古い時代からコンピュータゲームに興じてきた自分にとって,アーケード移植作品というのは「期待や羨望」の対象でした。8bitマシン全盛期においては「完全移植」は夢のまた夢。「低いマシンスペックでどれだけ本物らしく表現しているか」が現実的な「完成基準」だったように思います。しかしながら,明かに「無理な移植」をそのまま商品化してくる無責任なソフトハウスも多数存在したため,親から小遣いを貰ってソフトを買うしかなかった自分たちは,購入後に(あまりの出来の悪さに)愕然とする事も少なくありませんでした。
最初に買ったパソコンである PC-6001mkII には,パックマンや ギャラクシアン,マッピー,ゼビウス,グロブダーなど著名なナムコゲームが移植されましたが,完成度はどれも「マシン相応」・・・。それでも格上のマシンを差し置いて「完成度が高い」と評価されたものもあります。たとえば,PC-6001mkII用「スペースハリアー」などは,PC-8801,X1,FM77AVなど格上機種を相手取り,グラフィックレベルは低いが「動きの面では随一」とまで評価された逸品なのです。当時の移植作品は,完全に作り手の「開発技術」と「頑張り」に頼りきっていた感じがします。
個人的に納得いかないのは「タイニーゼビウスmkII」の扱われ方。
PC-6001mkII というローパワーなマシンで,きちんと16エリアを再現しているにも関わらず,グラフィックレベルの低さから結局「タイニー」の烙印が外されることがなかった同作ですが,1985年にENIXから発売された PC-8801用ゼビウスは「地面以外全部白黒」なのに「タイニー」じゃない訳ですからね。どっちが「頑張っているか」なんて明白でしょう。少なくとも「アルフォス」はカラーで動いていたハズですし。
X68000が台頭してきたあたりから,アーケード移植は「完全移植」が当たり前の時代になっていきます。自分は「完全移植作品」には全く興味が湧きません。特にゲーセンでプレイした事があるゲーム程,家でプレイしても楽しめないのです。そもそも最近の移植作品には浪漫がない。なんとしても移植してやろうという部分がない。企業が商売のために必然的に出してくる移植作品ですから,最初から移植を考えて開発しているでしょうし,昨今の家庭用ゲーム機であれば「動いて当たり前」ですからね。いまいち面白さがない。PlayStation2の「セガエイジス」シリーズのように,余計な事をしてくれる移植は大歓迎ですが(笑)。
自分で書いていて矛盾してるかな? と思ったのは,PLAYSTATION3版「バーチャファイター5」。
結構ハマッてましたから,言い訳はできません。
ゲーセンのゲームと家庭用ゲームが「同じもの」になりつつあるので,
いずれは自分も「完全移植」なゲームばかりやるようになるのかもしれませんね。
移植・・・って表現も既に違うみたいですしね。(≧∇≦)
まあ,言いたい事を言ってみたということで。
(2007/4/15修正)
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