堺に行ったときに、猫がいっぱいいる古びたアパートがあった。私は勝手に「猫館」と名付けた。猫館の住人の猫がこっちを見ている。純粋な飼い猫でもなければ、鳴り物入りの野良猫でもない。
少し厳しい眼差しだが、疑いの目だけでなく探りを入れている様子だった。やせ気味のせいか、にらみつけた表情には迫力がある。でもきっと、この猫は人間を信じようとしている、そんな気がした。
少し厳しい眼差しだが、疑いの目だけでなく探りを入れている様子だった。やせ気味のせいか、にらみつけた表情には迫力がある。でもきっと、この猫は人間を信じようとしている、そんな気がした。