今号では、コーポラルマイムや仮面を使った作品などアート系のパントマイム作品を上演する、きうすけさんの日記をお届けします♪
こんにちは。
6月10日からの東京マイムフェス2014、Aプロで皆さんにお目にかかります。きうすけです。名前を聞いたこともないとおっしゃる方が多数おいでのことと思いますので、自己紹介からにいたします。
まだ渋谷と沖縄にジャンジャン小劇場があった頃、マイムトループ気球座に所属していたヤフソユウコウ氏が沖縄に帰郷し活動を始めました。それから1年後、汎マイム工房を離れて花城とーる氏が帰郷いたしました。私はヤフソ氏に弟子入り、その後、ヤフソ氏の沖縄マイム研究所で出会った花城氏と獏々団を結成し沖縄で活動しておりました。健康上の理由から本土に戻り療養後、清水きよし氏に師事し復活を試みて今があります。初めてのソロ公演で、マイム一人芝居の明日可さんから紹介していただいた藍木二朗氏との出会いで、私のマイム感覚の何かが啓きました。ゆうぎ亭ふちを氏の創作面とのコラボは私の一生涯のテーマです。
最近のこと…
年明け、青梅での新年会で「今年はやるぞー!」と宣言したにも関わらず身体のコンディションは下がりっぱなし…それに歯痛の追い討ちで歯医者通い。児童館、市の後援イベント、そして児童館と、身体に発破をかけて凌いだけれど心配になり、ギリギリセーフの3月31日に市の特定健診を受けて来ました。
当日は朝食抜きで受付へ。まず問診表を記入して次は身体測定。
身長168cm、「2cm縮んでいる」と看護師さんに言うと「私が測ると皆さんそうおっしゃいます」との返事。(どういうこっちゃ!)
体重59.9kg(約60kgは2kg増)
ウエスト73cm(ベストから1cm増)
「身長が縮んで体重ウエストが増えるのはメタボの予兆でしょうか?」などと話しながら血圧を計る。「あっ話をしながら血圧を計って大丈夫ですか?」と心配になって聞くと「興奮していなければ大丈夫です」との返事。(私が?あなたに?挑発的な看護師さんです)
血圧128~87(お~やっぱりこんなんでました)
身体測定が終わると、採尿、採血、胸部レントゲン、院長先生の問診で終了。結果は10日後。心電図もやって欲しかったなと思いつつ病院を後にしました。結果が気になります。
年に一度の健康診断は必要ですね。皆さんにもお勧めします。
マイム以外ではまっていること…
トポロジーとノーテーションにはまっています。
トポロジーは位相幾何学のことですが、トトロやトッポジージョ(昭和時代のネズミのキャラ)に語感が似ていて私は好きです。
幾何学にはまっているといっても図形に補助線を引いて数式を解いて嬉々としている訳ではありません。方程式は苦手です。
トポロジーにはまっている訳はその考え方、発想法です。
エッシャーの階段、メビウスの輪、鏡は左右反転するのになぜ上下反転しないのか、4次元のこと、などを興味深く説明してくれます。
トポロジーの原点は「伸ばしたり、縮めたり、曲げたり、ゆがめたりして重ねられるものは同じもの」とする発想です。ボール(球)とサイコロ(立方体)も同じものになります。少し難しくいうと「量を捨象して質に注目」することなのだそうです。
ノーテーションは舞踊記譜法です。舞踊の振り付けを記録するために考えられた音楽の楽譜のようなものです。私がはまっているのはラバノーテーションという記譜法です。
ノーテーションをトポロジーの発想法で見てみると面白いのです。
野口体操の野口三千三さんは「人の身体は皮袋に液体が入っているようなもの」と言っていたそうで、まさにトポロジー的発想です。
口とか鼻とかの穴を無視するならば(本当はその穴が大切なのですが…)、人の形はボールと同じになります。クレイ・アニメの世界にありそうですね。
トポロジー的にボールの動きを考えていくことが、人(ひと)形(がた)の動きを考える基本になります。
