漱石の表記を文字遣いとしてきた。漱石にも表記行動があったとするのはよいとして、それを用字法として議論するとなると、それなりの書き方の実例を収集することになる。どのような用字法が作家の文体としてとらえられるか、それとも、いまのような規範意識を求めて漱石はどのように書くべきであったかなど、校本といった形で示すことになる。それは幾度かにわたる出版があって漱石全集を編集するときの、原稿との間のことがらとなる。夏目漱石全集を1993年に刊行を開始した新しい全集という宣伝があるので、それはどの本だろうかと思う。漱石全集(1993年 - 1999年、岩波書店、全28巻別巻1巻) わたしのもとにあるのは、いわゆる菊版である。漱石全集 岩波書店 18冊 1976/4/12 菊判 第2刷
(昭和40年一刷は全16巻、昭和49年二刷は第17巻(索引)、月報(昭和3・10年)を追加、昭和59年三刷は第18巻(補遺)、月報(昭和40年)を追加)
漱石全集特装版 岩波書店 19冊 2007/10/1 8000円 菊判三刷
夏目漱石「門」:87
2016年2月4日05時00分
十七の六
家(うち)
辿(たど)り
洋燈(ランプ)
箪笥(たんす)
下(もと)に
鍋(なべ)
蓋(ふた)
隙間(すきま)
傍(わき)
膳立(ぜんだて)
糸底(いとぞこ)
茶碗(ちゃわん)
箸(はし)
飯(めし)
余(あんま)り
召上(めしや)がった
撮(つま)んで
土瓶敷(どびんしき)
清(きよ)
退(さ)
退出(ひけ)
顛末(てんまつ)
何(なに)
理由(わけ)
牛(ぎゅう)
御腹(おなか)
消化(こな)す
此所(ここ)
可笑(おか)しそうに
何故(なぜ)
一昨日(おととい)
洋燈(ランプ)
彗星(ほうきぼし)
耳朶(みみたぶ)
淋(さみ)しい
鷹揚(おうよう)
朦朧(もうろう)
膨(ふく)れた
毬(まり)
揺(うご)いた
曲(かが)んで
冴(さ)えた
疾(とく)に
(昭和40年一刷は全16巻、昭和49年二刷は第17巻(索引)、月報(昭和3・10年)を追加、昭和59年三刷は第18巻(補遺)、月報(昭和40年)を追加)
漱石全集特装版 岩波書店 19冊 2007/10/1 8000円 菊判三刷
夏目漱石「門」:87
2016年2月4日05時00分
十七の六
家(うち)
辿(たど)り
洋燈(ランプ)
箪笥(たんす)
下(もと)に
鍋(なべ)
蓋(ふた)
隙間(すきま)
傍(わき)
膳立(ぜんだて)
糸底(いとぞこ)
茶碗(ちゃわん)
箸(はし)
飯(めし)
余(あんま)り
召上(めしや)がった
撮(つま)んで
土瓶敷(どびんしき)
清(きよ)
退(さ)
退出(ひけ)
顛末(てんまつ)
何(なに)
理由(わけ)
牛(ぎゅう)
御腹(おなか)
消化(こな)す
此所(ここ)
可笑(おか)しそうに
何故(なぜ)
一昨日(おととい)
洋燈(ランプ)
彗星(ほうきぼし)
耳朶(みみたぶ)
淋(さみ)しい
鷹揚(おうよう)
朦朧(もうろう)
膨(ふく)れた
毬(まり)
揺(うご)いた
曲(かが)んで
冴(さ)えた
疾(とく)に