私の生まれた四国中央市には大きな製紙工場がある。煙突の煙を見ながら佇んでいると、海の香りと同時に、独特のパルプのにおいがする。
子どもの頃は煙が空に向かって立ち上るのを、面白く眺めていた。そのうち工場が増えてくると、海が消えてしまって寂しい思いだった。子どもの頃は小さな漁船が着くたびに見に行ったり、干し場で遊んだりしていた。そのとき遊びで乗っていた小船が沈んでおぼれそうになったのが、今もトラウマで、水が苦手になった。
街の変遷を思うとき、きれいな風景と経済効果が取引のような気がする。世の中は知らない間に、いろんなものがめまぐるしく変わっていくのだ。
子どもの頃は煙が空に向かって立ち上るのを、面白く眺めていた。そのうち工場が増えてくると、海が消えてしまって寂しい思いだった。子どもの頃は小さな漁船が着くたびに見に行ったり、干し場で遊んだりしていた。そのとき遊びで乗っていた小船が沈んでおぼれそうになったのが、今もトラウマで、水が苦手になった。
街の変遷を思うとき、きれいな風景と経済効果が取引のような気がする。世の中は知らない間に、いろんなものがめまぐるしく変わっていくのだ。