床の上に人というボールが置かれています。床が水平であればボールは静止したままです。
ボールが動くには外からの力が必要です。タンポポの種が風に吹かれて飛ぶように、川底の石が水に流されて転がるようにです。
生物と無生物とも共通な動きの原点は他力による移動ということになります。
静止して床にくっついているのは重力という他力があるからで、移動は重心が別の場所に移る軌跡です。
地球上にいる限り重力からは逃げられないので、いつも他力によって動かされ静止させられていることになります。
自力で重心を移して動くには安定しているバランスを崩すことが必要になります。
ここで再びトポロジーの発想法です。
ボールの形を「伸ばしたり、縮めたり、曲げたり、ゆがめたり」するのです。
変形することは動きです。
人の身振り手振りはすべて変形の動きになります。
変形して重心のバランスをずらして移動するには、ミミズのように全身を伸び縮みさせたり、人間だったら足を曲げ伸ばしして移動します。
ボールでイメージしやすい動きがまだあります。
ボールの移動といえば、変形する弾む、変形しない転がる。変形しない移動もうひとつの滑る。そして移動せず変形しない動き、回転です。
移動と回転、変形が動きの基本になります。(変形の基本は伸びると縮むです)
ノーテーションはこれに程度、方向、時間、体の部分などを指定して、記号で楽譜のように動きを記録していきます。
動きの記録としては映像やモーションキャプチャーが便利ですが、動きの質や意味を選択したり吟味するにはノーテーションにすると分かりやすくなります。
例えば上半身を反らす動き。外見は同じに見えても、背中を縮めて反るのか、胸腹を伸ばして反るのか、(厳密に言えば両方のバランスですが)で動きの質と意味が変わります。
ユニゾンで動くとき、なぜ印象が揃わないのだろう、なぜ体への負担が大きくなるのだろう、と感じたときはノーテーションにしてみると解決するかも知れません。
呼吸も大切です。
大切なことがもうひとつ…
気分やイメージで無意識のうちに変形し移動してしまうのが人の身体です。
こんなことを考えながら街を歩くのが好きです。
長文におつき合いいただき、ありがとうございました。
東京マイムフェス、よろしくお願いいたします。
きうすけ
こんにちは。
6月10日からの東京マイムフェス2014、Aプロで皆さんにお目にかかります。きうすけです。名前を聞いたこともないとおっしゃる方が多数おいでのことと思いますので、自己紹介からにいたします。
まだ渋谷と沖縄にジャンジャン小劇場があった頃、マイムトループ気球座に所属していたヤフソユウコウ氏が沖縄に帰郷し活動を始めました。それから1年後、汎マイム工房を離れて花城とーる氏が帰郷いたしました。私はヤフソ氏に弟子入り、その後、ヤフソ氏の沖縄マイム研究所で出会った花城氏と獏々団を結成し沖縄で活動しておりました。健康上の理由から本土に戻り療養後、清水きよし氏に師事し復活を試みて今があります。初めてのソロ公演で、マイム一人芝居の明日可さんから紹介していただいた藍木二朗氏との出会いで、私のマイム感覚の何かが啓きました。ゆうぎ亭ふちを氏の創作面とのコラボは私の一生涯のテーマです。
最近のこと…
年明け、青梅での新年会で「今年はやるぞー!」と宣言したにも関わらず身体のコンディションは下がりっぱなし…それに歯痛の追い討ちで歯医者通い。児童館、市の後援イベント、そして児童館と、身体に発破をかけて凌いだけれど心配になり、ギリギリセーフの3月31日に市の特定健診を受けて来ました。
当日は朝食抜きで受付へ。まず問診表を記入して次は身体測定。
身長168cm、「2cm縮んでいる」と看護師さんに言うと「私が測ると皆さんそうおっしゃいます」との返事。(どういうこっちゃ!)
