持続可能な開発のための教育という。その世界大会が10日より、3日間の予定で行われる。ESD と略している。Education for Sustainable Development は、>プログラムと関連文書 3日間にわたって開催される世界会議では、閣僚級会合と全体会議のほか、ワークショップが予定されています。 サイドイベントはステークホルダーがESDプロジェクトやプログラムを発表する場となります。展示では、ステークホルダーやパートナーによるESDの成功事例が一堂に介します。
http://www.unesco.org/new/jp/unesco-world-conference-on-esd-2014/about-the-conference/objectives/
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意義と目標
2014 年の「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」はなぜ重要なのでしょうか。
それはこの世界会議がESDの転換点となるからです。
持続可能な開発を達成するには、政治的な調整や財政的なインセンティブだけでは不十分で、人々の思考、行動様式に根本的な変革が必要なのです。こうした変革をもたらすために教育が不可欠であることを、国際社会は長い間認識してきました。
ESDは、持続可能な未来を形作るために必要な知識、技能、生活態度、価値観を学ばせるもので、気候変動や貧困削減などの持続可能な開発に重要な課題を、授業や学習に取り込んでいます。また学習者が、そうした持続可能な開発のために行動を起こせるよう、参加型の授業、学習方法をも促進します。
2014年の世界会議は以下の4つの目標を掲げて開かれます。
1. 10年間の成果から
何が達成され、どのような教訓が得られたか?
世界会議では、DESD(ESDの10年)の実績、成果を検証します。
DESDの成功事例と世界中から寄せられたグッド・プラクティスを紹介します。また取組みにあたって直面した課題や得られた教訓を検証することで、今後のESD発展に必要な要を確認します。
2.万人にとってより良い未来を築くための教育の新たな方向付け
ESDは、質の高い教育の強化にどう役立つのか?
ESDは、社会、環境、経済面における21世紀の課題に取り組むための知識、技能、価値観の習得を可能にし、現状および21世紀の社会のニーズに応える、より適切な教育の実現を図ります。
「ESDはあらゆる人々の教育と学習のあり方に新たな方向性を示す」とした2009年のボン宣言に則り、今回の世界会議は、万人のための教育の質向上にESDが果たす役割の重要性を訴えます。
3. 持続可能な開発のための行動促進
ESDを通じて、持続性という課題にどう取り組めるのか?
持続可能な開発は、技術革新や政策的な枠組み、財政的なインセンティブだけでは達成できません。人々の思考、行動様式の変革が必要なのです。環境、経済、社会の相互依存のあり方に働きかけることのできるESDだからこそ、この変革を促進できるのです。
今回の世界会議では、ESDがいかにして持続可能な経済ならびに社会の構築に貢献するのか、また世界の多様なニーズに対応すべく持続可能な開発にかかる政策や行動を促進できるかを取り上げます。
4. ポスト2014のためのESDアジェンダの策定
私たちの共通の未来のための戦略とは?
世界会議は、DESD終了後のポスト2014年のESDプログラム枠組みの実践にとりかかります。
ミレニアム開発目標と万人のための教育の達成期限である2015年を目前に、ESDの世界会議がこのタイミングで開催されることには重要な意味があります。今後のグローバル教育・開発目標にも連動するESDの重要な役割を再確認します。
全体会合
世界会議では、以下の4つの全体会合を設ける予定です:
1. 10年間の成果から
オープニングの全体会合では、DESD(国連ESDの10年)の成果を検証すると共に、世界の現状に対するESDの急務課題を確認します。
2. 万人にとってよりよい未来を築くための教育の新たな方向付け
全体会合Ⅱでは、持続可能性に関連する事柄を教育に取り込むことが質の高い教育の実現に寄与するという側面からESDの意義を考察します。地球市民教育に対するESDの貢献を具体化します。
3. 持続可能な開発のための行動促進
全体会合Ⅲは、気候変動や防災(災害リスク軽減)、生物多様性といったESDならではの特徴に光を当てます。
4. ポスト2014のためのESDアジェンダの策定
クロージング会合では、世界会議で得た成果から、ポスト2014年のESD活動について協議します。
ワークショップ
ESDユネスコ世界会議に向けて30件以上のワークショップが以下の4つのクラスターに分けて計画されています。(ワークショップのタイトルは仮のものです)
クラスター1:10年間の成果から
以下の各分野において、成功を収めた示唆に富むイニシアティブを紹介します。
1. ESDの概念
2. ESDの政策
3. 国際的に合意された開発目標の達成におけるESDの貢献
4. ローカル・イニシアティブと複数のステークホルダーによるESDネットワークの展開
5. ESDのための革新的な教授・学習アプローチ
6. ESDのためのパートナーシップ動員
7. DESDとESDのモニタリングと評価
クラスター2:万人にとってより良い未来を築くための、教育の新たな方向付け
ESDを以下の各分野において、質の高い教育の中核部分として論じます。
1. 就学前教育
2. 初等・中等教育
3. 高等教育・研究
4. 技術教育・職業訓練(TVET)/グリーン・スキル
5. 教員養成・研修
6. コミュニティ学習とノン・フォーマル学習(学校外教育・社会教育)
7. 情報通信技術(ICT)
8. 革新的学習のための空間と機会
9. 教育の新たなビジョンとしてのESD
クラスター3:持続可能な開発のための行動促進
以下の各分野で、政策と実践を促進するための重要な方策としてESDを論じます。
1. 水と衛生
2. 海洋
3. エネルギー
4. 保健
5. 農業と食糧安全保障
6. 生物多様性
7. 気候変動
8. 防災(災害リスク軽減)(DRR)
9. 持続可能な消費と生産(SCP)
10. 貧困撲滅の観点からみたグリーン経済
11. 持続可能な都市と人間定住
クラスター4:ポスト2014のためのESDアジェンダの策定
以下との関連で、2014年以降のESD枠組み策定を考えます。
1. 包括的な21世紀型のコンピテンシー(総合力)の強化
2. 様々なレベルでのESDの政策への統合
3. 持続可能な開発目標(SDGs)
4. ESD推進におけるローカル・イニシアティブの役割
5. ESDに対する全組織的アプローチ
6. ESDへの支援促進
7. 2014年以降のESDのモニタリングと報告の枠組み
<ESD=Education for Sustainable Development(持続可能な開発のための教育)> 自然環境と開発との調和やエネルギー、防災、貧困問題などに対し、身近なことから取り組む学習や活動。国連は2005年から今年までを「ESDの10年」と定めている。名古屋国際会議場で始まるESDユネスコ世界会議では12日に今後のESD推進に向けた各分野からの取り組みをまとめた「あいち・なごや宣言」を採択する見通し。