探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

ファッションと実用性の狭間で迷走

2019年05月18日 | ご挨拶・お知らせ・ひとりごと

今まで小さい虫や細かな部分を観察するためにルーペを使用していたのだが、どうもしっくりいかず、結局カメラで接写した画像を利用していた。
撮影の度にパソコンに取り込んで確認するのはかなり面倒。カメラ撮影は最終確認にしたいところだ。
そこで眼鏡型のルーペを購入してみた。

レンズは交換できて×10 ×15 ×20 ×25の4段階
レンズは上下に動くので、片目だけでの使用もできるし、レンズ横にLEDライトがあり暗いときは便利かと。
かなり安価なので、性能にあまり期待はしていなかったが、実際に使ってみると意外によく見える。
ただ、相当レンズに近づけないとピントが合わないので、油断してレンズに試料が接してしまわないか心配。

ちなみに「じゃがりこ」は今のマイブームで、毎日アホみたいに食べているのでした。


着用するとこんな感じ。
(どんな感じだよ!)


関係ないが、スチームパンク風ゴーグルも購入してみた。
写真から見て左側にはルーペがあり、なんとなく拡大機能付きだが実用性はないに等しい。
あくまでファッション用途のアクセサリー。
実はこれ、上の眼鏡型ルーペの10倍の価格なんだよ。なので出来はすごく良く、見てるだけでワクワクする。
スチームパンク好きなんだよね・・・憧れなんだよね・・・でも着用する機会ないんだよね・・・
どうにかして探索ファッションに利用できないか考えているが、ファッションと実用性は相反するところあるから悩む。
ん?このゴーグル着用した人が探索していたら自分だってバレるな・・・
というか、ファッションって見てもらう相手がいて成り立つんじゃないのか?
そもそも探索中に人に遭遇することがない自分に必要なのか?


クモのちゲンゴロウ

2019年05月15日 | 自然探索記~採集記(道北)

先日のサロベツ原野ガサでミズグモミッション達成後、別の沼に移動してゲンゴロウを狙ってみた。
ミズグモを見つけた沼よりやや富栄養傾向で、泥の堆積が深くヘドロ臭い。
ここはゲンゴロウ類が豊富だが、雨量などにより水位の変化が著しく、年によってはほとんど干潟状態であったり、満水状態で沼に入れないこともある。
今年はいい感じの水量。でもわたしが唯一生理的に受け付けないと言ってもいい「蛭」がやたらに多い。
子供のころ、川で釣りをしていると、近くにいた釣り人のおじさんが「ミミズより蛭の方がよく釣れる」と教えてくれた。すでに蛭嫌いであったわたしは、軽蔑の眼差しでおじさんを見ていたことを思い出す。
蛇足としてハリガネムシもあまり好きではない。


前回とは違う角度から撮影した利尻山
海岸砂丘で奥の海を隠してみた。特に意味はない。

沼に到着。
水中に無数の赤いミズダニがゲンゴロウのように元気に泳ぎ回っている。随分と泳ぎが達者なミズダニもいるものだと感心。
蛭も目視できる・・・目視できるほど蛭がいることを考えるとモチベーション急降下。
以下は大したことないがガサ結果。

チビコガシラミズムシ Haliplus minutus
3mmも満たないので、容易に網からすり抜ける。運良く網に入っても老眼の人にはキツイかも。(注:わたしは老眼ではありません)
北海道RDBで希少種に指定されているが、原色日本甲虫図鑑Ⅱには「北海道ではふつう」なんて記されている。
まぁ原色日本甲虫図鑑は情報古いから、今では通用しない内容が多い。自分でも多いと思うのだから、実際もっとあるかもしれない。


キタヒメゲンゴロウ Rhantus notaticollis
ヒメゲンっぽいがちょっと小さいからキープしておいた。陳腐なヒメゲンと思い込み反射的リリースしなくて良かった。
個体数も多いようだ。


エゾヒラタヒメゲンゴロウ Colymbetes tolli
結構デカイ。北海道ではナミゲン・ゲンモ・エゾゲンモに次ぐ大きさ。
見た目はヒメゲンゴロウを大きくした感じで、上翅の指紋のような横縞斑紋が特徴。
以前から見たいと思っていたが、長い間嫌われ続け、いつの間にか狙うことも諦めたゲンゴロウ。
狙わなくなると気になって向こうからやってきたのか?

他にはナミゲン、ゲンモ、カラフトマルガタゲンゴロウ、オオシマゲンゴロウ、ケシゲンゴロウがいた。
相変わらずカラフトマルガタゲンゴロウとケシゲンゴロウは多い。
ゲンモの裏側にミズダニがびっしり付着していたのには鳥肌が立った。
ミズグモ探索もひと段落したことだし、次回からは余裕をもってゲンゴロウの珍種でも狙ってみようかね。
エゾガムシも見たいのだが、なぜか網に入らない。


ヤゴ時々クモ

2019年05月13日 | 自然探索記~採集記(道北)

サロベツ原野でのガサ記録
目的はサロベツ原野に生息するミズグモを確認すること。
生息の噂は聞いていたが、自分の目で確認しないと納得いかない性分。
そもそもサロベツ原野は、数年前からガサしているが、ミズグモが出たことはない。ホントにいるんかね・・・

