探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

29日後

2017年06月26日 | 自然探索記~採集記(道北)


丸まった落ち葉。
糸で固定されているとはいえ、丈夫な作りではなく、触ると簡単に切れる。
その中には・・・


エゾヒメギフチョウの蛹が鎮座しておられた。
思いの外、小さく、体長は17mm


上面
あまり言いたくないが、汚い蛹だ。
美しい蝶になるための代償は大きい。ここは我慢の時(?)


正面
あまり言いたくないが、化け物だ。
気持ち悪がられたり、罵声を浴びても、耐えるしかない。ガンバレ!

この蛹を野外で見つけるのは容易な事ではない。必用なのは運と根気。
無数に落ちている落ち葉からこれを探し出すことができるのは、探索神に祝福されている者のみ・・・と思っている。
簡単な方法は幼虫を飼育すればいい。これは段違いに難易度が低い。


21日後

2017年06月19日 | 自然探索記~採集記(道北)

少しばかり間が空いてしまったが、エゾヒメギフチョウの幼虫観察。
最初の観察から21日後。

オクエゾサイシンのバッタ食害が激しく、幼虫の食痕を探すのは無理。
前回、見つけたと思われる場所の葉を念入りに確認してみるも、全然見つからない。


やっと見つけたのがこの幼虫。
地面にいたが、蛹化前という訳ではなく、わたしが「わさわさ」したから葉から落ちたのだろう。

それにしても他の幼虫はどこにいったのだろうか・・・
いと悲し。


体長25mmほど。
そろそろ蛹化かね。


お怒りモード発動


早春掘削体験

2017年06月11日 | ガロアムシなど掘削系探索


エゾガロアムシ記載産地にてサンプル採集。
夏には枯れ沢だった場所には雪解け水が流れ、周辺には残雪も多い。
カタクリやエゾエンゴサクどころか、フキノトウがちらほら状態。
平地では初夏だというのに、ここはまだ早春。


生息地
枯れ沢の時は楽に遡上できたが、今回、薄くて崩落しそうな残雪や水深が深い場所を迂回しながら遡上したので疲れた。

火山灰と軽石なので、掘削は極めて楽。



何故かこの場所、雄の割合が雌より高い。
いろんな場所でエゾガロアムシを掘り出したが、そのような場所はここしかない。



ここは生息数が安定しているが、掘れる場所が小規模なので、枯渇しないよう今後採集するのは控えよう。
(環境から自分が掘れない場所にも多く生息しているとは思うが・・・)


9日後

2017年06月09日 | 自然探索記~採集記(道北)


エゾヒメギフチョウ幼虫の観察に行ってきた。
前回の観察から9日後。
食草のオクエゾサイシンは、バッタの食痕がほとんどの葉にあり、前回どの株で確認したのか探すのに苦労した。
幼虫は順調に成長しており、体長は1cmを超えたくらい。
夢中でオクエゾサイシンの葉を食べていた。


毛深くなり、立派な毛虫に成長したが、側面には特徴の黄色斑紋が現れ、本種の幼虫であることに誤魔化しようがなくなった。
これは警戒色なのかお洒落なのか?


脱皮殻あるよ。
これから1週間おきに観察するとして、最終的に落ち葉下の蛹を見つけることができるか。


ドロノキのゆりかご

2017年06月07日 | 自然探索記~採集記(道北)


ある探索の帰り、時間があったのでちょっと寄り道探索。
いい環境(?)のドロノキを見つけた。
サメハダチョッキリいないかな。雨降ってるけど・・・


サメハダチョッキリの揺籃
珍ではないが、一発で目標達成できると実に気分がいい。
スゴイな自分とか思っちゃったりしたりする。


ちょっと失礼して中身を確認。
複数巻かれた葉の一番奥の葉には、複数の小さな卵が産み付けられてた。
揺籃はたくさんぶら下がっていたが、朝・雨・低温・風ありという絶望的な天気なので、成虫は1個体も見つけられなかった。
(少し揺籃を持ち帰った中に成虫が1個体紛れていた。)

後日・・・
天気は晴れ
揺籃がたくさんあったドロノキの葉は、成長して硬くなっており、揺籃作りのピークは去ってしまったようだった。探しても成虫も新しい揺籃も見つからなかった。
そこで揺籃作りに適した若葉のあるドロノキを探すことにした。

いいドロノキみっけ。
昨年の大雨で水に浸かってしまったのか、周辺のドロノキよりも葉の成長が遅い。
たぶん弱っている気がするが、探していたのはこれ。


サメハダチョッキリ Byctiscus (Byctiscus) rugosus
いるわいるわ・・・湧いて出る成虫ども。