探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

ヒメマイマイは奥が深い。

2020年06月30日 | カタツムリ探索・飼育

鷹栖町の真ん中を流れるオサラッペ川
農業用灌漑用水で使用されているためいつも濁っておりウグイしか釣れない川だが、この川を境にそれぞれヒメマイマイの形状が異なる。

東側は明瞭な色帯のある個体が多く、巻きも大きさも普通。


西側は大型で扁平という特殊な型で、無帯がほとんど。
ただそこから北側へいくと、無帯は多いが、大きさと巻きは普通になる。

ヒメマイマイはこのように狭い範囲での変異が普通にあるので、うかつに調査しようと思うと後悔することになる。
相当な覚悟がないと簡単に挫折するよ。わたしみたいに。


林道に落ちていたエゾマイマイの殻とセンチコガネ
「何じろじろ見てんだよ!」と威嚇してきたので、ヘタレなわたしは謝って退散しました。


理想はストレスフリー

2020年02月01日 | カタツムリ探索・飼育

アポイマイマイの飼育

今シーズンはしっかり採卵を行い、孵化させようと心がけたので、それなりに稚貝を得ることができた。
と言っても、孵化率は格段に上がった訳ではなく、孵化させるまでの卵の維持に今でも苦戦している。

増え過ぎたら欲しい人に譲渡してもいいかも。地味で小さなマイマイだけど一応珍種だしね。


殻の毛は、野生個体は成貝でもしっかり残っているのに飼育個体は徐々になくなってしまう。
わたしを含む薄毛に悩む中高年の男性には理解して頂ける悩みであろう。
これに関しては飼育環境を見直した方がいいのかもしれない・・・と、これは以前から思っている事であるが実行に至っていない。
おそらく飼育環境が多湿過ぎ、または清潔でないなどが原因かと。
失ってからでは遅いのである。今から頭皮ケアをしても!それでもあがくのです。悲しいかな。(なんだこれ)


アポイマイマイ

2019年10月06日 | カタツムリ探索・飼育


いや~、とれたとれた。今年も採卵できましたよ~~
エゾコバネササキリの卵を・・・ん? いや、アポイマイマイの卵を。


今回孵化した稚貝
アポイマイマイは6年間累代飼育継続中。


ちょっと成長
ここまで育てばやや安心。


カタツムリは意外に寿命は長く、アポイマイマイでも2~3年は生きる。
その間、頻繁に産卵するので採卵数は多いが、孵化率が悲しいくらい低い。10%未満だね・・・
おそらく保管環境が適切な条件に維持できていないのだろう。
試行錯誤しているが有効な解決策は得られていない。
なので増えることもなく減ることもない。良いのか悪いのか?


イラクサ包囲網を超えて行け!

2019年06月12日 | カタツムリ探索・飼育

ちょっと道東方面の探索を済ませてから、アケボノマイマイの産地に寄り道してみた。

見ての通り、道路脇はイラクサが近寄るなとばかりに密生している。
実はこの下には側溝があるが、ズボンの上からでもイラクサの棘は刺さってくるので、側溝は探せたものではない。
まぁ側溝の状態は、落ち葉や土がかなり堆積していたので、おそらくマイマイはいないだろう。

ここから先の数10分、イラクサに刺されながら頑張って探索することになるので、この記事をご覧頂いている皆様には正座して読むことを強要します。(何様だよ!)

イラクサにはウンモンテントウが複数見られた。まとまって見かけることがないテントウムシなので珍しい。
食性の分かっていないテントウだが、もしかするとイラクサに依存する菌とかアブラムシが餌となっているのか?
他に食菌性のテントウも見かけたので、当たりかも。


イラクサではお馴染みのオオコブオトシブミ。
撮影していたら、今まで保護していた手がイラクサの餌食に・・・もう!
そういえばイラクサって湯がいて食べることができるらしい。嫌われ者の雑草というイメージしかないが、美味しいのかね?

脱線はこれくらいにして、イラクサ群生に隣接する苔むしたコンクリートの擁壁を探してみた。

苔の中に隠れていたアケボノマイマイを早速確認。
有帯型。


これはちょっと褐色を帯びた有帯型。
殻に毛(鱗片状殻皮)がわずかに確認できるが、どの個体も擦れており、完品おらず。
個体数は多からず少なからず。探せばそれなりに出てくる程度。


成貝でも最小型のヒメマイマイくらいのサイズで小さい。
というか、アケボノマイマイってたぶんヒメマイマイの地域変異のひとつだろう。
いろんなヒメマイマイの地域変異を見てきたが、アケボノマイマイがヒメマイマイと別種とは考えずらい。
この地域だけ別種というのは不自然すぎる。


前回(5年前)確認できた無帯型が今回全く見かけることができなかった。
数年で変異傾向が変わったか?

はい、正座終わり。


凋氷画脂

2019年04月20日 | カタツムリ探索・飼育

平成最後の満月の日 、ポイマイ(アポイマイマイの略)を探しに遠征。

かんらん岩がごろごろ転がっているガレ場。
岩の隙間や落ち葉下にポイマイは潜んでいる。


死貝(空殻)はちょくちょく見つかるが、時期的に気温が低く、意外に地面が乾燥していたためか、なかなか生体が現れない。
まだ越冬中の個体もいるのだろう。
しかも雪が積もらない地域なので落ち葉が秋の状態でそのまま厚く堆積しており、1枚1枚こまめに確認する余裕がない。
かなり大雑把になってしまったので、見逃した個体もいるだろう。

それでもなんとか生体は見つけることができた。

岩の隙間奥に潜むポイマイ。
過去に何回か探しているが、岩の隙間に潜む個体は意外に稀だ。
野ネズミの巣になっていることが多いので、捕食されてしまうのかもしれない。


落ち葉下で確認。

結局。4時間探して2個体のみ・・・効率悪すぎ。(最初の1時間で2個体、以降なし)
やっぱり、カタツムリはもう少し暖かい日で雨後じゃないと、いい成果は期待できないね。ポイマイも然り。

それにしても片道5時間はキツイ。
特に帰路は眠気との戦いが延々続く。
誘惑に負けて途中の温泉に入ったものなら機能停止となり、翌日の帰宅になりかねない。

え?春はまだ来ないのかって?まだこないよ。