなトンネルは、今後の駅前再開発のため壊される予定ですが、相当に歴史のあるものでもあり、保存と破壊で意見が分かれていました。
しかしながら、訪問後の2015年の4月からこのトンネルは通行止めとなり、いよいよ開削されてしまうようです。

多少不便ながらも、ここにしかない景観に愛着を感じていた方も多いのではないでしょうか。
駅前という立地ながら、21世紀まで残されてきたことがすごいです。






トンネルを過ぎれば、また線路に沿った普通の道に戻ります。
右手に急な石段があり、高台に鳥居が見えたので、誘われるように登ってみると、八雲神社と呼ばれる小さな神社でした。

南西向きの明るい神社ですが、どうやら歴史は古いらしく、この地で疫病が流行した際に京都の祇園社を勧請したことにはじまると言われています。
そのため、江戸時代までは牛頭天王を祀っていましたが、現在は素戔嗚を祭神としています。
 

 



境内には本殿のほかに、もう一段高くなった場所があって、そちらの方が歴史が濃そうな匂いがします。

左手にある大きなクスノキは、太い根を露わにして、石段を押しのけるほどの生命力。
階段を上がった場所には摂社ほか、碑文がいくつか。






鳥居の左手には「安倍清明 神君」と書かれた立札があります。
この目の前には鹿島神宮の要石を彷彿とさせる大きな石が埋められていますが、これを「清明石」として祀っているそうです。

「清明石」は知らずに踏むと足が丈夫になると信じられてきた石で、昔は近隣の道路に埋まっていたと言われています。
またこの石は、故意に踏むと祟りがあるとも言われているそうです。

清明は安倍晴明のことだと言われているそうですが、この北鎌倉の地には清明にまつわる地がいくつか残されているのです。
平安時代中期の陰陽師として知られる安倍晴明が、なぜ鎌倉で伝説化しているのか。
またなぜ晴明ではなく、清明なのか。不思議です。

 



この神社にはさらなる文化財があるということで、一度境内を出て、清明石や摂社のある場所の裏手に回ります。
境内にはよく日が当たりますが、こちらは薄暗いです。

道路から伸びる細い路を入ると、切り立った岩肌にいくつかの石碑が並んでいます。






ここにならぶ石碑は庚申塔は寛文5年造立の鎌倉最古のものとして知られているそうです。

庚申塔とは中国道教に影響を受けた民間信仰です。
この信仰では、体内にいる三尸という虫が、60日に1度、身体から出て天に昇り、その人の罪を告げて寿命を縮めるとされる「三尸説」をもとに、
三尸が体外へ出るとされる日は、虫が外へ出ることができないように、儀礼を行うなどして寝ずに過ごしていました。
庚申の日の徹夜は、人々が集まって行われ、地域や共同体の講として発展しました。

塔を建てるのは、庚申講を3年18回行った記念に建てられることが多いようです。

各地域に根差した庚申信仰は多岐にわたり、庚申塔に刻まれているものも様々です。
例えば、庚申の「申」の字が猿に繋がるとして三猿が彫られたり、本尊である青面金剛という神を彫ることがあります。

庚申塔はある程度の歴史がある地域では簡単に見ることができるのですが、江戸時代前半のものは珍しいそうです。



 

 

庚申塔から先に進むと、本殿の手前まで戻って来ることができます。
西に目を向けると、富士山の姿も。

そのまま、階段を下りて北鎌倉駅へと戻ります。



北鎌倉の名もなき路散歩。
表通りを歩くだけでは出会うことのできない、隠れた風景たち。
また、禅寺のイメージの強いこの町に住む人々が紡いできた、小さな神々たちにも出会うことができました。

観光地で感じる普段の生活。

いつでもどこでも、人々は普通に暮らしています。

観光地図に頼らない、何に出会うかわからない散策も楽しいです。


北鎌倉探索 その1(路地裏)

