2014年7月20日から29日まで、「G博 ゴジラ東京に現る」が開催されている。
場所は渋谷ヒカリエ。
大阪会場はあべのハルカスで行われるらしいから、東西の最新の高層ビルを制覇するわけである。
とはいえ、
今年は米版「GODZILLA」が全世界で大ヒット、日本上陸。
それからオリジナルゴジラも60周年ということでこの夏はゴジラが熱い。
多くの関連書籍が出版され、展覧会も企画されている。
名古屋ではナナちゃんがゴジラに掴まれ、六本木では上半身のゴジラが芝生で暴れていたりもする。
現役で映画館に通っていた頃より、多くの出会いに恵まれて嬉しいものである。
生誕50周年にして最終作品となった「GODZILLA FINALWARS」からもう10年経ってしまったのにも驚きである。
今展覧会は新作「GODZILLA」関連と特撮絵画の巨匠・生範義と開田裕治の原画を中心とした展覧会。
それほど規模の大きくない展覧会ではないものの、場内に流れる怪獣大戦争のマーチを聴くと気分が高揚する。
子供の頃には怪獣の出てくるシーンを待ち望んで鑑賞していたものだが、今になって定期的に観なおすと理解や関心の深まる特撮映画。
もちろん、その頃と同じで怪獣が好き。
再現された各時代のゴジラの頭部の展示ではそれぞれの顔と目を合わせてしまう。
通称「モスゴジ」と呼ばれる、「モスラ対ゴジラ」で登場したゴジラは悪党顔でいい。
以降の昭和作品ではちょっと阿呆づらになってしまうから残念。
今展覧会では撮影可能コーナーがあり、ゴジラの撮影ができる。
スポットライトに照らされていたのは「ゴジラ 2000-ミレニアム-」に登場したミレニアムゴジラ。
サンゴ礁が進化したような背びれが特徴的で、前傾姿勢と言い横に裂けた大きな口と言い海中が似合うゴジラである。
ちょっとカッコよくし過ぎて、私はあまり好みではない。
でも、カッコよさは照明が当たると5割増しだなあ。
日本で製作されたゴジラ映画はすべてで28作品。
一匹目のゴジラは原水爆が生んだ悲劇的生物なのである。
その後、各時代を反映した作品が製作され、時には人間に飼われたり、アクション専門になったりもする。
1954年、当時の最先端を行く技術とメッセージを送り出したゴジラはいつの頃からか、時代を追いかけるようになってしまった。
そして2004年以降、ついに日本人はゴジラの存在する意味を完全に見失ってしまったようである。
ゴジラの上陸は人類への復讐ではなく警告であったと思う。
何度も日本に上陸したゴジラはその度、放射能をまき散らして去っていく。
我々は再びゴジラの警告に耳を傾けなくてはならない。
ゴジラは破壊神ではなく、荒魂だろう。
民俗学者・宮田登が指摘したようにゴジラは再生と復興をもたらす。
肝心なことを気付かない人類の為に、ゴジラは幾度も日本にやって来るのである。