ひびのあれこれ・・・写真家の快適生活研究

各種媒体で活動する写真家の毎日。高円寺で『カフェ分福』をオープンするまでの奮闘記、イベント情報などをお伝えします。

京都庭園美の世界@梅小路公園

2010年04月10日 | Weblog
日本の造園界の第一線で活躍する庭師の方々による「京都庭園美の世界」と銘打った講演に参加するため、梅小路公園へ。全5回の講演の第1回目を飾るのは、円山公園の枝垂桜でお馴染の桜守、佐野籐右衛門さん。やんちゃ発言は80代半ばになられより冴えを増し、胸がすく気風の良さはいつも変わらない。桜を通して自然界の繋がりや多様性、人間がいかに自己中心的に自然を解釈し、分かったつもりで勘違いしているのか、そんなお話をお伺いした。花の時期は「花見、花見」と祭り上げられる桜。でも、桜にだって四季の変化があり、花を咲かせるためにずっと準備している。美しい時期だけ誉めそやすのではなく、桜を含めた周囲の自然に目をやり気を配り、その変化を肌で感じながら一緒に生きていくことが本来の人間の自然界の一員としての姿であるにもかかわらず、あまりにも自分勝手な物の見方でエコエコなんて言葉ばっかり振りかざしている。特に行政のやり方は目を覆うものがある。桜で町おこし、なんて言って桜を植えるのはよしとして、その桜が下手に据えられた支柱や鉄柵で傷めつけられて、無残な姿を露呈している。行政は植えっ放し、桜をただの人寄せパンダじゃないけれどただの「モノ」として扱っている。心がない。スライドで拝見した桜、幹に支柱が食い込んで痛々しい。植物も人間も同じ生物だ。植物には言葉がない、と思っている方々も多いと思うが、実は植物は二次代謝産物というコミュニケーションツールを持っている。もしも満開の桜の下で、桜の言葉を人間が理解出来たとするならば、花見、なんて気分を吹き飛ばす陰鬱な心持ちになってしまうかもしれない。桜が花を咲かせるのは人間のためではない。私たちはほんのちょっとその美しい姿のお裾分けに与っている。今年も花を咲かせてくれてありがとう、リスペクト、感謝の気持をいつも忘れないこと。さもなくば人間は滅びるまでだ。そんな籐右衛門さんのメッセージだった。


梅小路公園「緑の館」の庭。
「京都庭園美の世界」第5回目の講師を務められる井上剛宏さん作庭。

夕食はJR二条駅近くのイタリア料理Ca' del Vialeカ・デル・ヴィアーレ(中京区西丿京千本三条西入ル北、075-812-2366、月休)へ。有機野菜をふんだんに使ったヘルシーなイタリア料理で定評がある。ホワイトアスパラ(6本!)のチーズソース、ラゴールとか何とか言うフレッシュタイプのチーズとシチリア産トマトジャムのサラダとAコース(アミューズ、前菜盛り合わせ、魚介のパスタとチーズソースのパスタ、メインは肉か魚、デザート)、ドリンクで1人10000円(コースだけだと6500円)。この日のパスタはホタルイカにカラスミとウニがふんだんにかかったオイル系とゴルゴンゾーラのニョッキ。メインに仔羊のグリル。デザートは盛り合わせでブラッドオレンジのソルベとティラミスとパンナコッタ。コストパフォーマンス、満足度共にとっても高いレストランだった。裏、返します。