2015-10-04 00:40:41 | 鎌倉日和



冬の寒さも峠を越した、2月の上旬。
日差しが少し暖かい平日の午前中に、のんびり鎌倉さんぽ。

今回はJR横須賀線、北鎌倉駅周辺を歩きます。

北鎌倉の有名どころの寺院といえば円覚寺に建長寺、浄智寺。
どちらも鎌倉五山に指定された格式高いお寺です。

平日といえども、横須賀線の車内は観光客がたくさん。
その半分くらいは北鎌倉の駅で降りました。

東京方面からは鎌倉中心部より北鎌倉駅の方が手前にあるため、多くの人は午前に北鎌倉から見てから鎌倉へ向かいます。
そのため、朝から北鎌倉は賑わっています。

有名な寺院は以前に参拝したことがあるので、今回は街歩きを楽しみます。
人混みを避けるようにして、駅舎から外へ出ると、目の前の鎌倉街道を横断して路地へ入ってみます。






鎌倉には、路地がたくさんあります。
路地の魅力は、表通りからその全貌が把握できないところです。

北鎌倉駅前から続くこの路地も、車は通ることのできない小さな路で、家々の間を縫いながら進みます。
生け垣や竹垣が美しいです。

観光地は周囲にありませんから、通るのは地元の人ばかり。
その落ち着いた雰囲気も素敵です。






路地の一角に、ぽつんと佇む石塔があります。
お供えもあるので、現在も信仰されているのでしょう。

のちに調べると、この石塔は「お茶ぶきさん」あるいは「お茶ぶき様」といい風に霊験のある神様だそうです。
そんな神様は今まで聞いたことがないので、地域に根ざす民間信仰なのでしょう。

風邪を引くとこの神様に祈って、治るとお茶をお供えするのが習わしだそうです。

辻に祀られる地蔵菩薩や道祖神とは異なり、路地に祀られるというのが珍しいですね。


 



路地を抜けると、神社へと続くゆるやかな上り坂に突きあたります。

住宅地ですが、非常に緑が多いです。
神社に突き当たると、道路は迂回するように神社の右手を回って奥へと続いていますが、ここでUターン。







神社は山仲稲荷神社というらしく、比較的詳細な鎌倉情報誌にも載っていない地元密着のお稲荷さんです。
こんもりとした塚のようになっていて、中央には朱色の社が建っています。

注連縄や手作りの灯籠などは真新しく、現在でも大切に守られていることが伺えます。

立地といい、雰囲気といい、小ぢんまりとしていますが非常に落ち着く場所です。







神社の前で振り返ると、鎌倉街道まで道が続いています。
宅地の木々が生い茂っているため、道に木陰を提供しています。

鎌倉街道南下して先程の駅前を通り過ぎて、円覚寺の境内に入ります。






円覚寺の入り口は鎌倉街道に面しており、参道両側には白鷺池が残されています。

池の表面に少しだけ氷が張っていました。



境内の途中に横須賀線の線路が横断しています。
明治時代に国鉄が横須賀軍港への輸送手段として横須賀線を敷設する際に境内は分断され、白鷺池も以前より小さくなってしまったそうです。

今となっては参道を列車が横断するこの風景も鎌倉のひとつの風景として私は嫌いではないですが。

踏切を渡って階段を上がれば、円覚寺の拝観受付。
今回は左に折れて、線路沿いの道を歩きます。

反対に右へ折れて線路沿いを進むと、明月院や建長寺へ至ります。




つづく


夜の江ノ電 江の島・腰越界隈

2015-09-29 23:13:06 | 鎌倉日和



夜の江ノ島を歩き終えたあとは、のんびりと江ノ電を眺めます。

江ノ電はゆっくりのんびり走るところが好きなのですが、観光客のいなくなった夜はもっとスローリー。
夕食時の混雑のピークを過ぎた後のレストランのように、穏やかで平和な雰囲気が漂っています。






