暮らしのなかで

ポメラニアンと共につぶやいています。

なぜ秋の空は移り気なの?

2024-09-22 04:08:49 | 暮らしの中で


秋分の日です・・・・そもそももどうして、『男心と秋の空』『女心と秋の空』という風にいうのでしょうか?
秋の空は、空気も澄んでおり、清々しい青空が広がります・・抜けるような青空を秋晴れといったり、『天高く馬肥ゆる秋』といたり、
これは、夏の太平洋高気圧で湿った空気中の水蒸気に光が乱反射して白っぽく見えるに対し、秋は移動性高気圧の乾いた空気のため
澄み渡り、いつもより上空の雲までよく見えるからです、だから、秋の月が美くしく見え、お月観も最適な時季なんですね・・

ところが、低気圧と高気圧が日本の上空を交差に通るため、お天気が変わりやすのもこの時季の特徴で、これを代わりやすい人の
心になぞらえ、『男心と秋の空』『女心と秋の空』かというようになりました。
男心と秋の空の諺が出来たのは江戸時代、当時は既婚女性の浮気は命を落とすほどの重罪でしたが、既婚男性の浮気には寛大だった事も、
移りきなのはもっぱら男性だったのです・・・また、若い娘に男性を警戒するよう戒めたり、振られた際の未練を断ち切る慰めにも使われ、
江戸時代の俳人小林一茶は『恥ずかしや俺が心と秋の空』という俳句を詠んでいる・・・
それ以前の和歌でも男心は移ろいやすいものとして扱われ、室町時代の狂言『墨塗』に『男心と秋の空は一夜にして七度変わる』という・・
有名なセリフがあります。

では、女心と秋の空と言われたのはいつごろでしょう・・・明治時代の尾崎紅葉の小説に『三人妻』に『男心と秋の空』が出てきますが・・・・
『女心と冬の風』ということで強風や弱風に変化しやすい冬の風を女心にたとえたもので、この頃から変化の兆しがみえ、愛情に限らず
喜怒哀楽の感情の起伏が激しい事や物事に対して移り気なことを示しており、男心とは少しニュアンスが違うようです・・
昭和に入って時除々『女心と秋の空』も定着していきますが、異性の変わりやすい心の意に用いられており、男女が入れ替わったり意味が微妙に
違ったり、この言葉自体が『秋の空』のようにですが『秋分の日を迎えて季節の歳時記』を綴ってみました・・・


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