探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

晩秋ガレ場たいむ2

2018年10月30日 | ガロアムシなど掘削系探索


もう冬だ。水着買わなきゃ(?)
今日はあの山の麓に行ってみた。
前回同様、越冬準備に入ったエゾヒラタクチキウマ♂を探すのが目的。


前日雪が軽く積もったらしく、少し地面に残っていた。
本州の人よ、これが雪であります。


枯れ沢
到着時、雪がちらほら降っていた。
どんどん雲行きが怪しくなり、気温が下がってくる。
う~む、探索は速やかにして撤退した方が賢明だ。


出てきたのはエゾガロアムシ。成虫(♂×2 ♀×1)、幼虫×1
ここは珍な雄が雌より多く出てくるから面白い。
そのため、ここの雌の交尾率が高い。この雌(写真右)も交尾済みで黒色の卵が腹部から透けて見える。

ヒラタクチキウマはまたしてもマツモトヒラタクチキウマだった・・・
う~ん、やはりエゾヒラタクチキウマは、実績ある夕張辺りで探した方がいいみたいだ。
以前はよく通っていた夕張だが、旭川在住となった今、疎遠になってしまった。
あの辺は地震の影響受けてそうなので、大丈夫だろうか?
次回挑戦するかどうか迷う。


掘っていると、こんなものを見つけた。
縦に亀裂が入った個所周辺の土が赤く変色している。
亀裂から何らかの物質が出てて化学変化で変色したのか?酸化かね?
よく分からんですよ。

帰路に就いて間もなく、雨が降り始めた。
旭川の高台にある住宅地は、うっすらと雪が積もったらしい。


晩秋ガレ場たいむ

2018年10月28日 | ガロアムシなど掘削系探索

北海道の秋は短い。
もう冬が迫って来てる。いつスタッドレスタイヤに交換するか天気との駆け引きの時期だ。
探索もこれといったものが無く、目的を失ったわたしは惰眠をむさぼる今日この頃。
それでは精神的によろしくないので、今回ちょこっと探索。
越冬準備の入ったヒラタクチキウマを探しに行ってみた。
未撮影のエゾヒラタクチキウマ♂が見られるといいな。

伏流水が染み出る礫層
水が多く、ガロアムシやメクラチビゴミムシが好まない環境。
岩の隙間をこじ開け、砕いて取り除く・・・重労働だ。


マツモトヒラタクチキウマの幼虫
今回はこの子ばかりで、エゾヒラタクチキウマの幼虫すら出てこなかった。
次回、場所変えてみるかね。


たまに出てくる越冬準備中のエゾサンショウウオ
毎度のことながら、よくこんなところに入り込むと思う。

ガソリン料金急騰・・・。
探索前に満タン給油して、料金見て「うひょ!」ってなる。
探索での出費の大半はガソリン代なんで、由々しき問題だ。
ルーラの魔法覚えよう。


空白地帯

2018年06月24日 | ガロアムシなど掘削系探索

2日間かけて阿寒~知床の地域(国道242から東)を再挑戦。
結果はガロアムシの生息を確認できなかったが、過去数回の結果からこの地域には生息していないと判断していいかもしれない。

阿寒周辺の理由(仮説)として・・・
①:環境は、冷涼多湿で空隙のある礫層が普通に見られる良好な環境なのに、コムシ、ジムカデ、ゴミムシなどが異常なほど確認できなかった。
しかも、この周辺にブヨと蚊がほとんどいなかった。
という事は、有害な何かが沢の水に含まれている?

②:少し掘ると、黒い礫層にぶつかる。最初、石炭かと思ったが、よく見たら石が焦げたように変色していた。これは過去の阿寒あたりの火山活動による影響と思われる。
かつてはガロアムシが生息していたが、火山活動で全滅または激減した?

③:何ヶ所か昔、大規模に森林伐採した形跡があり、それによる環境破壊で全滅または激減?

②③が理由なら、知床周辺に隔離分布していてもおかしくないが、北部の訓子府周辺も含め確認できない。
①が理由なら、知床まで生息拡大できない説明はつくが、そんな広範囲に有害物質が出ているものだろうか?

結果:何故いないかよくわからん。とにかくいないのだ。


羅臼岳
成果がないので、漫然と世界遺産を観光してしまった。
雪渓付近を調べたいが、世界遺産なのでそうはいかない。というか、あそこまで登れるの?