普段は賑やかな江ノ島駅も、静けさが漂っています。

列車はこの駅ですれ違うので、基本的に15分に1本電車が来ます。







踏切内が道路の交差点と線路が分岐点になっています。






鎌倉方面行きの2番ホームには人の姿が見えません。

日中は多くの人が利用するためにベンチがいくつも並んでいますが、今日は選び放題です。







列車の到着が近くなると、ホームにちらほらと人が集まってきます。






駅の鎌倉側には留置線があって、車両が停まっています。

左手に伸びるのが本線です。

江の島駅は江ノ島電鉄の本社が隣接するためにターミナル駅となっています。




2番ホームに江ノ電古参の300形がやってきました。
抹茶色の躯体と、小さな前照灯が可愛らしいです。

藤沢駅から帰宅する人が多いのか、車内はほどほどの乗車率です。





1番ホームにはレトロな20形がやってきました。

車内はがらがらです。


今度は少し歩いて、併用軌道を眺めに行きます。





江ノ電は江ノ島駅を出ると、道路に飛び出して、腰越駅付近まで商店街の真ん中を走ります。

江ノ電が道路に出る場所は交差点になっていて、複雑。
列車が接近すると、踏切のように警報が鳴ります。







腰越駅方面から列車がやってきました。

夜間は車通りが少なく、江ノ電のひとり占め状態です。






江ノ島駅で列車の交換があるため、しばらくすると鎌倉行きの列車も通ります。






交差点には江ノ電の運転台が組み込まれたお店があります。
「江ノ電もなか」を販売する扇屋さんが、引退した車両を江ノ電から寄贈してもらったそうです。

今も、現役で走る江ノ電を見つめています。








江ノ島駅の手前で、路地へと入っていく江ノ電は見ごたえがあり。

最初に左に大きくカーブして、次は右にカーブして路地に吸い込まれていきます。


夜の江の島散歩

2015-09-28 20:29:20 | 鎌倉日和



江の島といえば、老若男女が訪れる一大観光スポット。
休日ともなれば参道は多くの観光客で溢れかえり、江戸時代にも負けず劣らずの盛況です。

そんな江の島も、夕方以降は比較的静か。
神社や土産物屋さんは閉まってしまいますから、多くの人は夕日を見るか見ないかの時間に帰ってしまいます。
そのため、見物する場所は少ないですが、ゆっくりと島内を散策するには最適です。

普段とはちょっと違ったすがたを見ることができるはず。



山頂付近や稚児ヶ淵で見る夕陽を序章にして、散策を開始します。







江の島は起伏の多い土地なので、日が沈むと山に隠れた東側の地域や、谷となっている場所ではすぐに暗くなります。

参道に並ぶ土産物屋さんも店じまいを始めて、観光客は本土へと帰っていきます。









階段の多い島内の参道には街灯が設置されているので安心です。
行き先をぼんやりと照らしてくれます。

街灯にはトライフォース・・・いや、北条氏一門の家紋である三つ鱗が黄緑色に点灯しています。


「江ノ島灯籠」の季節には街灯に加えて、道端には点々と可愛らしい灯籠が設置されています。

三つ鱗はもちろん、江ノ島の伝説に基づく、天女や五頭龍が描かれた灯篭もあります。








宵の江の島さんぽのお楽しみ。
それは黄昏時の短い間に浮かび上がる、富士山のシルエットです。

江ノ島弁天大橋や稚児ヶ淵から眺めることができます。

天気が良く、空気の澄んだ日にしか見ることができない特別な風景です。
霞んでしまったり、天気が良くても、山に雲がかかってしまったりとなかなか思い通りに見ることはできません。







もうひとつは月。
月が出ると、行く先を優しく照らしてくれるので、絶好のお散歩日和です。

江ノ島では山の月と海の月、両方見ることができるので贅沢です。
木々に隠れた月も風情がありますし、月光に照らされた海も幻想的です。


中津宮手前にあるデッキは絶好のお月見スポット。
鎌倉方面から出てきた月は、ヨットハーバーを明るく照らしています。


このように、自然条件によって印象も変化するので何度訪れても楽しむことができます。










参道商店街の末端であり、江島神社の入口にあたる瑞心門付近から散策を始めます。

まっすぐ行くと、江島神社の辺津宮、左に行くと江ノ島エスカー乗り場と頂上(灯台)方面への階段、右は頂上を通過せずに奥津宮や稚児ヶ淵方面へと向かう下道です。
この辻には交番もあります。

