富士山が世界文化遺産になって早幾年。
東京から中央高速道路で2時間弱、富士吉田市は今もむかしも富士登山の玄関口です。
ここは江戸時代に隆盛を迎えた富士山信仰の中心地ともいえます。
富士吉田市歴史民俗博物館は「ふじさんミュージアム」にへとリニューアルし、より歴史文化的側面から富士山に親しめるようになりました。
今回目指したのは北口本宮冨士浅間神社。
もちろん富士山文化遺産を構成する遺産のひとつ。
この神社は河口湖と山中湖を結ぶ国道138号線沿いにあるため、目の前を何度か通る機会がありました。
車窓から見える荘厳な参道を眺めつつ、いつか訪れたいと思っていました。
なんといっても印象的なのはこの参道。
杉の大木に覆われた昼なお暗い雰囲気は、山奥の古刹を彷彿とさせます。
はたしてここは神社なのかお寺なのか、わからなくなります。
それもそのはず、日本武尊の伝説を起源に持つこの神社は、古くは遥拝地、富士講などの隆盛により登山が一般的になると北口の信仰の中心地として栄えました。
かねてから信仰も篤く、権力者や講によって造立が重ねられた境内の建造物は神仏分離以前の雰囲気を色濃く残しています。
参道から随神門、神楽殿、本殿と建造物が一直線に並ぶ配置は見事で、そのどれもが指定文化財。
本殿をはじめ多くの建築物が近代以前のもので、国指定重要文化財。圧倒的な存在感があります。
存在感といえば、冨士太郎杉と呼ばれる杉のご神木。樹齢は1000年を超えるといいます。
境内の様々な摂社末社を抜けた先に登山門と呼ばれる鳥居が建っていて、富士吉田登山道の入口になっています。
麓から登ることのできる唯一の登山道。なるほど富士山頂と直接結ばれたこの神社は、まさに富士登山インフォメーションなのですね。
清々しい霊気に満ちていました。
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国道138号線沿いに位置し、道路沿いからも杉並木の長い参道を眺めることができます。道路を挟んだ場所に無料駐車場もありました。
まっすぐに社殿へと続く参道。石灯籠と杉桧が整然と並んでいる様は荘厳な雰囲気。木々に遮られて、日差しはほとんど入ってきません。
苔むした石灯籠が社殿へと誘います。参道右手には富士講の開祖とされる長谷川角行ゆかりの角行石も。
250mほどの参道の先にある木造日本最大の大鳥居。社叢の緑とのコントラストが美しいです。
随身門をはじめ神楽殿や手水舎、拝殿、本殿など境内の多くの建造物が国重要文化財に指定されています。
江戸時代に建造された建築のため、神仏習合の名残が多く残っているのが特徴です。