Nikon D90 + AF-S DX Nikkor 35mm F1.8G
優柔不断で勘違いばかりの殿方に振り回された仕事から開放され、
少しは落ち着いたのかと言えばさにあらず。
理不尽大王にかかりきりになっていた間、
手付かずのまま累積していった仕事で山が出来た。
あまりにも膨大且つ同時進行しなければならない仕事マウンテンを前に、
「…ドレからかかろうか、、」と考えていただけで3日が過ぎてしまった。
(正確には考えていただけでは無く、歌ったり踊ったり西郷輝彦の物真似もしたりした)
状況は悪化するばかりである。
そんなわけで、
もの凄く忙しいのにも関わらず、
現実逃避したい一心で先日終わった美容室での展示会を振り返ってみることにする。
※ ※ ※
『美容室U/勝川店』を若手作家に開放し(勿論、お店は普通に営業中)、
3ヶ月という長期に渡り作品発表する機会を与えるという活動~通称『プロジェクトU』。
その5人目の参加者として7月から展示をさせていただいた。
ソノ展示会につけたmyペットネームが『UK_5』。
言うまでもなく『UK』とは『優柔不断で 勘違いばかり』の略だ。
あえて「…44歳で若手?」という部分には触れないでいる自分の姿勢から
「恥じらいを持った大人の風格」、というものを感じとっていただければ幸いである。
このお話をいただいた当時は(4月の中旬)、今の事務所に変わる前で、
大掛かりな展示に必要な大型プリンターやカッティングマシン、資材等は使い放題の環境だった。
画像のストックは沢山あったものの、
テーマを決めて撮っていたわけでも、作品として発表する目的で撮っていたわけでも無いただのスナップズ。
『写真展』などという大義に見合うモノは展示出来ないと判断した結果、
『店内装飾として壁面を飾ること』に活路を見いだした。
仕事で店舗設計などに関わる機会も多かったことから、店内外を飾るノウハウなら少なからずあったし。
主張しすぎず嫌悪される可能性も低い『花ズ』をメインモチーフにすることで、
業種にふさわしい華やいだ雰囲気も演出出来るだろう、という目論みもあった。
だがしかしBut、床面や天井面まで飾るつもりで計画っていた搬入間近な6月、
自分でも想像していなかったスピードで営業環境が変わってしまった。
その為、大型プリンターどころか、一時的にせよ満足なコンピュータすら使えないありさま。
忙しいのも重なりパニック状態。
見るに見かねたプロジェクト本部長である焼酎力さんは《会期日程遅延の提案》を申し出てくれた程。
その一方でプロジェクト・リーダーである焼鳥居酒屋さんは、
同時期に行われるご自身の個展用DMのデザインを発注して下さった。 …ありがたくて目から心の汗がでた。
搬入当日はゲリラ豪雨の中、勝川に向かった。
雨があたるガラス面へカッティングシート(=プリントを施した糊付フィルム)を貼る予定だった為、
どうなることかと岐阜を出たのだが、愛知県はまったくゲリラっていなかったようで、快晴。
満点の星空を見上げながら
「自分が『星野(ほしの)』という苗字で娘を授かったのなら、必ずや『フラメン子』と名付けたであろう」と呟いた。
焼酎力さんやUのボス、プロジェクトリーダーにも手伝っていただきながら、搬入は無事終了。
達成感や満足感や膨満感に包まれながら勝川打上げ宴会場をあとにした。
が。
事務所移転前に計画していた大物の展示が叶わなかった為、こじんまりまとまってしまった印象の店内。
『集客=足を運んでもらう事』を目的とした展示ではなく、
『来店者を楽しませる事』が一義にある展示だとは言え、「あれで良かったのか」という思いは拭い去れなかった。
と同時に、『装飾に活路を見いだす』という自分自身に対する言い訳にもほころびが見えはじめた。
“やはり『作品』と言えるものを展示したい”
思いの高尚さとは裏腹に怠惰な性格。
そう思い続けたまま、あっと言う間に1ヶ月が過ぎた。 【つづく】