今回は、辺津宮には行かずに左に折れて階段を登ります。
ここからいよいよ山道です。







階段を少し登った場所から、児玉神社への参道が伸びています。
この参道が実に不可思議で、境内を半周した後に本殿へと辿り着きます。

長い参道の先には神社しかないので、日が暮れると通る人は誰もいません。
もちろん、社務所にもすでに閉まっているため、静かです。

この神社は軍人・児玉源太郎を祀った神社になっています。







児玉神社の参道入り口まで戻って、もう一度階段を登ります。
階段の途中で、左斜め後ろの方向へと伸びる道があるので、そちらに行ってみます。


参道を逸れて、生活感のある路地です。
階段を登りきると、視界が開けてヨットハーバー方面が俯瞰できます。
ここから階段を下っていくと、住宅地へと入っていくようです。



江ノ島は大きく分けると、江島神社の境内を中心とする山間地域、商店街や島民の住宅地からなる生活地域、戦後埋め立て増設された地域の3つにわかれています。
今から進む先は、旧来の住宅街が立ち並ぶ生活地域と、戦後埋め立てられた地域です。

国土地理院HPの「地図・航空写真閲覧サービス」などで、昔の江ノ島の姿をみることができます。




階段を下っていくにしたがって、家々から夕飯の匂いが漂ってきます。
島の人だからか、焼き魚のような匂いもします。


住宅地を抜けると、左手にどこにでもありそうな広い公園がありますが、ここは聖天島公園と言って埋め立てされる前は島だったようです。
公園内には島の上部が残されているそうですが、少し柄の悪い人たちが公園内に集っていたので見学は断念。

埋め立て部分を東の果てまで歩きます。









東端には県営駐車場が完備されています。
駐車場の中を通り過ぎて、桟橋へと上がります。

300mはあるかと思われる桟橋はベンチと「健康散歩道」と銘打った足つぼが完備されています。

目の前は海ですが、夜なので何も見えません。


さざなみを聴きながら、足つぼとは少し不思議ですが、人も少ないので休憩するには最適です。


先端には可愛らしい湘南港灯台が建っていて、その周辺では夜釣りをしている人も多いです。
燈台の下に腰を下ろして、釣り人を眺めるのもなかなか。








桟橋を降りて、先程の住宅地を歩きます。
普通自動車は通ることが難しそうな住宅街が、微妙なカーブを描いて続いています。

商店や、民宿もあるので比較的明るいですが、歩いている人は少なく、もっぱら出会うのは猫たちです。








家と家の隙間からひょっこりと現れては何処へと消えていく猫。
江ノ島は猫のたくさんいる島としても有名で、結構猫目当てで訪れる観光客もいるそうです。

以前にねこが急速に減っているとの噂が流れていましたが、元気そうで何よりです。







餌をあげている家や、飼い猫もいるようで、たばこの自動販売機の前は彼らの溜まり場となっていました。

人馴れしている猫もおり、興味津々で近寄ってきます。
興味無さ気に寝ているねこもいます。

気まぐれです。








江の島をちいさく一周したあとは、江ノ電の江ノ島駅へと歩きます。
弁天橋を渡って、小田急の竜宮城の駅舎を横目に徒歩15分。

相変わらず、月が明るいです。







江ノ島駅は夜間はライトアップ。
日中の喧騒はどこへやら、と言った感じで、ホームに人はいません。

目の前を通り過ぎて行く2両編成の短い列車も、空気ばかり運んでいるようです。
普段とのギャップに少し寂しくなったりもします。


鎌倉・湘南海岸 その2

2015-09-27 22:26:24 | 鎌倉日和


鎌倉と湘南の海がもっとも美しい時間。
それは夕暮れ時ではないかと思っています。

日が西に傾き始めると、空の色がじんわりと暖色へと移ろいでいくと同時に、水面がきらきらと輝きます。

日が暮れるまでの時間、刻々と色を変えていく空が切なく、また愛おしいのです。




鎌倉の材木座から、由比ヶ浜、稲村ケ崎、七里ヶ浜、小動岬、江ノ島、片瀬海岸と6kmほどの海岸線。
そこから眺める景色は甲乙つけがたいものです。

ゆっくり海岸線を歩きながら自分のお気に入りの場所を見つけるのもいいかもしれません。

(今回の撮影地は江の島弁天橋・稲村ケ崎・材木座の3ヶ所です)




