感染爆発直前と東京都知事は警戒した。それまでの記者会見には小手先のような標語があったが、オーバーシュートという用語を用いて、都民に呼び掛けている。実際に感染者の拡大は都会で続く。不要不急の外出は控えるようにと言ってきたのも、家で過ごしてくださいと直接的になって、呼びかけのほどが知れる。医療体制の危機的状況を政治ではどうにもできないようで、感染源を抑えることに腐心しているが、民心がそこにはない。解消にはマスクでというのも、静かな、少人数でというのも、会食、宴会の歯止めにはならなかった。どこでウイルスは生き続けるのか、どうにも、自覚なき伝染状況である。現象的に、収容施設のクラスタの発生が数値を押し上げる。不明には家庭内感染と、ふよういなことが現れてきている。コロナウイルスの怖さ、恐ろしさを、身に染みる実感がない、当たり前のことであるけれど、その想像力がないのである。異種、変種と英国のニュースは震撼させて余りある。
尾身氏、経路不明は飲食の場 「マスク会食」広がらない中で対策案
2020/12/21 21:00朝日新聞
> 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は21日、緊急の記者会見を開き、国内の感染状況について「飲食を中心に感染拡大している」とする見解を示した。ショッピングモールのフードコートでの感染例もあるとして、飲酒の有無や昼夜などの時間帯、場所にかかわらず、警戒や対策をするよう呼びかけた。
尾身氏は「会食・飲食による感染拡大リスクを徹底的に抑えることが必要」と指摘。首都圏を念頭に「勝負の3週間」の後も感染拡大が続く地域では、忘年会・新年会を基本的に見送ることも求めた。「マスク会食」が広がらない現状を踏まえ、会話時はハンカチを口にあてることも提案した。
10月以降の東京都内の感染状況を分析。明確なエビデンス(根拠)はないとしつつも、約6割の感染経路不明者の多くは、蓄積した知見などから、飲食の場を通じたものと判断している、と説明した。
英国で確認された新型コロナ変異種について知っておきたい10のこと
藤中 潤
日経ビジネス記者
2020年12月21日
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新型コロナウイルスの感染が急速に拡大している英国。ジョンソン首相は会見で「急拡大は変異したウイルスによって起きているとみられる」と述べた。英国のグループが検証などを行っている段階だが、ウイルスは一般的に変異を繰り返す性質を持ち、新型コロナウイルスではこれまでに数千種類の変異種が確認されているとの話もある。今回確認された変異種について、関係者の発言などをもとに、今分かっている10のことをまとめた。
1:これまでの新型コロナウイルスとは何が違う?
2:症状は重くなった?
1:これまでの新型コロナウイルスとは何が違う?
英国のボリス・ジョンソン首相は12月19日の会見で、諮問グループの分析として「R値(実行再生産数)を0.4ポイント以上引き上げる可能性がある」とし、「かなり不確実性はあるが、従来よりも最大70%感染しやすいようだ」と説明している。
世界保健機関(WHO)で緊急事態対応部門を統括しているマイケル・ライアン氏は14日の会見で「イングランドの約1000人の患者から検出されたウイルスに変異が確認されたとの報告を受けている」と言及。このような変異はよくあるとし「変異の重要度が検証されている」と述べた。
2:症状は重くなった?
ジョンソン英首相は12月19日の会見で「まだ多くの不明点がある」とした上で、「より致命的なものか、より重篤な病気を引き起こすかということを示唆する証拠はない」と述べている。