鷹栖町の真ん中を流れるオサラッペ川
農業用灌漑用水で使用されているためいつも濁っておりウグイしか釣れない川だが、この川を境にそれぞれヒメマイマイの形状が異なる。
東側は明瞭な色帯のある個体が多く、巻きも大きさも普通。
西側は大型で扁平という特殊な型で、無帯がほとんど。
ただそこから北側へいくと、無帯は多いが、大きさと巻きは普通になる。
ヒメマイマイはこのように狭い範囲での変異が普通にあるので、うかつに調査しようと思うと後悔することになる。
相当な覚悟がないと簡単に挫折するよ。わたしみたいに。
林道に落ちていたエゾマイマイの殻とセンチコガネ
「何じろじろ見てんだよ!」と威嚇してきたので、ヘタレなわたしは謝って退散しました。
昨年、ムラサキハムシ(幼虫)を採集した林道
林道は崩壊と一部が川と同化しているため廃道状態であるが、道はなんとか残っている。
探索には多少の危険が伴い、本来なら一人で入り込んではいけない場所なんだけど、人に会わずに探索できるって事はたまらなく嬉しい。
今回はムラサキハムシの成虫をスイープしてみたいので再挑戦。
本当は6月上旬を探索予定としていたが、別探索や悪天候で6月下旬と遅くなってしまった。
というか昨年の探索日より1日早いだけなので、越冬成虫を狙うには昨年同様、時期遅れかもしれない・・・いや、ダメでしょ。
ブヨと蚊が多いので、蚊取り線香は必須。しかも強力な「赤函」を使用。
虫よけスプレーはあまり効果ないが、「赤函」は効果覿面。
衣服や車内に煙臭が付いてしまうのが難点だが・・・
熊よけ鈴と携帯蚊取り線香入れを装着し、危険回避確率を上げたことだし・・・
よ~し、いざ出陣!!
注:アラフィフです。
林道脇にはカラマツソウ(たぶんエゾカラマツ)が至る所に群生しており、花は今がピークだった。
陳腐ハナカミキリの他にも写真上のカラフトトホシハナカミキリなどが訪花していた。
キモンハナカミキリもそこそこ見られるが、まともに撮影させてくれない。
場所的に粘って探せばもっと珍カミキリを得られる可能性もあるが、目的はカミキリでない。
昨年のような脱線は避けよう。
クレヨン的なアレ?
目的のムラサキハムシは・・・
ドロノキでスイープしたが、終齢幼虫ばかりが入る。
やはり遅かった・・・
このドロノキの下で、昨年紛失した水分補給用のペットボトルが見つかった。(詳細は昨年のブログを参照)
責任を持って飲み干しました(ウソ)
イラクサで見つけた前蛹。風で落下したのだろうか?
成虫を狙うには7月に入ってからの新成虫となるが、別探索予定がぎっしりなので無理。
とっても新しいブツ発見。
タヌキのため糞かと思ったが、内容物からヒグマ糞っぽい。
もう見慣れているので驚きはしないが、とっとと帰ろう。
自宅からそう遠くない、暇つぶしにちょくちょく探索しているgecko御用達林道
この林道がスゴイ!今回はこの林道を惜しみもなく紹介しよう。
何がスゴイのかって言うと・・・
オオハナウドの花がたくさん林道脇に咲いているっていうのに、全くカミキリムシがいないってこと。
これは凄い!
陳腐なハナカミキリくらい訪花してもいいのだが、更に陳腐なカミキリモドキやアオジョウカイでも少ない。
凄すぎて、自分だけこの林道を独占しては天罰が下るだろう。
この林道にはオオイチモンジだっている。
エゾヒメギフチョウだっているし、ムカシトンボもいる。
みんな大好きブヨだってたくさんいる。
キアゲハだって産卵している。
そんな林道なのにカミキリムシはいない。すごいね。
昨年に採卵したエゾコバネササキリが今年も孵化した。
卵を室温保管していると、例外もあるが毎回この時期に孵化する。
孵化のきっかけはしばらく乾燥させた後の霧吹きによる水分刺激。
この子は孵化不全なのか、触覚が短く、後脛節がやや変形している。
バッタ類の脱皮を失敗しない飼育館環境って難しい。
雄を得ることが目的であるが、何年も失敗というかほとんど雌。
今年も失敗したら現地採集に行くしかないが、こちらも雄の採集実績なし。
これも相性の悪い生き物のひとつ。
先日、食草を調査するため持ち帰ったスミイロオオアラメハムシの幼虫
いろいろ試してみたいところだったが、十分な調査をする余裕なく早々に蛹化してしまった。
北海道産の生態はほぼ分かっていないし、食草判明しただけでは貴兄も納得いかないと思われるので経過観察してみた。
蛹化直後のスミイロオオアラメハムシ
食草などにぶら下がって蛹化するタイプではなく、クリソリーナのように地面で簡易な蛹室を作り、そこで蛹化するタイプのようだ。
まぁオオヤマフスマのような小さな植物が食草では、さすがにぶら下がっての蛹化は困難だろう。
蛹化から4日後
黒くなってきた。そろそろかな。
新成虫 蛹化から5日目で羽化(飼育下)
ハムシやオトシブミの仲間って蛹期が短いね。
産地は気温が低いので、もう少し蛹期が長いかもしれないが、6月下旬あたりから成虫がちらほら発生するだろう。
「そこらにいるハムシと何ら生態変わらないじゃないか」と、お嘆きの貴兄もいると思うが、解明されれば大体こんなもんですよ。
いいじゃないですか、セレブと思われる近寄りがたい人が、一般人と同じ質素な生活をしているなんて、好感度上がるんじゃないですか。
う~ん、ハムシのくせに!
ちなみに「生き物研究室」の方ではもう少しその辺詳しく記載してますので興味あったらどうぞ。→