稲村ケ崎です。

波の穏やかな日は、海面が太陽に照らされて光り輝きます。
夕方になると、サーファーの人も少なくなって、少し寂しげな雰囲気です。

海岸には砂浜に座ってぼーっと海を眺める人や、カメラを構える女性の姿もあります。






さらさらと押し寄せては引いていく波の音だけが聴こえます。

日に照らされて黄金色になった波と泡は発泡酒のようでもあります。






はるか沖合に目を移すと、遠くに浮かぶ伊豆大島。

それ以外は何もありません。







江の島周辺では釣り人の姿を見かけます。

右手に見えるのは江の島にある湘南港灯台。
桟橋の先端に建つ小さくてかわいらしい灯台です。

その背景には伊豆半島が横たわっています。






江の島に渡る弁天橋からは天気が良ければ富士山が姿を現します。
よく訪れる私でも、富士山が見えると嬉しいものです。

漁船が沖へ向かって出発していきました。








ところかわって材木座。
街に近いこともあって、散歩をしている老人も見かけます。

鎌倉を流れてきた滑川の下流付近では、水面に空が映し出されて印象派の絵画のよう。
撮影した画像を見ても、本物の空のようです。







雲の多い日も、味があります。

材木座は海岸がほぼ西側を向いているために、太陽が目の前を沈んでいきます。







漂うヨットと馴れた足で海岸を散策する老人。

生業としてではなく、プライベートとしての海の関わり。







ヨットの方は絵に描いてくれと言わんばかりにいい位置で漂っています。

海上からの眺めも気になってしまいます。







もういちど、稲村ケ崎にやってきました。
江ノ電の駅から歩いていくと、空を背景にした信号機があります。

信号はいつも背後に続く道を背負っていますが、ここの信号の後ろには海と空しかありません。







夕日が今、沈もうとしています。
ちょうどよく雲も途切れて、背後を走る江ノ電や自動車をオレンジ色に染め上げています。

すでに海岸に人の姿はなく、海岸に降りる階段付近に数人の旅人たちが座っています。







湘南では太陽は伊豆半島へ沈んでいきます。

江の島の展望灯台、シーキャンドルから眺める夕日もまた美しいです。






夕日が沈んでも、しばらくのあいだ暖かい余韻を残していきます。

海が蒼く、冷たい色に変わってしまう前に帰るとしましょう。



鎌倉・湘南海岸 その1

2015-09-27 02:54:35 | 鎌倉日和


湘南の海は入るには少々濁っていますが、眺めるのには最高の海だと思っています。
新宿から小田急線で1時間ほど揺られれば着いて、ぼんやりと眺めることができる。
ここまで手ごろな海はないのではないでしょうか。



私の思う、湘南のいいところその一。
東京湾のように工場やタンカーなど産業を彷彿とさせる景色が皆無であること。

三浦半島が海洋に突き出している影響で、東京湾に出入りする大型船やタンカーははるか沿岸を通っているために見えないのです。
海に浮かんでいるものといえば、ヨットか小さな漁船くらいなもの。
とてものどかな風景です。


その二。
江ノ島や富士山、烏帽子岩といったアイコンがあること。

全く何もない自然風景というのも、拠り所がなくて飽きてしまうというもの。
湘南の海には浮世絵にも描かれた江の島の不可思議なシルエットをはじめとして、目を引くものがいくつかあります。

