ゼロリスク症候群の弊害ですねぇ。
一例でも「ワクチンの副反応による死亡」が認定されると、極端な話、たとえそれが1億分の3でも「危険!有害!政府は俺らを殺す気だ!」になってしまいかねないのが日本ですから。
例えば、コロナ流行以前、脳出血やくも膜下出血で死亡する人が1日平均で約123人であった、などという情報は常識であったとは言えないわけで。3日間なら単純に考えて370人ですね。
最近の接種数は1日あたり60〜70万回くらい。単純計算で1日1〜2人くらいは接種後3日以内に脳疾患で死亡する人が出る計算です。
で、これまでに接種後196人が死亡とありますが、本格的な接種が始まったのが5月の連休以後ですからおおよそ50日程度。ざっくり、1日あたり4人が「接種後死亡」となる勘定です。脳出血・くも膜下出血による推定死亡数を差し引くと1日2〜3人。他の疾患による死亡者、交通事故等病気によらない死亡などを考慮すると、非常に微妙な数字です。
その辺、ワクチンの副反応が原因かどうかの切り分けができなければ、不明と分類する以外の方法は多分ないのですが、そこを理解できるかどうかでしょうかね。
例えば、脳血管に問題を抱えている(数年〜十数年後に脳血管障害を起こす可能性が高い)人がワクチン接種を受けた場合に脳出血を起こす可能性が若干上昇する、という事例があると仮定して、では脳ドックを受けている人が国民全体のうちどれほどいるか(特に、20代30代だと定期検診で人間ドックを勧められることもほとんどない)と考えると、潜在リスクの評価も大変困難と言わざるを得ないです。
1番困ってしまうのが、「いくら確率が低くても、自分がその1人になるのは嫌だ」と6000万人が判断してワクチンを拒否した場合、集団免疫戦略が崩壊しかねないことでして。
ワクチン接種拒否が、安全側に振り過ぎるとかえって危険、という模範例にならないといいのですが。