マラソン距離の語呂合わせは死に行く5だそうだ。タイトルとは想像をかけ離れた内容のエッセイである。ブログによる記録を連続して文章を綴る。銀行員を勤め上げた?作家ならでの読み物になった。マラソンが個人競技であること、タイムラップを守れば走れるようになること、練習には会話を楽しむこともあり、景色を堪能することもあり、四季の変化が加わればなおのことだ、都市を走り抜けるときには新たな感慨が人生に湧き起こることなど、興味が尽きない。フルマラソンを初めて走り切ったところは創作的文体に似てここだけ、いやに臨場感に溢れる。
55歳からのフルマラソン (新潮新書)
江上 剛 . . . 本文を読む