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カール・ポラニー 「大転換」を読む

2022-05-24 08:06:07 | 政治
いま、カール・ポラニー著 「大転換」という大著を読んでいます
これも古典の名著と言われるだけあって、大変難解な書籍です。歴史的記述が多くて、分からないところを調べたりするのが大変そうです
西欧諸国の植民地支配や帝国主義と国際金融資本のかかわりについて触れていることから
なぜかは分かりませんが、ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」に挑んだことを思い出しました
まあ、この本はさすがにアーレントの書ほど難解ではなさそうですが

こんな古典で、500ページ以上もある大著をなぜ読もうと思ったのか?
それはある人が、このポラニーの大転換を紐解いて、新自由主義派の経済学者を徹底批判していたからです
確かに、新自由主義の理論には理想論的な部分が多く、その弊害も大きいことは確かなのですが
だからと言って、経済を政治がコントロールするのが良いのかと言うと、それは加減の問題であって
政治にも経済にも、左右の両極端を排した中道と言うものがあるのではないかと思うのです
私はまだ、さわりの部分しか読んでないわけですが、まえがきと、序文がまとめのようになっているため、そこを読みつつ
そして第一章から読み始めているわけです

ポラニー自身の言葉によると、この書籍はピーター・F・ドラッカーが出版にとても協力してくれているそうです
ただ、ドラッカー夫妻は、ポラニーと見解がまったく異なっているそうで、私としては、そこが一番気になっている部分なのです
ドラッカーの見解が、ポラニーの見解とどう違っているのか?そこは個人的にとても興味があります
読む前に結論を言うのはおかしいかもしれませんが、ドラッカーも、ハイエクやアーレントらと同じで
「自由の価値」ということをとても大切にしているので、権力による自由の制限は、できる限り排除すべきという考え方だと思います
ドラッカーもハイエクも、全体主義と戦った思想家ですし、アーレントも、ユダヤ人でありながらナチスの全体主義の研究者です

誰かが新自由主義思想について、このような感じのことを述べてました、これは私の意訳ですが

「新自由主義思想に基づく政治で一番大事なことは、それが”植物を育てるのに似ている”ということだ。植物に命令したり成長を制限したりすれば、植物はいびつになったり枯れたりするが、育成者は植物がどうすれば一番よく育ってくれるかを考えて、適度な肥料を与えたり除草をしたり水を与えたりして、植物自身が一番よく成長する方法を模索する。政治もそれに似ていて、国民が一番よく成長するにはどうすべきかを考えて、国民自身の力によって、一番よく伸びる方法をこそ考えるべきなのだ。」

私も全く同感なのです
ポラニーの思想は、国際金融資本、つまり今でいう金融系のディープステートが、”自分たちの利益のため”に新自由主義思想を利用している
「自由こそ理想なのだ」というお題目の下に、自分たちに都合の良いルールを定めて富を集め、場合によっては戦争まで引き起こす
ということなのでしょう、その点、ポラニーの思想には非常に納得すべき点があると思うし、同意もするのだけれども
でも、それでも、私はやはり、政治の要諦は、「育成者が植物を育てるように、植物自身が伸びる力をこそ、最大限に引き出すべき」
だと思うのです
ここはどうしても強調しておきたかった部分です。。。。

いま、与党野党を問わず、財政出動を増やすことが大流行していますが
もしかすると、余分な肥料を与えすぎて、根まで腐らし始めていませんか?という事は言っておきたいのです
植物の根は、適度な飢餓状態の下で大きく広がっていきます
自分で栄養を取ろう、と思う植物自身の意欲によって、根が大きく広がり、しっかりした土台になっていきます

ドラッカーが経営学を教えていたのはなぜかと言うと、根自身が”自身の力で伸びる方法を教えていた”のだと思います

ポラニーとドラッカーの思想的な意見の違いは、この辺にあるのではないかと予想して、これから本格的に大転換を読んでまいります

コメント
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