探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

キスジホソハムシの成虫と幼虫がいるのに卵が見当たらない件

2022年05月22日 | 自然探索記~採集記(道央)


5月中旬、越冬成虫が芽吹いて間もない若々しいドクゼリに現れる。
水路の泥中で越冬していたので、成虫はどれも泥が付着していた。


孵化したばかりの幼虫も多く見られた。
成虫・幼虫がいるのに卵がどこにも見当たらない。
食草に見つけて下さいと言わんばかりにまとめて産み付けるのがハムシというもの。(ハムシ軽視発言)
ドクゼリ1株にいる幼虫数も少なく、複数の株に散在しているのも気になる。

というわけで調査してみた。
ペアを採集して産卵をさせてみれば全てが分かる。

交尾中のペア
そして採集したその日に問題は解決した。


雌はドクゼリの茎に穴を開けて・・・。


茎の中に卵を産み付けた。
移動してまた産卵する。


産卵痕


ドクゼリ茎を切って確認すると内壁に卵あり。
1回に5~7個ほど産み付けていた。
ドクゼリの茎は中が空洞になっているので、卵を隠し保護するのに都合がいい。
ドクゼリの構造をうまく利用している。
なかなかやるな・・・ハムシのくせに。


産卵から5日目
そろそろ孵化しそう。


産卵から6日目孵化確認

調査でキスジホソハムシは卵と蛹は茎の中、羽化後から翌年までは泥の中で過ごすため葉を食べる時期以外は姿を見せない事が分かった。
(表に現れるのは成虫は5月のみ、幼虫は5月中旬から6月下旬まで)
ドクゼリはキスジホソハムシにとって「食べ物」であり「揺りかご」であり「繭」でもある。

一連の流れは動画にまとめてYouTubeに投稿予定


【希少種】ユキエグリトビケラ探索 Chilostigma sieboldi

2022年05月12日 | 自然探索記~採集記(道東)


【希少種】ユキエグリトビケラ探索 Chilostigma sieboldi
特異な生態のトビケラです。
トビケラってどんな昆虫か知ってますか?
成虫は車のライトに誘引されて特攻したり、地味過ぎて蛾と間違えられたり。
幼虫は釣りの餌になったり。そんな感じです。


シベリアヤツメ探し

2022年05月07日 | 自然探索記~採集記(道東)

オオルリオサムシが発生し始め虫屋たちが活気づく北海道。
自分も春の虫を探す予定ではあったが、急遽予定変更し「シベリアヤツメ」を見に行くことにした。
情報はほとんどなく、満足いく準備もほとんどしていない。
スナヤツメの生息環境は知っているので、似た環境を探せばいい・・・じゃないかと。

自分の知っているスナヤツメの生息環と似た川見つけた。ここに決めた。
魚は小さなマス類が少しいるくらい。フクドジョウはなぜかいない。

というかブヨがすごい。こんな量に襲われたのは今までにないくらい。
呼吸するだけで鼻に入ってくるので全く探索に集中できない。
虫除けスプレーはまるで効果なし。水辺以外なら蚊取り線香(赤函)を使用できるのだが・・・。
そこで車に戻って邪法を行うことにした。

これはご禁制
ちょっと噴霧するだけで周りのブヨは瞬く間に撃墜。
しかもしばらく新たな個体がやってこない。
効果覿面だが、環境的にも問題ありなので有事の時にしか使用しない事に決めていた。
今回が初使用。
大量殺戮兵器は使用したら報復されると心得よ。


モクズガニの女の子
北海道の上流域にカニがいるとは知らなかったので、外来種じゃないかと疑ってしまった。


ニホンカワトンボのヤゴ
どうせならミヤマカワトンボだったら良かった。


シンジュガイの一種
たくさんあったが、同定するには殻の内側を確認するしかない。


シベリアヤツメ
開始早々、網に入ったが、撮影しようとケースに入れたら、するりと華麗に飛び越え川へ逃走。
以降、沈黙が続いたが、数時間後にやっと捕獲し警戒しながら撮影した。
結局、成体3、幼生2を得た。少ない。
産卵シーンを見たかったがまだ早かったらしい。


ウェーダー穴空いたらしく右足が冠水した。報復か・・・。
本来の使用目的である釣りよりも湿地や池沼のガサ採集が多く、酷使しているので仕方がない。
補修しなければ・・・。