利尻山
浜辺・海・山・空というミックスサンドイッチ的贅沢風景。
雪のあるこの山、初めて見たかも。このタイプの山には残雪が映える。


今回目的の沼
全体的に水深が浅くみえるが、泥が堆積しているだけで実際は想像以上に深い。うかつに中心部へ移動するとはまってしまうし、水際の浮島付近も落とし穴のような窪地があって危険。
今年新たに目星をつけた期待の沼であるが、先日の挑戦で惨敗。
釈然としないので、再調査決行。


エゾホトケやヤチウグイの魚類がいるので、夏季に干上がることはなく、ミズグモがいてもおかしくない。
しかし、ミズグモが好むスゲがまとまって水中から生えている場所がほとんどないのは致命的。
水際ぎりぎりの浅瀬にスゲがまばらに生えているくらい。その範囲は極めて狭い。
夏になるとこの範囲は広がりそうだが、付近の葦が成長したら容易にアクセスできないだろう。

この沼、ヤゴ類がやたら多く、ゲンゴロウなどの甲虫はほとんどいないのが謎。
ミズグモが網に入らなくても、イレギュラーのゲンゴロウ類が時々入れば少しは楽しんでガサれるが、これでは早々に諦めて帰りたい気分になっても仕方がない。
水温低いので手はかじかむし、蛭が手をにじってるし、風が強いので網の中を確認しづらいし、1本の網は破損するし、ウェーダー水漏れしてるし・・・もうイヤじゃ~~。

ん?

おおっ!入った!
正真正銘ミズグモだ。
やっぱりスゲ環境じゃないとダメだね。
ちなみにゲンゴロウを狙うようなガサ方法では、偶然でない限り、普通入ってこないよ。(道東は個体密度が高いから例外だけど)


ミズグモの腹部
毛が密生しており、これで空気の膜を作ることで水中でも呼吸できる。

一回見つかればこちらのもの。ニュータイプに覚醒したかの如く「見えるぞ!わたしにもミズグモが見える!」みたいな感じで、合計9個体のミズグモを確認。
サロベツ原野の個体群が、釧路湿原や苫小牧の個体群と同種なのかは分からない。一見ではどれも同じに見えるけど。
一応サンプル確保したので、気が向いたら調べてみよう。
あ、苫小牧産、サンプル確保してなかった・・・
そもそもクモってDNA解析以外にどこ見て区別するんだろう?


カエレ!ニンゲン!
「妖怪やちぼうず」が威嚇している。
ここで屍になったら、しばらく誰にも見つからないだろうな・・・ヒグマも普通に出る、そんな場所での探索。


おあずけタイム

2019年05月05日 | 自然探索記~採集記(道北)


GW時期というのは、ある程度雪解けが進むが、野山の緑は少なく、新緑の季節というにはまだ早い。
盛り上がる探索欲求と季節の推移にギャップがあり、空回りする時期となる。
旭川を含む道北~道東方面は、5月末くらいから本格的な探索シーズン突入と言えよう。
要するに今は「おあずけタイム」だ。

本日5月5日。天気も気温も良好。
絶好の探索日和であるが、目的が見いだせずIBT(隠語)辺りを小粋にドライブ。
途中でふと閃く「エゾヒメギフチョウがあるじゃん!」
引き返して自宅付近の産地へ移動。


エゾエンゴサクやカタクリが満開
この花の香りが周囲に満ち溢れる環境がたまらなく好き。貴兄もそうだろう?


アカマルハナバチ
マルハナバチ類やビロウドツリアブが多く見られ、羽音でにぎやか。
まだブヨがいないのもいい。


エゾオオマルハナバチ
面白いことに今では山奥でも見かける移入種のセイヨウオオマルハナバチが1個体も見かけなかった。
自宅の庭にやってくるマルハナバチのほとんどはセイヨウオオマルハナバチ・・・


クジャクチョウ
チョウは数種見かけたが、気温が高いためどれも活発に飛び回り、花にとまる個体を狙って撮影するのは難しい。
その中でもクジャクチョウが比較的撮影しやすかった。
陳腐蝶代表ともいえるスジグロシロチョウ(エゾかもしれない)が全然とまってくれないので、「身の程を知らない駄蝶」というレッテルを貼ってあげた。


コツバメ
このカメラ(OLYMPUS TG-5)の欠点である「中央に白いゴースト」が顕著に出てる・・・


エゾヒメギフチョウを発見
カタクリ好きね・・・


翅開け~~~と念を送ったが、ここまでだった・・・・
花にとまるときは藪の中のカタクリばかりなので、撮影には苦戦した。


キジマエダシャク・・・か?
蛾は嫌いではないが、資料の翅の模様と照らし合わせて同定していると具合が悪くなる。
疲労感が半端ない。そういう効果あるのかい?


はじまりの庭

2019年05月01日 | 自然探索記~採集記(道北)


令和元年始まりの日
旭川はどんより曇り空。遠くの大雪山系が低い雲で地面と平行に遮られている。
(鷹栖町から)


うちの庭にあるカタクリとエゾエンゴサクが見頃。
カタクリは以前からあったが、エゾエンゴサクは昨年に山道脇から採取して植えたもの。
自分は園芸品種よりもこういった野草が好み。
エゾエンゴサクが順調に増えたらヒメウスバシロチョウを野外飼育してみようかね。


試しに植えたオクエゾサイシンも芽が出た。
こちらも順調だったらエゾヒメギフチョウでも・・・
いろいろ試してみたいね。


玄関に転がっていたカバキリガ
どうやら寒くて動けないらしい。

令和だろうが平成だろうが、生き物は元号に影響されないから、自分のやることは変わらない。
元号が変わって、探索目標達成率が上昇するなら歓迎だけど。