今日は父の日。
前の月曜に検査に付き添うため帰省したとき、前もって父の日のプレゼント、体組成計を渡していた。
なので私の中では父の日のイベントは終わったことになっていた。
しかし。今日午前十時頃、父から電話が入る。
松山から自転車に乗り、33号線の三坂峠を越え、現在面河の御三戸まで来たところだと言う。
???
何を言っているのか最初理解できなかったが、次の瞬間、またやらかした・・・と思った。
朝3時に家を出て、その足でここ、高知の我家を目指したのだ。
76歳のじいさん(父)が・・・。呆れてものが言えない。
天気はどんよりとしているし、御三戸まで50キロくらいはあると思う。
常識では考えられないことを、あのじいさんはしでかす。
千葉に住んでいるときもそうだった。
ある日、買い物に出ている時に携帯が鳴る。
「今、そっちに向かいよるんやが、道に迷ってのぉ・・・。」
???
なんの予告も無く、突然あのじいさんは行動を起こす。
夜行バスに乗って東京駅に着き、歩いて千葉を目指しているのだ。
人の都合なんか関係ない。思い立ったが吉日、黙って行動を起こす。
だからこっちは非常に驚くは、心配するは、予定は狂うはで、大迷惑を被る。
今日だってそう。休日出勤で連れ合いがこれから出かけようとしていた矢先、じいさんから電話が入った。
思いつき動いたものの、途中でくたびれたから電話をよこしてきて、
挙句の果てに、迎えに来るなら車につけるキャリーを買って取り付けてからでないと、自転車があるからとぬかしやがった。
この身勝手さには私もさすがにキレた。だから、無理だと言った。
そしたら、わかった、ここから引き返すと言う。そうしてもらった。
でも、それだからといって心配しないでいられずはずはない。
携帯電話に電話を入れ、現在地を確認する。
そして午後3時すぎ。電話をしたとき、そこにきてやっと靴づれを起こしていて痛いんだと言う。たぶんずっと我慢していたんだろう。
もう放ってはおけない。どうするか考えた挙句、恥をしのんで松山の友人に電話をし、軽トラでじいさんを麓まで下ろしてもらえまいかと頼んでみた。
現状を説明すると、友人も驚き呆れていたが、引き受けてくれた。
日曜の家族水いらずの大切な時間をあのアホじいさんのために潰してしまうことになり、本当に申し訳ないことをしたと思う。
夕方5時半じいさんを自宅まで送り届けてくれたと連絡が入る。
他人様に迷惑をかけ、自分も初志を貫けず尻拭いができないような無計画な思いつきにどうしてするのか。
今までも散々怒りまくってきた。だがまた同じ事を繰り返す。
もう今日は怒りを通り越し、帰り着いたじいさんに無事かと電話もしていない。
傍からみれば、なんという娘だと思われるかもしれないが、もう、それでいい。
じいさんは結局甘えているんだと思う。だからもう甘い顔はしない。
これは、痴呆による徘徊の類ではなく、生まれ持っての性格からの問題行動であり、計画性の無さ、自己能力の過信(気力は十分若いつもりでいる)である。
父の日を一緒に過ごしたかったゆえの行動だったかもしれない、寂しさからの行動かも・・・考えるけど、やっぱりどう考えてもじいさんの行動はほめられない。
子の心、親知らず。情けなくて涙が止まらん。
お父さんきっと、いや絶対に物より一緒に過ごす時間を望んでいたのですね。
すごく寂しかったのでしょう。世間は父の日、父の日・・・。
検診時会っているとはいえ、お母さんが亡くなられてから、なんだかんだ言っても寂しい。
でもお父さんも男だから、「寂しいから一緒におってくれ」とは面と向かっては言えない。
だから、こんな方法でも娘さんの気をひきたい、いや、こんな手しか思いつかなかった、のではなかったでしょうか。
でもお父さんからしたら、娘の反応が今ひとつ・・・。
私は言える立場ではありませんが、今しかない、あと100年いやお年によっては50年もこれからこんな状態が続くわけではないのです。
ちょっと強引な考え方ですが、お父さんの好きに言うことを出来るだけ聞いてあげてください。
とは言っても私も他人事。そういうわけにもいきませんよね。お父さんには困りましたね(笑い)。
いつまでもお父さんにとっては優しい娘さんでいてあげて下さいね。