知床峠からの国後島
北方領土は日本固有の領土。ロスケにはさっさと返してもらいたい。


バッコヤナギの葉にウズマキハムシ
だから?って感じ。

車で移動中、子ぎつね2回、子ネコ1回、轢きそうになったが、なんとか回避することができた。
なんで吸い込まれるように車に寄って来るんだよ・・・もう。
その代わり、道路でたむろしていた「のろまなカラス」の群れに突っ込み、逃げ遅れた1羽を撃墜
いやホント勘弁してよ
車は無傷だった。ウサギやタヌキの撃破経験により車の耐久力が上昇したのだろう(?)
今シーズン無事に乗り切れるのだろうか・・・


蛮勇探索

2018年06月10日 | ガロアムシなど掘削系探索

今回は、知床方面へガロアムシ分布調査。
厳密には知床半島ではなく半島の付け根付近で、同じ山塊に位置する。

目的地までの運転中、激しい便意(下痢&小)に襲われ、トイレを探すも道の駅やコンビニがない農村地帯が何十キロも続いた。
我がアビリティである「きじうち」を発動したかったが、見知らぬ土地でのきじうちはリスクが高い。これは数年に一度あるかどうかの由々しき事態。
車中に何年前か分からない即効性下痢止め剤があったので、イチかバチかで飲むと少し効いた。
それもつかの間、第二波がやってきて、脂汗を流しながら道の駅に到着。
一命をとりとめたが、すっかり体力を消耗してしまった。先が思いやられる。


現地到着
見た目は生息していそうな環境なので期待膨らむ。
この日は霧雨、気温は低い。
先程の事件で、体力消耗しているので、いまいちテンションが上がらない。


あちゃ~
少し掘ると、ハズレバチ登場。嫌な予感。
更にテンション下がる。


それでも水際の石の下にはルリマルクビゴミムシがたくさん見られた。
この辺の個体群は瑠璃色の光沢はなく全体的に黒色で、亜種Nebria shibanaii shiretokoanaとされる。


数は少ないがキタツヤシデムシも発見。(写真中央はチビシデムシの一種)
知床方面まで分布しているようだ。意外に分布域広いね。

しかもあの無翅ハエの一種である個体(別種)も発見!
大雪山でお馴染みの面々が生息しているという事はガロアムシもいるはずだ。

結果・・・でなかったよ( ノД`)シクシク…
見た目は良さそうな環境でも数センチ掘ったら直ぐに硬い岩盤にぶつかってしまうのは致命的。
空隙も少なく、礫間は粘土で埋め尽くされているので、生物が入り込めない。
ただ、ガロアムシは生息していないと断言できないので、以後場所を変えてちょくちょく挑戦しないといけないと思ったり。


帰りは北見市瑠辺蘂にある塩別温泉で疲れを癒す。
探索の後の温泉は格別だ。


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2018年05月31日 | ガロアムシなど掘削系探索

今回は東大雪と阿寒の山地の中間部にある陸別町でのガロアムシ分布調査。
ここでの確認の有無で、今後のガロアムシ探索の方針が変わる重要な探索と言える。

この日の天気予報は雨。
小雨ならブヨも出てこないし、気温も低いのでこの時期は歓迎だ。
数日前、38度以上の熱を出し、会社を早退して病院で点滴を受けてきたので、体力面でもバッチリ(ん?)


置戸町にて
な、なにぃ!人類はいつの間にワープ技術を開発したんだ!
東北へ行くときはここを通ればいいようだ。


人が訪れない山奥の林道をひたすら走り目的地到着。
意外に川幅が広かった。
エゾハルゼミも鳴かない雨天。ブヨが群がらないのはいいが、雨具を着用しているので蒸れる。


怪しい斜面を発見。
雨天は地面が濡れるので、どの斜面も怪しく見えてしまうのが難点。
見極めは表層に苔があるかどうか。


ちょっと掘ると、レンガ色というかピンク色っぽい層(岩盤)が出てきた。
なんだ?ここの地質。大丈夫か?
しかし、この岩盤はとても脆く、容易に崩れるため、亀裂や礫層になった部分が多く、ガロアムシ好みの空隙がいくつも形成されている。


たまに出てくるハチ。
晩秋、集まって礫層内で越冬しているが、これが出ると良い結果が出ない事が多いので、ハズレバチと呼んでいる。
ただ、環境としては最適で、ナガコムシもちらほら出てくるので、可能性ありと信じ掘り続ける。


エゾガロアムシ掘り出し成功。
若齢幼虫がたくさん出てくる。
経験上、若齢幼虫がまとまって出てくるときは、近くに産卵したと思われる雌成虫が出てくる事が多いが、成虫はその1個体しか出ない。


やはり出た雌成虫。(ピンボケ・・・)
そしてその後、成虫は出てこなかった。
本当はサンプルとして成虫を数個体(特に雄)確保したいところだったが仕方がない。
帰りましょう。
帰路の運転中、何回か豪雨にあった。林道を通って汚れた車が綺麗になればいいかと思ったが、意外に汚れは落ちなかったよ。

この探索で、さらに分布域を広げることができ、今後の分布域拡大に期待が持てる結果となった。
次回から、更に遠い未確認地域へ遠征予定。疲れた・・・