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文法と文章と

2014-08-14 | 日本語百科
文法は翻訳語としてとらえる。文法学、文法論とともにある。中世ヨーロッパにおける自由七科 Seven Liberal Arts 、具体的には文法学、修辞学、論理学、算術、幾何、天文学、音楽の一つで、ラテン語の文法を中心にこれに付随して文学などを教えた学問を指すと説明する、その文法である。伝統文法に相当するそうであるが、その翻訳された概念を進めるのは、grammarとして、明治以降である。

すると明治以前には文法は概念としてなかったかと言えば、日本語としては、いくつかの概念を挙げることができる。詩歌、俳句、文章において、句や文を組み立てる際の言葉の決まりとして、句法があった。また、語法指南、大槻文彦著、言海、明治22年(1889)刊の巻頭に載せられた文典の名称に、語法がある。これはのちに広日本文典と改称する。言葉遣いの規則、言葉の使い方とされることがある。

あるいはまた、文の構造、種類などに関する文法として、文章法がある。文章法は文章作法ともいう場合があるので、文章作法すなわち文章を作る方法でもある。この文章法をとらえて文章論とすると、この文章論の用語には、あらたに、文論、構文論、措辞論、シンタックスなどの分野をさすという説明があって、文法論の分野の一つになるが、これはまた、日本語の現代文法での見方となるようである。

さらにこの文章をめぐっては、テキストとしてとらえる考え方があらわれている。現代文法が文章を扱うのは言語のまとまりをひとまとまりとすることのできるテキスト言語学による。これには書きことばの語文と文章、話しことばの発話と談話が対照する。日本語の文法で文章を単位としていたのは国語の文法であった。文法学説によれば顕著な理論は時枝誠記の言語過程説にあるので、その系統の学にある。

ここで思い合せるのは、文章に秘めた民族の思い入れである。そこにあるのは大陸文明を仰いで取りれようとしたさまざまな思想であった。ぶんしょう 、もんざう 、もんじやう 、このように読みをもってあらわそうとしたのは、文章経国の思想であった。
文章は経国の大業不朽の盛事 《魏文帝「典論」論文から》文章は、国を治めるための重大な事業であり、永久に朽ちることのない盛大な仕事である。


世界大百科事典内の文章の言及
【文】より
…日常生活では〈文〉と〈文章〉とをあいまいに使うことが多いが,言語学などでは,英語のsentenceにあたるもの(つまり,文字で書くとすれば句点やピリオド・疑問符・感嘆符で締めくくられるおのおの)を文と呼び,文が(あるいは後述の〈発話〉が)連結して内容のあるまとまりをなしたものを文章(テキスト)と呼んで区別する。文とは何かについては,文法学者の数だけ定義があるといわれるほどで,とりわけ日本の国語学では,ただ定義を論じるのみならず,文の文たるゆえんを問おうとするようないささか哲学的な論議も従来から盛んに行われてきた。…

世界大百科事典 第2版の解説
ぶんしょう【文章】
一つの文(センテンス)またはある脈絡をもって二つ以上の文の連続したものが,一つの完結体として前後から切り離して取り上げられるとき,これを文章という。文もそれ自体完結したものではあるが,文章の脈絡の中においては,低次の部分をなすにすぎない。長い文章では,いくつかの文が部分的にまとまって段落をなすのが普通で,小さい段落が互いに結合しつつしだいに大きい段落をなして,ついに一つの文章をなす。その各段階の段落も,それ自身文章と見ることもできる。


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