【動き出せば300km/h】
Nikon D90 +AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
【続き】
残りの展示期間は一ヶ月をきった。
これまでの葛藤を大雑把にまとめれば、
『被写体自体に魅力・価値があるモノを探し出し、それを写しとること』がmy表現における正解なのか、
それとも『ありふれた被写体でも、自分の感性で切り取った画』こそが正解なのか、という問題になる。
前者へのアプローチが《触れ合う人ズの姿をカメラにおさめる》と言う事だとすれば、
後者は、カメラに嵌るきっかけにもなった《光と影、色、構図の面白さに惹かれた被写体》と言う事になるだろう。
その選択に加え
『デザイン屋としての感性と画像加工技術はどこまで画作りに取り入れるのか』という問題も根底にある為、
乗算に乗算を重ねて得られる選択肢は、「無限か!」とツッコミを入れたくなる程迄に膨れ上がっていた。
『写真』を追求したいのか。
『絵・画』としての面白さを追求したいのか。
『写真と絵画、デザイン』をクロスオーバーさせることがオリジナリティなのか。
『今日の昼飯』は何食ったのか。
『金の卵を産むガチョウ』を飼ってた農夫の名前は?
『ブー・フー・ウー』って『暴風雨』と何か関係あったっけ?
考え事が限界近くに達して来ると現実逃避に走るのは昔からの悪い癖だ。
堂々巡りに見切りをつけ、意味も正解も意識しないまま、
ただ『ストックの中から目に止まった画像をモノクロに変換する作業』に取りかかった。
するとどうだ、
A3サイズ止まりだった前回のプリントとは異なり、B2サイズを筆頭に『大きさ』を伴った成果物ズは、
クオリティは別としても、こちらの意図や葛藤を無視し、『作品然』としてフレームに納まっているでは無いか。
これ以上無い形で《下手の考え休むに似たり》を経験することとなった。
※ ※ ※
能天気に《結果オーライ♪》を受け入れるつもりは無いのですが、
短期間の展示にも関わらず「入替前とは反応が変わった」と言うオーナーさんからのありがたいお言葉もあり、
それなりに満足を得られる結果に繋がりました。
この場をお借りして、展示期間中にご高覧いただいた皆様、関係者の皆様にお礼申し上げます:ありがとうございました。
それ以降、今現在に至っては、ある程度の方向性を見定めております。
まだまだ迷いはあるものの、目標らしきものの後ろ姿が見えてきた感じです。
そろそろ『巨匠』と呼ばれる準備にかかります。サインをご希望の方はお早めに◎