がやがや通信

雑司ヶ谷から日々のあれこれを綴っていきます。

くも膜下出血-経過報告5 (ひ)

2012-02-20 12:08:34 | 健康と医療
“シャント手術” とは、脳の中にたまる水を排出するバイパスをつくってあげること。脳の中にたまる水とは脳脊髄液(髄液)のことですが、一日に500mlほど循環しているそうです。
常にきれいな髄液が供給されつつ、余分な髄液は脳血管の中に吸収され脳圧を一定に保つ仕組み。これがくも膜下出血による脳血管障害でうまく吸収されなくなってしまい、脳を圧迫するので支障がでてしまう・・・

なんと頭から細いチューブをお腹まで通すんです!(脳室-腹腔シャント) 途中バルブもあって(耳の後ろあたり)、磁力を使って絞り調節をする。すんごい医療技術ですねぇ。

ただ・・・ シャント手術ができれば脳圧が下がり、けっこう元気になってくれるかと期待が膨らんでいただけに、ちょっとがっかり。2ヶ月寝たきりだったので足の筋力がかなり落ちてしまったのと、関節がこわばっているのですぐには歩けそうにありません。これからリハビリに特化した施設に転院して訓練する予定ですが、本人にとってはかなりの試練になりそうです。すでに「ここまできたら、もういいよ」などと弱気なことも言っていますが、「ここまできたのだからこそ、もうひと頑張り!」と本人と廻りとの温度差、やさしく接してあげることと手遅れにならないようにリハビリさせるバランスがなんとも難しそうであります・・・

くも膜下出血-経過報告4 (ひ)

2012-01-24 07:40:06 | 健康と医療
くも膜下の一次出血を乗り越えたとして、次なる危険があるようです。
1)脳梗塞
2)髄膜炎
3)水痘症
血管れん縮による脳梗塞を回避できた母親ですが、
髄液の代謝がうまくいかず、頭に入れたチューブを脊髄に移したりして、
感染のリスクを下げる試みをしつつ水痘症対策をしていましたが、
結局髄膜炎になってしまいました。

こうなると髄液の強制的な排出を控えなければならず、
脳圧はますますあがり、意識がはっきりしなくなっちゃいました。
抗生剤で細菌を殺す治療をしてくださいましたが、副作用もあります。
顔や腕が痒いとみえ、もうろうとした意識の中でかいてしまいます。
点滴などの針やチューブを勝手にとったりできないように、
両腕にはグローブをはめられているのですが、
そのグローブでかいちゃうんで肌はガサガサ、出血するまで。
                    
かいていないときは両腕を胸のまえにがっちりクロスさせちゃって、
私の力でも動かないくらい。呼吸を合わせ、力を抜かせないとウンともスンとも。
むくみもすごかったです。身体の向き変更や足のマッサージとかしてあげないと、
静脈血栓塞栓症(エコノミー症候群)になっちゃうとか・・・
それでもホント今の医療はすごい! 意識はもうろう、
一ヶ月以上口から食事をとれなかったのに、ちゃんと回復にむかってくれました!

そしてようやく髄液中の細菌がなくなり髄膜炎が完治、
次なるシャント手術が可能なまでになったのです。

MRA検査結果 (ひ)

2012-01-22 14:09:09 | 健康と医療
受けてきました、NRI,MRA検査。

私の前に呼ばれた検査結果を聞く老紳士は、奥さまが付き添っていたもよう。
二人で診察室に入り、出てきたときに思わずご主人、口に出して
「あ~っよかった!!」
検査を受け、“結果が出るまでの不安な時間” と、
その結果「問題なし」と言われたときの “安堵感” はそりゃぁ、もう!

私も「問題なし」でした。梗塞の形跡や瘤もないようです。
次回の検査まで何年くらいおいて大丈夫かと訊いたところ、
5年くらいは問題ないでしょう、だって。

ここが重要。これからの医療はその場その場での検査だけでなく、
特に加齢や生活習慣に起因するような身体の変化は、
どう記録し比較検証していくかだ、と。医者もタカビーに構えていないで、
画像データを被検査者に渡たすくらいの対応、まじめに考えて欲しいものです。
(デジタルデータなんだから。勿論オリジナルはちゃんと院内保管しておいて)