順光であったり、逆光であったりと季節や時間によって見え方が変わり、周囲の海と合った、ここだけの風景が見られることも重要です。


その三。
訪れるたび、空の色や雲のかたちが異なることを気付かせるほどに視野が広い。

先述したように江ノ島や、適度に突出した崎はあるものの、基本的に見えるのは海と空。
いつ来ても波の荒さとか空の色とか、以前と異なる景色に出会うことができます。

日常ではなかなか気づくことのできない自然界の色や音に敏感になることができます。



そんなこんなで、私の好きな、湘南の海の紹介をします。






海と江ノ島と富士山がセットで望むことができるのは稲村ケ崎。
突き出た崎の西側は公園として整備されており、ゆったりとした時間の中で海を眺めることができます。

ただし、トンビが多いのでお弁当を広げるのには向いていません。

富士山はなかなか都合よく現れてはくれませんが、空気の澄んだ冬場の朝夕にはよく見えます。





晴天の日は月もみえたりします。







街灯にはいつも鳥がとまっています。
日によってトンビだったりカモメだったり鳩だったり・・・






波の強い日はまるで北斎の絵画のよう。
激しい音を立てて押し寄せてきます。

基本的に海岸の砂浜には降りることができるのですが、危険で降りられない日もあります。







江ノ島のある西側に目を奪われがちですが、東には葉山の街が見えます。
三浦半島が奥の方まで続いています。




小さな川が海へと注いでいます。
砂浜を流れる川の水はとても澄んでいます。




じわじわと日が傾いてくると、砂浜の彫が深くなってちょっぴり荒野のようでかっこよい。
空の色が、なんとも言えない不思議な色へと変化していきます。

 

 その2へつづく


児玉神社 狛犬

2015-05-12 23:31:39 | 鎌倉日和

 


江ノ島の隠れた神社である児玉神社。
参道商店街を登りきったあと、江島神社の大鳥居からまっすぐ参道も登らず、エスカーにも乗らず、左手の階段を登っていく途中に石鳥居と看板があります。
ここが児玉神社の入り口で、観光客は見向きもせずに通り過ぎていきます。

鳥居の先にある木々に囲まれた長く細い参道をしばらく歩くと、社殿に着きます。
最初の鳥居をくぐるときは北を向いていたはずが、社殿に着くころには南を向いているという不思議な構造です。

この児玉神社は1921(大正10)年創建の神社で、御祭神は児玉源太郎(1852-1906)です。
陸軍参謀であり、台湾総督でもあった児玉の功績をたたえて創建されたといいます。

神社の設計を担当したのは伊藤忠太です。

 





この神社で特徴的なのは狛犬。
狛犬と獅子はどこの神社でも必ずいるものですが、ここの狛犬は少し仕様が異なるのです。

まず、どちらも口がぽっかりと空いています。
そしてその口の中を覗いてみると、玉が入っており、転がすことができます。




初めに見たときは驚きましたが、
この狛犬は祭神が台湾総督として台湾の近代化に尽くした経緯から、地元から寄贈されたもののようです。

台湾ではメジャーなのでしょうか。
日本でもいくつかの神社に残っているようで、大変不思議な狛犬です。


それにしても、ころころと転がすのは楽しいので是非体験してみてください。


新江ノ島水族館

2013-02-02 01:12:53 | 鎌倉日和

 

江ノ島を目前にした湘南片瀬海岸にある新江ノ島水族館は2003年開業した比較的新しい水族館です。
以前まで同地にあった江ノ島水族館の老朽化のため建て替えられました。
江ノ島水族館自体の歴史は古く、開業は今から約60年前に遡ります。

今も昔も湘南江の島観光コースの一部となっており、人気があります。

イルカショーや通常展示のほかに、
ナイトツアーなどのイベントも活発に行われており飽きることがありません。

また、近年全国で人気のあるクラゲ展示も開館当初から力を入れており、
季節ごとに照明でクラゲを演出するショーも行っています。


展示は相模湾の生物を中心で、大水槽の周りをスロープ状に下っていく構成。
深海生物や有人潜水調査船「深海2000」を紹介した深海展示も魅力的です。
また、2階のデッキは相模湾に面しており、江の島や富士山を望むことができます。


入館料は2000円と高めですが、
春休み期間には学生一律1000円になる学割を毎年行っているのでその期間がおススメです。

 

 相模湾の水槽に何やら集団で蠢く生き物が・・! 

