嵐電の蚕ノ社駅を降りて住宅地を歩く。
住宅街というのは何処でもあまり変わらないのだろうか、
急に京都にいるという感化かなくなってしまう。
しばらくすると背後に森をたたえた大きな鳥居が現れた。
これが蚕ノ社、正式名称は木嶋坐天照御魂神社だ。
忽然と現れたその森は想像以上に深くまた、濃い。
木の上では鳥たちが鳴いていて心地よいどころか少し怖い。
神秘的という言葉がふさわしい場所。
住宅地に取り残された異世界だ。
境内奥には竜安寺の石庭に勝るとも劣らない長い歴史の闇に隠されたミステリースポットが存在する。
境内左手に位置する“元糺の池”に目をやると不思議なものがぽつねんと建っている。
神社でよく目にする鳥居だ。
しかし何かが違う。
普通、鳥居の柱が二本であるのに対しこの鳥居は三本あるのだ。
一体何故・・・・
境内の神秘的な雰囲気、それを通り越して妖しい雰囲気はこの鳥居から出ているだろうか。
鳥居とは神域を現す門だ。
それが何故三方を向いている・・・!?
三角形が何か関係しているのか・・・
それでも鳥居は何も語らず、只々異様な雰囲気を醸し出している。
謎に満ちた鳥居、私は何らかの
パワーがあの池の中心から三方に放たれている、そんな気がしてならない。
嵐電はついに終点の四条大宮駅に到着。
目の前の四条大宮の交差点を車が途切れることなく走っている。
嵐電での小旅行もこれにておしまい。
パンパンのコインロッカーを開けて本日の宿泊地がある東山へ。
バスで四条通をまっすぐ行こう。