体重59.9kg(約60kgは2kg増)
ウエスト73cm(ベストから1cm増)
「身長が縮んで体重ウエストが増えるのはメタボの予兆でしょうか?」などと話しながら血圧を計る。「あっ話をしながら血圧を計って大丈夫ですか?」と心配になって聞くと「興奮していなければ大丈夫です」との返事。(私が?あなたに?挑発的な看護師さんです)
血圧128~87(お~やっぱりこんなんでました)
身体測定が終わると、採尿、採血、胸部レントゲン、院長先生の問診で終了。結果は10日後。心電図もやって欲しかったなと思いつつ病院を後にしました。結果が気になります。
年に一度の健康診断は必要ですね。皆さんにもお勧めします。
マイム以外ではまっていること…
トポロジーとノーテーションにはまっています。
トポロジーは位相幾何学のことですが、トトロやトッポジージョ(昭和時代のネズミのキャラ)に語感が似ていて私は好きです。
幾何学にはまっているといっても図形に補助線を引いて数式を解いて嬉々としている訳ではありません。方程式は苦手です。
トポロジーにはまっている訳はその考え方、発想法です。
エッシャーの階段、メビウスの輪、鏡は左右反転するのになぜ上下反転しないのか、4次元のこと、などを興味深く説明してくれます。
トポロジーの原点は「伸ばしたり、縮めたり、曲げたり、ゆがめたりして重ねられるものは同じもの」とする発想です。ボール(球)とサイコロ(立方体)も同じものになります。少し難しくいうと「量を捨象して質に注目」することなのだそうです。
ノーテーションは舞踊記譜法です。舞踊の振り付けを記録するために考えられた音楽の楽譜のようなものです。私がはまっているのはラバノーテーションという記譜法です。
ノーテーションをトポロジーの発想法で見てみると面白いのです。
野口体操の野口三千三さんは「人の身体は皮袋に液体が入っているようなもの」と言っていたそうで、まさにトポロジー的発想です。
口とか鼻とかの穴を無視するならば(本当はその穴が大切なのですが…)、人の形はボールと同じになります。クレイ・アニメの世界にありそうですね。
トポロジー的にボールの動きを考えていくことが、人(ひと)形(がた)の動きを考える基本になります。
床の上に人というボールが置かれています。床が水平であればボールは静止したままです。
ボールが動くには外からの力が必要です。タンポポの種が風に吹かれて飛ぶように、川底の石が水に流されて転がるようにです。
生物と無生物とも共通な動きの原点は他力による移動ということになります。
静止して床にくっついているのは重力という他力があるからで、移動は重心が別の場所に移る軌跡です。
地球上にいる限り重力からは逃げられないので、いつも他力によって動かされ静止させられていることになります。
自力で重心を移して動くには安定しているバランスを崩すことが必要になります。
ここで再びトポロジーの発想法です。
ボールの形を「伸ばしたり、縮めたり、曲げたり、ゆがめたり」するのです。
変形することは動きです。
人の身振り手振りはすべて変形の動きになります。
変形して重心のバランスをずらして移動するには、ミミズのように全身を伸び縮みさせたり、人間だったら足を曲げ伸ばしして移動します。
ボールでイメージしやすい動きがまだあります。
ボールの移動といえば、変形する弾む、変形しない転がる。変形しない移動もうひとつの滑る。そして移動せず変形しない動き、回転です。
移動と回転、変形が動きの基本になります。(変形の基本は伸びると縮むです)
ノーテーションはこれに程度、方向、時間、体の部分などを指定して、記号で楽譜のように動きを記録していきます。
動きの記録としては映像やモーションキャプチャーが便利ですが、動きの質や意味を選択したり吟味するにはノーテーションにすると分かりやすくなります。
例えば上半身を反らす動き。外見は同じに見えても、背中を縮めて反るのか、胸腹を伸ばして反るのか、(厳密に言えば両方のバランスですが)で動きの質と意味が変わります。
ユニゾンで動くとき、なぜ印象が揃わないのだろう、なぜ体への負担が大きくなるのだろう、と感じたときはノーテーションにしてみると解決するかも知れません。
呼吸も大切です。
大切なことがもうひとつ…
気分やイメージで無意識のうちに変形し移動してしまうのが人の身体です。
こんなことを考えながら街を歩くのが好きです。
長文におつき合いいただき、ありがとうございました。
東京マイムフェス、よろしくお願いいたします。
きうすけ