『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

ディコトマ(大)

2014年11月15日 | 日記


仕事中に巨大なディコトマ(アロエ族)を発見。
訪れた春日井市はサボテン一族の生産日本一らしい。
知らなかった。
そこに住む人に聞いても知らなかった。
知る人は知っているのか、謎だ。
しかし立派なディコである。
堂々1.5メートルくらいはある。




つるつるすべすべの幹も美しい。
思わずなでてしまう。


               

葉っぱの生え際も元気な色だ。
さすが産直、生まれ育ちもこの環境なので完全に順応している。

ディコはこれくらいのサイズになるとネットでは5万円から10万円くらいはする。
しかしここでは無造作に市役所の窓際に置かれており振り向く人もいない。
この子の値打ちは横切る人には関係がないし、こいつにも関係がない。
そんなものはどうであれ、ただ堂々と育っているこいつに心打たれた。
定期的に仕事を作って観察しなければならないな。
というか、会いに来たいと思う。
ほとんど人格化している。
窓際のディコよ、光と風と水を集めて元気に天井まで届け!

嗚呼、ボタニカル!

ROSE GARDEN

2014年11月08日 | 日記


植物園に紅葉狩りに行ったがまだ早かった。
代わりに薔薇が見頃だったので散策した。





陳腐な言葉だが薔薇は美しい。
花の形がパーフェクトだ。
適当に写真を撮っても何か完結している。
色もきれいだ。
白にもこんなに種類があると気づかされる。




これはクリスチャン・ディオール
何だかゴージャスだ。




これはヨハン・シュトラウス
華麗なワルツが聞こえてきそう。



光を透かして白の陰影が美しく、官能的でさえある。

秋の風に吹かれて薔薇を見て歩くのは楽しかった。
紅葉狩りが期待はずれとなったが期せずして薔薇狩りとなった日曜日。
気分良く帰ることができた。


嗚呼、ボタニカル!




オンシーの恩返し、か。

2014年11月03日 | 日記
かねてより療養中だったオンシジウムについに変化がきた。
500円で見切られていた鉢をスーパーから買ってきたのはこの6月だ。
500円とはいえ半月以上バレリーナように黄色い可憐な花を咲かせて楽しませてくれた。
花の後、三つ詰め込まれていたポットを解体し、別々の鉢に分けて植え替えた。

  


オンシーは花が終わると株はだんだんしぼみつつ、次の子株を作るという。
夏の間は朝と晩に2回水やりを欠かさず水苔が乾かないように世話をした。
遮光ネットで夏の日差しを弱め、風通しをよくして面倒をみた。
500円で楽しませてくれたお礼と再生への願いである。

  

しばらくして感動の子株が誕生した。
エイリアンのように親の根本から突き出したのである。
それだけで十分満足だった。
小さな株を眺めては水をやり、水をやっては眺めていた。
子株が見慣れたものになると次の欲がでた。
いつかまたあのかわいいバレリーナを咲かしてくれるのではないか、と。
花は春と冬に咲くというから来年の春までこのままだと昨日まで思っていた。




しかし、そのときが来たようだ。
昨日も霧吹きをしていたのに気がつかなかった。
今朝久しぶりの日の出をみながら霧を吹いていたら葉っぱの根本に棒状の突起をみつけた。



こ、れ、は、花茎ではないのか!
明らかに葉っぱではないものだ。
これが4,50センチに伸びてあの花を咲かすのか。
開花の期待にオレの胸と鼻は大きく膨らんだのだ。

さて、これからは温度の問題がある。
日差しと風が必要だが、最低温度は10度までと書いてある。
前に買ったベランダ用の温室はチラ族で満室だ。
部屋の中は日当たりとエアコンの位置の問題がある。
そろそろ越冬準備態勢に入らなければならない。
しかし何としてもこの子を立派に花咲かせてあげなくてはならない。
ベランダのマネジャーとしてオレの責任は重大である。
今日もこの草花たちのためにわくわく、どきどき右往左往するオレの一日が始まる。

嗚呼、ボタニカル!

和紙を楽しむ

2014年11月02日 | 日記
ユネスコの無形文化遺産に和紙が登録される見通しだ。
手間をかけて作られる丈夫で美しい和紙は、世界に誇れる日本の伝統技術だ。
ものづくり日本の象徴でもある。
ここ名古屋のお隣、岐阜県の美濃和紙も登録対象であるので訪ねてみた。


  

お土産に買った和紙を出窓のカーテン代わりにつってみた。
光を通してなかなかいい感じだ。
紙の風合いがよく、草や樹木の繊維が光を透かして美しい。





植物としての生命を終わってなおも役に立つとはすごいやつだ。
考えてみれば、毎日の生活は紙や木の家具、食器に囲まれて暮らしている。
昨年の和食につづいて和紙も無形文化遺産として認められるのはいいニュースだ。
日本酒も見直されつつあり、女性や外国人に人気がでているようだ。
そういえば、女子たちには「ビールは苦手」という人が多い。
でもワインや日本酒はOKなのだ。
よくわからないが炭酸がだめということか。
シャンパンやスパークリングワインはどうなのか一度聞いてみたい。
ともかく、和紙に囲まれ和食で日本酒を飲むのも楽しい。
冷や奴やジャコおろしだけでも贅沢に味わえる。
オレの気分をアゲてくれる植物たちに今日も乾杯だ。

嗚呼、ボタニカル!

音楽のような曲線(2)

2014年11月01日 | 日記
雨である。
風もない細やかな雨の土曜日の朝はカーペンターズを聴きながら
静かにすごすにはちょうどいい。
外の樹木も雨粒を受け止めて冬へ向かう覚悟をきめているようだ。


      

さて、ベランダのチラ族たち。
半年でずいぶん増えた。
外へ行けないのでチラ族たちのその後の成長を観察した。




うちに来てからまだ一月とたたないPROTOLEAFからやってきた子は
なんだか一回り大きくなった。
チラ族はたいてい成長が遅いのでかなり目立つ。




以前ここに載せたメデューサは子株を順調に育てている。
なかなか見応えがある。




葉っぱが下に巻いていくタイプのこいつも面白い形だ。

みんな狭い空間を上下左右に葉を伸ばして見ていて楽しいし美しい。
しばらくぶりにじっくり見ると形が変化している。
それぞれの曲線も、時間とともに次第に大きくうねっていく形もやはり音楽のようだ。
今日もその変奏曲を聴き、酒をのむのだ。

嗚呼、ボタニカル!