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源氏の物語 23 語りだすに

2015-12-23 | 源氏のものがたり
物語りの始まりは語りだしである。いつの御代であったか、あるいはまた、巻き巻きの冒頭においてはどうか。

どの帝の御代のことであったか、女御や更衣たちが大勢お仕えなさっていたなかに、たいして高貴な身分ではないで、きわだって御寵愛をあつめいらっしゃる方があった 渋谷栄一訳、

それをまた、

光る源氏と、名前だけはご大層だが、非難されなさる取り沙汰が多いというのに、ますます、このような好色沙汰を、後世にも聞き伝わって、軽薄である浮き名を流すことになろうかと、隠していらっしゃった秘密事までを、語り伝えたという人のおしゃべりの意地の悪いことよ。とは言うものの 同氏訳、

というふうに、取沙汰する様に語るのか、

瘧病みに罹りなさって、いろいろと呪術や加持などして差し上げさせなさるが、効果がなくて、何度も発作がお起こりになったので、ある人が、 「北山に、某寺という所に、すぐれた行者がございます。去年の夏も世間に流行して、人々がまじないあぐねたのを、たちどころに治した例が、多数ございました。こじらせてしまうと厄介でございますから、早くお試しあそばすとよいでしょう」などと申し上げるので、呼びにおやりになったところ 同氏訳、

と、

ことの発端を語りだすのが、その物語の始まりか。

桐壺に続く帚木三帖に、若紫の巻はそれぞれが物語の始まりなのである。








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