今回検査を受けた病院に質問したところ、「医療機関から事前に請求があれば、
データを提供する対応はとる」という回答でした。
でもまだこの程度では、緊急事態や次回同じ病院で検査できない事情がある場合、
有効性はないですよね。
多くの日本人は健康保険に加入(すばらしいシステム)しているから、
ほとんどの方の(保険の利く医療行為の)医療費負担は3割以下だと思います。
7割以上が公の負担だから、その金額の妥当性や有効性への感心が薄れがちでは?
保険点数1900(今回の画像診断料のみ、勿論他の加算ポイント多数)の医療行為を、
医者の売上という観点じゃなくて、患者の利益という観点から、
もっと有効に活用する方法を検討してもいいんじゃない? っていうお話でした。

くも膜下出血-経過報告3 (ひ)

2012-01-21 00:39:12 | 健康と医療
前回、母親の一次出血がうまく止められたところまでお話ししました。
今回はその後のリスクについてです。

そもそも “くも膜下出血” では、一次出血によって、
およそ半分の方の未来が奪われてしまっているようです。
母親の場合、血管のコブが小さかったのが幸いしたのかどうか、
(そこんところ、医学的な説明は伺うことできませんでした)
理由は全く判りませんが、幸いなことにうまく出血を止めることができました。

術後はみるみる回復して、翌日には、
「歯医者の予約をキャンセルしなきゃ」とか「賀状の準備が途中で・・・」
といった会話もできたほど!

でも、実は・・・ 医師からは3つのリスク説明を受けていました。
1)脳梗塞
2)髄膜炎
3)水痘症
くも膜下出血は脳のトラブルですから、私は後遺症を心配していました。
ところが “くも膜下出血” では脳のマヒはないのです、初めて知りました。

まず一次出血を止められても、新たな出血をしてしまう方も多いとか。
術後1~2日間は再出血の危険性。
そしてそれを乗り切ったとして、今度は “脳梗塞” の恐れ。
血管が攣縮(レンシュク:出血や治療の刺激によりいったん血管が収縮)
をおこすことによって “脳梗塞” になっちゃう。これはマヒが残る可能性が高い!
術後2週間が危険ゾーン、ただただ祈ることしかできない、永い永い2週間でした。

結果的には “脳梗塞” もおこさずすんだのですが、
術後いったんハッキリしていた意識が、1週間後から急激に遠のいていきました。
脳内の髄液代謝がうまくいかず、溜まりだし、脳圧が高くなりすぎたのです。
水痘症です。この間、頭には直接チューブが埋め込まれていて、
髄液を流し出していたのですが、それでも追いつかないのです。
チューブを外すともっと脳圧は高くなってしまうし、付けっぱなしにしておくと
頭には穴が空いたままなので感染症になってしまう、微妙な駆け引きですな。

結局、残念ながら、髄膜炎感染してしまいました・・・

くも膜下出血-経過報告2 (ひ)

2012-01-16 10:56:01 | 健康と医療
母親が救急搬送され、私が病院に駆けつけたときにはひととおりの検査が終わり、
MRAの画像をみせていただきながら、病状と手術について説明を受けました。

そこでのビックリがふたつ。iMacに映し出される画像をみながら、
1)頭の中の血管が立体的に鮮明に映し出されている! スゴイ!!
2)でも出血元が判るわけでない・・・   ナンダ  ということ。
つまり頭の中の血管形状が、外部から驚くほどよく判るのですが、
どこが破けたか判断するのは、プロフェッショナルの知識と経験を要する。
まだまだ医療機器進歩のノビ代はありそうです。

それでも今の医療技術と機器に驚かされたことに変わりありません!
母親の場合、血管のコブが2つみつかりました。
1つは直系1.5mmほど、通常この大きさで破裂することはないそうです。
もう1つは直系3mmほど。この大きさで破裂することもめずらしいようですが、
他にこれ以上にあやしい箇所はなく、出血元と推測されました。

そしてその場所へ詰めものをすることで、一次出血の止血ができ、
二次出血も起こさずにすんだのであります。


しかし母親が倒れて以降、なんだか私の頭も右側がジリジリするような・・・
そういえば首のコリもいつもよりひどくなってきた!
まぁ冗談抜きに、これを機会に近々検査を受けてみようと思います。

ご案内

こちらのアドレス http://blog.goo.ne.jp/gaya-gaya で最新ブログもご覧ください。       ブックマークもよろしく。