 相模湾大水槽は吹き抜けになっていて迫力があります

 色とりどりの水槽 

 大水槽の一部
天井をエイが優雅に泳ぎます

 深海生物の展示は暗いですが不思議な奴らに出会えます

 クラゲファンタジーホール
クラゲ専用の展示空間です

 ゆるかわタコクラゲ

 脱力系シーネットル

 集団ぽむぽむブルージェリーフィッシュ

 華麗な触手に毒があるアカクラゲ

 暖かい海の展示にはチンアナゴがいます
一匹で寂しそうです

 

訪問日・2012/7/1


和田塚

2011-12-22 22:00:08 | 鎌倉日和


江ノ電の鎌倉駅からひとつ目は和田塚という駅です。
片面の小さなホームのこの駅の名は近くにある塚の名前からとられています。


駅を降りて右、海側に歩いてほんの少しで和田塚に到着です。

 





道とは少し高くなった場所に立つ和田塚。

由来は平家打倒を目論む以仁王の令旨に応え1180年頼朝が挙兵した時にも頼朝に従い
鎌倉での政治体制を整えた時には侍所別当にも任命された和田義盛です。

 





彼は頼朝の死後に北条氏と対立し
1213年、乱を起こしますが敗北してしまいます。
これは和田合戦とも呼ばれます。


この塚はその和田合戦で滅亡した和田一族の墓だと言われています。


明治期にここから大量の人骨が発掘されたために推量されたのだそう。
和田一族の墓と裏付けるものはないそうです。


しかし埴輪なども発掘されているので古墳ではないかという説が一般のようです。

 




公園のようになった高台には和田塚のほかに戦没者慰霊碑も並びます。


 

 

 


江ノ島岩屋

2011-05-11 17:03:07 | 鎌倉日和

 

湘南の海に浮かぶ江ノ島の最果てに
江ノ島岩屋という波の浸食によりできた洞窟があります。
(カップル多し)



その歴史は古く、江戸時代の浮世絵にも描かれております。

 




岩屋へと続く橋を渡り切り、入場すると導入部。

ごつごつとした壁に江ノ島岩屋のあれこれが紹介されている。

 





突き当りは空洞になっていて左が第一岩屋、
左に行くと第二岩屋へといけます。

勿論、第一岩屋の方が大きいです。


第一岩屋はいつも、蝋燭を渡されてそれを持ちながら歩くという
ちょっとした冒険気分を味わえるのですが
今回GWのため中止してました。

 





奥に行くほど狭くなる・・・


たまに天井から水が垂れています。


 





しばらく行くと分れ道。

まあどっちも先は行き止まりなのですが、
左から行くよう促す看板があるので左から。

 

 

岩屋内には石像が展示されていて
気になりますが混んでいるのでなかなかじっくりとは見れません。


 



一番奥は柵になっている―・・・

さてその先は富士山へと繋がっているという伝説があります。


実はOOと繋がっているという伝説がある洞窟というのは多くありますが
そういうことを考えてしまうくらい地下世界とは不思議な場所です。

 

 





ひととおり見て
先ほど来た道を戻る。


行き止まりというのが少し残念。
海蝕洞窟だから仕方ないが・・・

 




階段を登り
第二岩屋へ・・・

 




洞窟の外には
空と海が―。

私もこれから空海と名乗ろうか。

 

 

第二岩屋まではすこし離れているので
橋を渡って行く。

 

 

 
洞窟というものも
ここでは大人気。

やっぱり洞窟は静かな方がいい・・

 

 

 

 明るい洞窟を進みます・・・

 

 

 そして一番奥に待ち伏せている者は
龍・・・・

 




しかし
龍がニュータイプになっていた・・・!!

4年前に来たときはもう少し阿呆な顔をして、柵の中にいたような気がする^^

 

 
内部で分岐する第二岩屋。


しかしこれが波によってできたと思うと
すごいなと思う。


洞窟というのはすごい。
鍾乳洞にしろ海蝕洞にしろ大自然をかんじる。

感動してしまいます。

 

 


鍾乳洞の神秘や人工洞窟の無機質さがないので
なんだかちょっと物足りない気分。


洞窟の良さを他の人にも感じてもらえるのは嬉しいが
この洞窟はかなり混んでいて
ゆっくり異空間を楽しむには向いていないです。

しかし湘南・江ノ島に訪れた時には
おまけに入ってみるのもいいかもしれません。


私みたいなひっそり形洞窟が好きな人は
大船の田谷洞窟をお勧めします!!


 


 




この階段は何のため―?