探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

連続忘却

2017年11月19日 | 自然探索記~採集記(道北)


本日、北海道は大荒れ予報とか言ってたが、少なくとも旭川は日中穏やかだった。
ただ気温は低く、ちょっとした探索でもしっかり防寒しないといけない。


クモガタガガンボもいたけど、ちょっと元気がなかった。
今年もクモガタガガンボが現れる時期になったか・・・
秋にトワダカワゲラの成虫を探そうと思っていたが、すっかり忘れてしまった。
ちなみに昨年も一昨年も忘れた。他人はこれを老化と言うかもしれないがそれは認めない。


5種目(残り1種)

2017年11月17日 | ガロアムシなど掘削系探索

この時期、掘削系探索をするとヒラタクチキウマがしばしば出てくる。
越冬のため土中に入り込むのだが、伏流水が豊富に流れる砂利層を好むので、ガロアムシやメクラチビゴミムシとはちょっと環境が異なる。
狙う時は、本命のガロアムシが確認できて満足した時か、全く出ず諦めた時。
今回は未見であったエゾヒラタクチキウマの成虫を掘り出すことができた。
(幼虫はもしかすると過去に掘り出しているかもしれない)

エゾヒラタクチキウマ Alpinanoplophilus longicercus
夕張山地にて採集。
掘り出したときに、よく見かけるマツモトヒラタクチキウマとは異なった感があったので、持ち帰って調べてみた。


写真の個体は雌
背面には大きな白色の斑紋がある。


産卵器下片の鋸歯数は4か5

雄も探してみたが、見つけることはできなかった。
今シーズンあと1回くらい挑戦できるか?


こちらは夕張山地や天塩山地の石狩低地帯以東でよく見かけるマツモトヒラタクチキウマの雌。
エゾヒラタクチキウマと混生してるようだが、個体数はこちらの方が多い。


産卵器下片の鋸歯数は8

北海道に分布する未見のヒラタクチキウマは残り1種。
道南に生息するトウホクヒラタクチキウマ・・・道南に出かける機会は今後あるのだろうか?


人工物を越えて掘る

2017年11月12日 | ガロアムシなど掘削系探索

暴風で道内大荒れだった昨日。
今日の天気予報は朝から曇りということで、今シーズン最後の掘削系探索へ。
場所は近場の夕張山地北部に決定。(車で1時間くらいって近場かどうか疑問だが)

カメラ新調して初探索。試し撮りも課題のひとつ。

って、旭川郊外から雪降ってるし・・・


途中で通過した川。
なんかカワイイね。


現地に到着。
本当はもっと上流域を攻めたかったが、道路が冬期通行止めとなっており、やむなく住宅地に近い場所にした。
沢は昨日の天気の影響で、増水気味で濁りあり。
雪もうっすら積もっているので、どこを掘っていいのやら・・・


少し遡上すると要塞級の砂防ダムが2つ立ちはだかる。
人工物があるという事は、その下流域は工事など人の影響を受けている可能性があるので、これを越えた方がいい。


謎のミニ廃墟が現れる。
かつて炭鉱で栄えた地域なので、その関連の遺物か?


これは何に使われた物か?
神社の手水舎にある水盤みたいだが・・・
山の中でこのような廃墟としばしば遭遇するが、何か出そうで気味が悪い。

帰宅してから地図で確認したのだが、沢に沿って谷の上に細い道があった。
そりゃーいくら遡上しても人工物が出てくるわけだ。

気を取り直して、良さそうな斜面を見つけて掘削開始。

集団越冬中のヒラタクチキウマの一種
幼虫なので種は分からない。
たぶんマツモトヒラタクチキウマでないかと思ったり。


こちらも集団越冬中のカマドウマの一種(幼虫)
ヒラタクチキウマもカマドウマも同種で集まって越冬し、サイズも同じ傾向にあるのが興味深い。
それぞれ特有の誘引物質でも出しているのだろうか?


ガロアムシは幼虫のみ4個体掘り出せた。
夕張山地だから出して不思議はないが、最近新産地探しの成果がなく、ご無沙汰だったので、既知産地でも見られただけで嬉しい。
欲を言えば、ユウバリメクラミズギワゴミムシを出したかったが、ここ数年なぜか嫌われている。時期的にはまだ大丈夫なんだけど。


国内移入種から在来種へ

2017年11月05日 | ご挨拶・お知らせ・ひとりごと

「下北自然学巣」の大八木昭さんらが組織する研究グループが、人為的移入とされていた本州(下北半島)に分布する「エゾホトケ」が、北海道産個体群とは異なる独自のDNA塩基配列であることを発見し、自然分布(在来種)であることを科学的に証明されました。
この純淡水魚が津軽海峡を越えて分布していたという事は、生物地理学的障壁とされているブラキストン線の重要性を疑問視する事にも繋がるのであります。

論文は日本魚類学会の学術雑誌(電子版・英文)に掲載されております。
わたしも頭からを流しながら北海道内のサンプル採集に微力ながら協力させて頂いたので、この発表は嬉しい限りです。(論文の謝辞に名前が載っております。)


エゾホトケ